本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?

木山楽斗

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15.伯爵同士の話し合い

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 結局イネリアは、ラメルトン伯爵家から追い出されることになった。
 自業自得ではあったが、屋敷から去っていく彼女の哀愁漂う背中というものは、物悲しいものではあった。もちろん私は同情している訳ではないが、見る人が見れば心を痛めるかもしれない。

 そんな風に彼女が屋敷を去ってから少し経って、ラメルトン伯爵家には客人がやって来た。それはディレイル伯爵とレヴォード様だ。今回のことについて、話し合いに来たのである。
 当事者の一人として、私もその話し合いの場に参加することになった。といっても、話は既についているといえる。手紙のやり取りなどで、どうするかは大体決まっているはずだからだ。

「今回の件で、あなた方には迷惑をかけてしまった。まずはそれを謝罪したい」
「その必要はありません。こちらのロンベルトも、勝手なことをしたという点では同じです」

 ディレイル伯爵は、少しやつれているようだった。
 それは恐らく、彼がラメルトン伯爵家以上に苦労しているからだろう。先日のロンベルト様とシェリダン様との一件は、中々に厄介なものだ。もしかしたら話が拗れているかもしれない。

「しかしだ。今回、我々はご子息との婚約をなきものにしなければならない。当然、そのことについての補償などはするつもりだが……」
「ロンベルトの行動が不適切であったということは理解している。そちらの家の娘に手を出した奴の行動は問題だ。故に手打ちとしてもらいたい。そもそも、ロンベルトは既にディレイル伯爵家に置いておけない。そういった状況ではないのだ」

 ディレイル伯爵は、ゆっくりとため息をついた。
 やはりロンベルト様の行動は、かなり問題となっているらしい。彼の方も、家から追放されるかもしれないようだ。

 それらの結末というものは、シェリダン様の計算通りなのかもしれない。
 彼はわざと煽って、ロンベルト様を怒らせていた。こうなることまで想定していてのことだったのではないかと、今となっては思えてくる。

「イネリア嬢は、既に追放したということだったが……」
「ああ、あれはラメルトン伯爵家に牙を向いた。その報いは受けさせなければならなかった」
「非情な判断ではあるが、我々には時にそういったことが必要という訳か」
「仕方ないことだ」

 お父様もディレイル伯爵も、子供に対して情がないという訳ではないのだろう。
 しかしそれでも、伯爵としての判断を優先している。私も何れ、そういった判断が求められるかもしれない。故に私は、二人のことをしっかりとその目に刻みつけておくのだった。
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