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36.届いてきた手紙(ラムリア視点)
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「君に手紙が届いているよ。まあ、僕への手紙ということにはなっているけど、これはどう考えたって君への手紙だろうね」
夫であるエグリクス様から、私は一通の手紙を受け取った。
その差出人の名前を見て、私は驚く。そこにはもうやり取りをすることはないと思っていたかつての友人の名前が記されていたからである。
「この手紙は……」
「ファルクス君からの手紙だよ。僕も驚いたよ、卒業してから彼とこういうやり取りをすることはなかったからね」
「……何か心境の変化があったのでしょうか?」
「それは手紙を読んでみればわかることさ。まあ、どうするかの判断は君に任せるよ。手紙を読んでじっくりと考えるといい。もちろん、相談には乗るけどね」
エグリクス様は、そう言って私にウィンクをした。
もうそれなりにいい年齢であるというのに、彼のこういう所はいつまでも変わらない。出会った時から、ずっとこんな感じである。それを心地いいと思う私も、また変ではあるのかもしれないが。
そんなことを思いながら、私は手紙に目を通す。
「これは……」
その内容を読み込んで、私はさらに驚くことになった。
エグリクス様を見ると、彼も苦笑いをしている。それを見てから、私は再び手紙に目を通す。その内容に間違いがないかを確かめるために。
「アルティリア様が、私に会いたいなんて……」
「ああ、驚きだね。まさか、彼女が君に会いたいと言うなんて。まあ、心境の変化があったと考えるべきだろう」
「そ、そうですね……」
エグリクス様の言葉に、私はゆっくりと頷く。
アルティリア様は、私のことを嫌っていた。少なくとも、私と会いたいとは思っていなかったはずだ。
つまり、彼女の中では何かしらの心境の変化があったと考えるべきだろう。いや、もう一つの可能性もない訳ではないが。
「君に危害を加えようとしている訳ではないだろう。この手紙は、ファルクス君が出したものだ。アルティリアさんならともかく、彼はそんなことをする人ではない」
「……そうですね」
「とはいえ、君が恐れているということは理解できる。別に無理をする必要はないと思うよ。彼女が君と会いたいというのは、彼女側の事情でしかないからね……言い方は悪いが、加害者側の事情だ」
「それは……」
エグリクス様は、少し辛辣だった。それはきっと、私を慮ってのことだろう。
かつてアルティリア様は、私に嫌がらせをしていたことがあった。ファルクス様のおかげで、それは終わったがその辛かった日々は今でも覚えている。
「……それでも、私は行こうと思います」
「ほう、そうかい?」
「彼女に悔やむ気持ちがあるなら、前に進んで欲しいと思いますから」
「ならば、手紙を送り返そう」
「それなら、私が書きます。これはきっと、私の戦いになりますから」
「君の戦いか……なるほど、それなら任せるとしよう。もちろん、いつだって手を貸すつもりはあるけどね」
「……ありがとうございます」
私は、アルティリア様と会うことに決めた。
恐怖があるが、それでも自分を奮い立たせる。今こそ過去と決着をつける時なのだ。
夫であるエグリクス様から、私は一通の手紙を受け取った。
その差出人の名前を見て、私は驚く。そこにはもうやり取りをすることはないと思っていたかつての友人の名前が記されていたからである。
「この手紙は……」
「ファルクス君からの手紙だよ。僕も驚いたよ、卒業してから彼とこういうやり取りをすることはなかったからね」
「……何か心境の変化があったのでしょうか?」
「それは手紙を読んでみればわかることさ。まあ、どうするかの判断は君に任せるよ。手紙を読んでじっくりと考えるといい。もちろん、相談には乗るけどね」
エグリクス様は、そう言って私にウィンクをした。
もうそれなりにいい年齢であるというのに、彼のこういう所はいつまでも変わらない。出会った時から、ずっとこんな感じである。それを心地いいと思う私も、また変ではあるのかもしれないが。
そんなことを思いながら、私は手紙に目を通す。
「これは……」
その内容を読み込んで、私はさらに驚くことになった。
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「アルティリア様が、私に会いたいなんて……」
「ああ、驚きだね。まさか、彼女が君に会いたいと言うなんて。まあ、心境の変化があったと考えるべきだろう」
「そ、そうですね……」
エグリクス様の言葉に、私はゆっくりと頷く。
アルティリア様は、私のことを嫌っていた。少なくとも、私と会いたいとは思っていなかったはずだ。
つまり、彼女の中では何かしらの心境の変化があったと考えるべきだろう。いや、もう一つの可能性もない訳ではないが。
「君に危害を加えようとしている訳ではないだろう。この手紙は、ファルクス君が出したものだ。アルティリアさんならともかく、彼はそんなことをする人ではない」
「……そうですね」
「とはいえ、君が恐れているということは理解できる。別に無理をする必要はないと思うよ。彼女が君と会いたいというのは、彼女側の事情でしかないからね……言い方は悪いが、加害者側の事情だ」
「それは……」
エグリクス様は、少し辛辣だった。それはきっと、私を慮ってのことだろう。
かつてアルティリア様は、私に嫌がらせをしていたことがあった。ファルクス様のおかげで、それは終わったがその辛かった日々は今でも覚えている。
「……それでも、私は行こうと思います」
「ほう、そうかい?」
「彼女に悔やむ気持ちがあるなら、前に進んで欲しいと思いますから」
「ならば、手紙を送り返そう」
「それなら、私が書きます。これはきっと、私の戦いになりますから」
「君の戦いか……なるほど、それなら任せるとしよう。もちろん、いつだって手を貸すつもりはあるけどね」
「……ありがとうございます」
私は、アルティリア様と会うことに決めた。
恐怖があるが、それでも自分を奮い立たせる。今こそ過去と決着をつける時なのだ。
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