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私は、リルガー様とともにレパイア王国内を進んでいた。
結界は、次々と解除することができた。着実に歩を進めていき、いよいよ王都が近づいている。
「それにしても、レパイア王国の貴族達はすぐに降伏しましたね……」
「ええ……ですが、仕方ないでしょう。何重にも結界を張った結果孤立した貴族達は、国を相手する程の力はありませんから……」
ここまでの道中、大きな戦いは起こっていない。
貴族達が、降伏を選んだからである。
今までのことからわかったが、レパイア王国は貴族達をほぼ見捨てているようだ。それが、何を意味するか、それを私もだんだんと理解してきている。
「レパイア王国の王族達は、逃げようとしているのでしょうか?」
「ええ、兄上の予測だとそのようですね……」
ラルーグ様は、私と同じような予想をしていた。
恐らく、大方の人間はそのように予測するだろう。
戦いが終われば、当然王族は処刑される。それを逃れるために、レパイア王国の王族達は逃げることを選んだのだ。
その判断をいつから下したのかはわからない。もしかしたら、最初は戦うつもりだったのかもしれない。
だが、色々と考えた結果、今回の戦いに勝機はないと思ったのだろう。
だから、逃げるために時間を稼ぐことを選んだ。恐らく、そういうことなのだろう。
「国を捨てて逃げるなど、信じられません。最後まで戦い抜くことを選ぶべきです」
「……リルガー様は、立派な人間だからそういう判断をするのでしょう。でも、私は王族の気持ちがわからない訳ではありません」
「え?」
リルガー様は、レパイア王国の王族達の行いに憤慨していた。
しかし、私は彼と違い落ち着いている。なぜなら、レパイア王国の王族の気持ちがよくわかるからだ。
「私も、自分が助かるために国を売りました。レパイア王国の王族達がやっていることと、私がやっていることに左程違いはないでしょう」
「それは違います。あなたと王族では立場が違います」
「助かるために、あらゆる手を使っている面は変わりません。追い詰められた人間は、そういうことをするのです」
「そんなことは……」
リルガー様は、私の言葉に驚いていた。
だが、私達の本質は同じである。なんとしても助かりたい。そういう気持ちが、国を捨てることに繋がるのだ。
私は、レパイア王国の王族と変わらない。彼が必死に足掻いていることがわかって、それを私は理解した。
だが、それでも止まる気はない。この戦いを早く終わらせる。その目的に向かって、ただ走り続けるだけなのだ。
結界は、次々と解除することができた。着実に歩を進めていき、いよいよ王都が近づいている。
「それにしても、レパイア王国の貴族達はすぐに降伏しましたね……」
「ええ……ですが、仕方ないでしょう。何重にも結界を張った結果孤立した貴族達は、国を相手する程の力はありませんから……」
ここまでの道中、大きな戦いは起こっていない。
貴族達が、降伏を選んだからである。
今までのことからわかったが、レパイア王国は貴族達をほぼ見捨てているようだ。それが、何を意味するか、それを私もだんだんと理解してきている。
「レパイア王国の王族達は、逃げようとしているのでしょうか?」
「ええ、兄上の予測だとそのようですね……」
ラルーグ様は、私と同じような予想をしていた。
恐らく、大方の人間はそのように予測するだろう。
戦いが終われば、当然王族は処刑される。それを逃れるために、レパイア王国の王族達は逃げることを選んだのだ。
その判断をいつから下したのかはわからない。もしかしたら、最初は戦うつもりだったのかもしれない。
だが、色々と考えた結果、今回の戦いに勝機はないと思ったのだろう。
だから、逃げるために時間を稼ぐことを選んだ。恐らく、そういうことなのだろう。
「国を捨てて逃げるなど、信じられません。最後まで戦い抜くことを選ぶべきです」
「……リルガー様は、立派な人間だからそういう判断をするのでしょう。でも、私は王族の気持ちがわからない訳ではありません」
「え?」
リルガー様は、レパイア王国の王族達の行いに憤慨していた。
しかし、私は彼と違い落ち着いている。なぜなら、レパイア王国の王族の気持ちがよくわかるからだ。
「私も、自分が助かるために国を売りました。レパイア王国の王族達がやっていることと、私がやっていることに左程違いはないでしょう」
「それは違います。あなたと王族では立場が違います」
「助かるために、あらゆる手を使っている面は変わりません。追い詰められた人間は、そういうことをするのです」
「そんなことは……」
リルガー様は、私の言葉に驚いていた。
だが、私達の本質は同じである。なんとしても助かりたい。そういう気持ちが、国を捨てることに繋がるのだ。
私は、レパイア王国の王族と変わらない。彼が必死に足掻いていることがわかって、それを私は理解した。
だが、それでも止まる気はない。この戦いを早く終わらせる。その目的に向かって、ただ走り続けるだけなのだ。
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