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第64話 呆気ない答え
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私とロクス様は、今後のことを相談するために、先代の聖女であるエンティリア様の元に来ていた。
相談を始めた私だったが、いきなり結論から話してしまったため、エンティリア様は困惑してしまっていた。
そのため、私は順を追って説明していくことにする。きちんと説明すれば、エンティリア様もわかってくれるだろう。
「実は、私とロクス様は婚約しているのです」
「ええ、それは知っています」
「婚約しているということは、いずれ結婚するということです。その時、聖女の仕事はどうしていけば相談したいのです」
「ああ、そういうことですか……」
私が説明すると、エンティリア様は納得してくれた。
最初から、このように言っておけばよかったのだろう。焦り過ぎて、過程を無視して話すのは良くない。
「ただ、質問をもう少し深いものにしてもらっていいですか? 結婚して、セレンティナ様はどのようなことが心配なのでしょうか?」
「あ、えっと……貴族の仕事と両立できるのかとか、妊娠、出産の際などはどうすればいいのかとか、その辺りが聞きたいのです」
「そういうことですか」
私の言葉に、エンティリア様はゆっくりと頷いてくれた。とりあえず、私の質問は理解してもらえたようだ。
これで一安心である。後は、エンティリア様が答えをくれるかどうかだ。
エンティリア様が答えをくれれば、それに従えばいいだけである。先人が歩んできて、失敗しなかった道だ。同じ歩き方をすればいいだけだろう。
「それに関しては、そこまで考える必要はありませんよ。自分が好きなようにすればいいと思います」
「好きなように?」
「聖女といっても、身の振り方は人それぞれです。例えば、結婚して引退する人もいるし、出産の際に引退する聖女もいます。逆に、妊娠や出産時は代理を立てて、復帰した人もいるはずです。あなたの好きにすればいいのではないでしょうか」
エンティリア様から言われたのは、そのようなことだった。
どうやら、そこまで悩む必要はなかったようである。好きな時に引退すればいい。
その答えは、私にとっては少し拍子抜けだった。なんというか、私はとてもどうでもいいことで悩んでいたようである。
「ただ、どのような道を歩むにしても、後継者は決めておかなければならないでしょうね」
「後継者……」
そこで、エンティリア様はそのようなことを言ってきた。
後継者、それは確かに考えておかなければならない問題だろう。
いつまで続けるにしても、必ず終わりはある。次の世代にバトンを渡す時は、必ず来るのだ。
相談を始めた私だったが、いきなり結論から話してしまったため、エンティリア様は困惑してしまっていた。
そのため、私は順を追って説明していくことにする。きちんと説明すれば、エンティリア様もわかってくれるだろう。
「実は、私とロクス様は婚約しているのです」
「ええ、それは知っています」
「婚約しているということは、いずれ結婚するということです。その時、聖女の仕事はどうしていけば相談したいのです」
「ああ、そういうことですか……」
私が説明すると、エンティリア様は納得してくれた。
最初から、このように言っておけばよかったのだろう。焦り過ぎて、過程を無視して話すのは良くない。
「ただ、質問をもう少し深いものにしてもらっていいですか? 結婚して、セレンティナ様はどのようなことが心配なのでしょうか?」
「あ、えっと……貴族の仕事と両立できるのかとか、妊娠、出産の際などはどうすればいいのかとか、その辺りが聞きたいのです」
「そういうことですか」
私の言葉に、エンティリア様はゆっくりと頷いてくれた。とりあえず、私の質問は理解してもらえたようだ。
これで一安心である。後は、エンティリア様が答えをくれるかどうかだ。
エンティリア様が答えをくれれば、それに従えばいいだけである。先人が歩んできて、失敗しなかった道だ。同じ歩き方をすればいいだけだろう。
「それに関しては、そこまで考える必要はありませんよ。自分が好きなようにすればいいと思います」
「好きなように?」
「聖女といっても、身の振り方は人それぞれです。例えば、結婚して引退する人もいるし、出産の際に引退する聖女もいます。逆に、妊娠や出産時は代理を立てて、復帰した人もいるはずです。あなたの好きにすればいいのではないでしょうか」
エンティリア様から言われたのは、そのようなことだった。
どうやら、そこまで悩む必要はなかったようである。好きな時に引退すればいい。
その答えは、私にとっては少し拍子抜けだった。なんというか、私はとてもどうでもいいことで悩んでいたようである。
「ただ、どのような道を歩むにしても、後継者は決めておかなければならないでしょうね」
「後継者……」
そこで、エンティリア様はそのようなことを言ってきた。
後継者、それは確かに考えておかなければならない問題だろう。
いつまで続けるにしても、必ず終わりはある。次の世代にバトンを渡す時は、必ず来るのだ。
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