本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?

木山楽斗

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17.妹の現状

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 ディレイル伯爵家との話し合いからしばらくして、私の元に一報が届いた。
 それはロンベルト様が、家から追放されたという知らせだ。ディレイル伯爵家においても、厳正な処罰がなされたようである。

「もう一つ知らせておかなければならないことがある」
「はい、なんですか?」

 ロンベルト様のことを話した後、お父様は神妙な面持ちで言葉を発した。
 それが一体何の前振りなのか、私は考える。すると結論はすぐに出てきた。恐らくは、妹のことだろう。

「イネリアに関してだが、かなり苦労しているようだ」
「……やはり監視しているのですか?」
「もちろんだ。追放したとはいえ、イネリアはこのラメルトン伯爵家の血を引いている。滅多なことはしないように監視は常につけておくつもりだ」
「正しい判断だと思います」

 私は、お父様の言葉にゆっくりと頷いた。
 追放してそれで終わりなんてことでは、まず駄目だろう。イネリアの行動については把握しておき、彼女が何か余計なことをしようとしたら止めなければならないのだから。

「しかし、苦労しているとはどういうことでしょうか? 彼女には、せめてもの情けとして、いくらかの支援をお父様はしていましたよね?」
「その資金については、早々に使い切ってしまったようだ」
「なっ、どうして……」

 お父様の言葉に、私は驚いた。
 イネリアは追放される際に、それなりのお金を渡されていたからだ。
 その資金を元にして、普通の生活をすることくらいはできたはずである。仕事を見つけて、生きていくという判断が、イネリアはできなかったということだろうか。

「甘やかしたつもりなどはないが、イネリアは骨の髄までご令嬢でしかなかったということだろう。貴族としての生活に慣れたイネリアには、節約をして生きていくなどという考えは最初からなかったのかもしれない」
「……自暴自棄になっているという可能性もありませんか? それで思わず衝動的にお金を使い切ってしまったということも、あると思います」
「もちろん、その可能性もあるだろう。どちらにしても、愚かなことだ。贅沢はできなくとも、生きていくことはできたというのに……」

 お父様の寛大な措置も、イネリアにとってはまったく持って無意味であったらしい。
 結局彼女は、落ちぶれることになったのだ。私はそれを、可哀想だとは思わない。お父様やお母様が心を痛めているということは気掛かりではある。

 とはいえ、これに関してはどうしようもないことだ。私達がイネリアに干渉するのは、余計なことをしようとした時だけである。
 手を差し伸べるなどということが、あってはならない。追放した以上、彼女には断固として冷たい態度を貫かなければならないのだ。それは両親も、よくわかっていることだろう。
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