私を家から追い出すと言っていた夫が、逆に家から追い出されました。義理の家族は私の味方です。

木山楽斗

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14.心配なのは

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「あの……」
「……どうかしましたか?」
「レディオル様は、大丈夫なのですか?」

 夜、入浴を終えた私は廊下を歩きながら、隣にいるレディオル様に話しかけていた。
 事件が起こってから、彼はずっと私を護衛してくれている。既に三日になるのだが、そろそろ彼も疲労してくる頃ではないだろうか。
 別に護衛が、彼である必要があるという訳ではない。そろそろ交代などしても、良いものではないだろうか。

「護衛の交代という話ですか? そういうことならご心配なく、一週間程度なら任務ができるように鍛えていますから。しかしそうですね。後一日か二日で交代するべきかもしれません。一週間護衛できるというのは、ずっと十全でいられるということでもありませんから」
「な、なるほど……」

 レディオル様は、早口で説明してくれた。
 騎士である彼に、一般的な考えは当てはめるべきではないということなのだろう。今の会話で、それがよくわかった。

「騎士とはすごいものなのですね……そういえば、助けていただいた時にも見事な剣技を見せていましたね。あれ程の人数に打ち勝てるなんて不思議です」
「……あれは、相手の連携がなっていなかったからです。それに人質などを取られていたら目もあてられなかった。なんとか虚勢を張っていましたが、危なかったといえます」
「そ、そうだったのですか……全然気づきませんでした」

 助けてもらった日のことは、今でも鮮明に覚えている。彼の剣技は冴えわたっていた。野盗を次々と切り捨てて、無敵とさえ思えた。
 きっと野盗達も、そう思ったのだろう。彼には敵わない。そう思わせることこそが、レディオル様の狙いだったのかもしれない。

「やはりレディオル様は、優れた騎士なのですね……憧れます」
「憧れ……」
「あ、いえ、その……私にとっては、本当に頼もしく思えて。レディオル様は命の恩人です」
「……私も助けられて良かったと思っています」

 私の少し慌てた言葉に、レディオル様は少し寂しそうに笑みを浮かべていた。
 それはきっと、あの場にいた全ての人を助けられなかったからなのだろう。優しい彼は、野盗の命さえ重んじているかもしれない。

「下らないな……」
「……え?」

 私がレディオル様と話していると、聞き覚えがある声が聞こえてきた。
 それに私は驚く。その声はこのマークス侯爵家の屋敷の中で、聞こえてくるはずがない声だからだ。
 私はゆっくりと、後ろを振り返る。するとそこには、マルガン様がいた。彼は先日会った時と同じように、その表情を歪めながらこちらを見ている。
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