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12.似た立場
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私は、レディオル様とともに再び自室に戻って来ていた。
マルガン様の一件について、二人で改めて話し合うことになったのだ。
マークス侯爵によってもたらされた情報について、私達は似た立場にある。それについてもレディオル様には聞いておきたかった。
「マルガン様がセレティーナ嬢と浮気していた……その事実について、レディオル様はどうお考えですか?」
「……残念だとは思っています。とはいえ、実の所その婚約は父が無理やりもたらした婚約です。助かったという気持ちもあるでしょうか」
「助かった、ですか?」
「彼女と結婚した場合、私は騎士を続けられなかったでしょうから。サディルス伯爵家の当主に据えられていた所です」
レディオル様は、騎士という仕事に関してかなり入れ込んでいるようだ。貴族としては、それは珍しいといえる。普通ならむしろ、当主となることを望むと思うのだが。
ただ一つ明確なのは、レディオル様が婚約者の浮気について、あまり気にしていないということである。彼にとってセレティーナ嬢との婚約は、望ましいものではなかったようだ。
「もちろん、父上などがセレティーナ嬢の裏切りを重く捉えない可能性もありますが、その辺りについては上手くやるつもりです。そもそも私などよりも、エリシア嬢の方がマルガン侯爵令息の浮気については思う所があるのではありませんか?」
「……それについては、実の所何も思っていません。私は元々マルガン様に対する印象が最低値でしたから。驚きはしましたが、浮気していたとしても彼の印象は変わりません」
レディオル様から逆に質問されて、私は苦笑いを浮かべることになった。
私の中でマルガン様は、最低の部類に入る人間だ。その人間に一つ罪が増えたからといって、そこまで印象は変わらない。
「なるほど、つまりお互いに浮気に関しては既に割り切れているということですか……しかしマルガン侯爵令息は、捕まえなければなりません。彼は最早、野盗の一員です。それをマークス侯爵家の方々が率先するというのは意外なことでしたが」
「マークス侯爵家の方々は立派です。マルガン様がどうしてあのようになったのか、わからないくらいには……」
「ともあれ私は、エリシア嬢をお守りします。マルガンが健在である限り、あなたは彼に狙われる可能性がある。マークス侯爵からも、正式に要望されました」
「そうでしたか……それなら、よろしくお願いします」
護衛にレディオル様がついてくれるというのは、とてもありがたいことだった。彼の実力は、既によく知っている。これ程まで頼りになる騎士は、中々いないだろう。
とはいえ、マークス侯爵家の屋敷にいる限り、特に問題はないような気もする。事件が進展するまでは特に動くつもりはない。私の安全は確保できているといえるだろう。
マルガン様の一件について、二人で改めて話し合うことになったのだ。
マークス侯爵によってもたらされた情報について、私達は似た立場にある。それについてもレディオル様には聞いておきたかった。
「マルガン様がセレティーナ嬢と浮気していた……その事実について、レディオル様はどうお考えですか?」
「……残念だとは思っています。とはいえ、実の所その婚約は父が無理やりもたらした婚約です。助かったという気持ちもあるでしょうか」
「助かった、ですか?」
「彼女と結婚した場合、私は騎士を続けられなかったでしょうから。サディルス伯爵家の当主に据えられていた所です」
レディオル様は、騎士という仕事に関してかなり入れ込んでいるようだ。貴族としては、それは珍しいといえる。普通ならむしろ、当主となることを望むと思うのだが。
ただ一つ明確なのは、レディオル様が婚約者の浮気について、あまり気にしていないということである。彼にとってセレティーナ嬢との婚約は、望ましいものではなかったようだ。
「もちろん、父上などがセレティーナ嬢の裏切りを重く捉えない可能性もありますが、その辺りについては上手くやるつもりです。そもそも私などよりも、エリシア嬢の方がマルガン侯爵令息の浮気については思う所があるのではありませんか?」
「……それについては、実の所何も思っていません。私は元々マルガン様に対する印象が最低値でしたから。驚きはしましたが、浮気していたとしても彼の印象は変わりません」
レディオル様から逆に質問されて、私は苦笑いを浮かべることになった。
私の中でマルガン様は、最低の部類に入る人間だ。その人間に一つ罪が増えたからといって、そこまで印象は変わらない。
「なるほど、つまりお互いに浮気に関しては既に割り切れているということですか……しかしマルガン侯爵令息は、捕まえなければなりません。彼は最早、野盗の一員です。それをマークス侯爵家の方々が率先するというのは意外なことでしたが」
「マークス侯爵家の方々は立派です。マルガン様がどうしてあのようになったのか、わからないくらいには……」
「ともあれ私は、エリシア嬢をお守りします。マルガンが健在である限り、あなたは彼に狙われる可能性がある。マークス侯爵からも、正式に要望されました」
「そうでしたか……それなら、よろしくお願いします」
護衛にレディオル様がついてくれるというのは、とてもありがたいことだった。彼の実力は、既によく知っている。これ程まで頼りになる騎士は、中々いないだろう。
とはいえ、マークス侯爵家の屋敷にいる限り、特に問題はないような気もする。事件が進展するまでは特に動くつもりはない。私の安全は確保できているといえるだろう。
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