私を家から追い出すと言っていた夫が、逆に家から追い出されました。義理の家族は私の味方です。

木山楽斗

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13.侯爵家での待機

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 マルガン様の捜索は、マークス侯爵家の主導の元に行われることになった。
 その間、私は待機である。狙われている対象である以上、外出などは避けるべきだろう。私は自発的に自粛生活を送っている。

「マークス侯爵家には感謝しています。こうして私が平和に暮らせているのは、ミルティア嬢や侯爵夫妻のご厚意のお陰ですから」
「いいえ、私達は当然のことをしているだけです。エリシアお義姉様は、そもそもマルガンお兄様の被害者なのですから」

 ある日私は、ミルティア嬢と話す場を設けてもらった。
 それはマルガン様をかなり忌み嫌っている彼女から、少し話を聞いてみたかったからだ。
 それはこの件が終わってからでも構わなかったのだが、マルガン様の捜索は主にマークス侯爵が指揮を執っているため、ミルティア嬢はそれなり暇であるようだ。

「マルガンお兄様は、昔からそうでした。自分勝手で、威張り散らかす癖に、お父様やお母様の前では猫を被って……本当に嫌な人でした」
「そうだったのですか……」
「結婚が決まった時も、正直な所エリシアお義姉様にはひどく同情しました。とはいえ、ダンカー子爵家を助けるための婚約を止める訳にはいきません。かなり迷いましたが、とりあえずは傍観していました。しかし、やはりお兄様はお兄様でしたから……」

 ミルティア嬢は、私とマルガン様の結婚について色々と悩んでいたらしい。そんなことは、まったく知らなかった。
 ただ彼女も触れているが、私にはマークス侯爵家に嫁がざるを得ない理由があった。例え事前に知らされたとしても、結果は特に変わらなかっただろう。

「とはいえ、ここまで落ちぶれるとは思っていませんでした。でもそんなお兄様には、必ず引導を渡さなければならないと思っています。マークス侯爵家の恥はマークス侯爵家でつけなければ……」
「ミルティア嬢はご立派ですね……」
「褒めていただけるようなことではありませんよ」

 私の言葉に、ミルティア嬢はゆっくりと首を横に振る。
 彼女にとって、マルガン様にけじめをつけることは、当然のことなのだろう。そういった所には、ミルティア嬢の貴族としての意識が現れている。

「ミルティア嬢とは、これからも良い関係を築いていきたい所ですね……」
「私も同じ考えです。といっても、マークス侯爵家はこれから色々と大変ですが……」
「皆さんなら、それを乗り越えられると私は思っています」

 マルガン様の非道な行いによって、マークス侯爵家は色々と言われることだろう。
 とはいえ、彼は先んじて追放されている。社交界から疎まれはするものの、公的に罰を受けることなどはないはずだ。
 それならきっと、再起することができる。マークス侯爵家なら、きっと大丈夫だ。
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