溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗

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43.調査の結果

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「結論から言うと、ヴェリオン伯爵には隠し子がいたようだ。その数は三人だ」
「そうでしたか……」

 クレンド様は、調査の結果を私に苦笑いしながら教えてくれた。
 彼の口振りからして、正式な調べももう終わっているのだろう。お父様、引いては私と血の繋がりがある妾の子が、三人も存在していたというのは驚きだ。

 ただ、日記にあった女性関係から考えると、それは少ない方なのかもしれない。あの赤裸々に書かれていた日記から考えると、十人くらいいてもおかしくはなかったように思える。
 それなら、不幸中の幸いだと考えるべきだろうか。後はその三人と、穏便に話し合えることを願うばかりだ。

「ただ、対処するべきは一人ということになるだろうな」
「え?」
「三人の内二人は、既に亡くなっている。一人は病死で、もう一人は事故死だったそうだ。これに関しては、特にヴェリオン伯爵が関わったという訳でもないだろう。そもそも伯爵は、その存在を知らなかったという可能性が高い」
「……そう、でしたか」

 クレンド様の言葉に、私はなんとも言えない気持ちになっていた。
 顔も名前も知らない訳ではあるが、曲がりなりにも兄弟だった者達が亡くなっているという事実には、心が痛くなってくる。
 ここで喜べるような人間である方が、貴族には向いているのだろうか。そう思った私は、思わず自嘲気味に笑みを浮かべてしまう。

「あまり気落ちするものではない……といっても、無理な話か」
「いえ、大丈夫です」
「君のそういった優しさを、俺は美徳であると思っている。さて、もう一人の話をするとしようか」

 とりあえず私は、気持ちを切り替えることにする。
 いつまでも気落ちしていても仕方ない。他に対処するべきことがあるのだから、そちらに集中するべきだ。自分にそう言い聞かせて、背筋を伸ばす。

「奇妙な偶然ではあるが、その男子はエヴォート侯爵家の領地にある村で暮らしている。母親は病で亡くなっており、今は一人で農家として過ごしているようだ。年齢は君よりも上……まあ、敢えて言い表すと兄ということになるか」
「兄、ですか……」
「はっきりとしたことはわかっていないが、自らの素性については薄々知っているようだな。村でも周知の事実ではあるらしい。その上で、ヴェリオン伯爵家に対して何にも働きかけていないということは、ある程度安心できる要素ではあるか」
「そうですね……」

 クレンド様の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
 実際の所、その男性が何を考えているかはわからない。それを確かめるためには、話をしてみるしかないのだろう。
 そう思って、私は気を引き締めるのだった。
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