婚約破棄された私は、妹の代わりに獣人の国に嫁ぐことになりました。

木山楽斗

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 私は、レオード様とともに、ラグフェンド王国の王城に来ていた。
 すぐに玉座の間まで通されて、今は国王様の前に立っている。国王様と対面するなど、滅多にないことだ。そのため、私はとても緊張している。

「レオード殿、この度はわざわざこちらまで出向いて頂きありがとうございます」
「いえ、私も丁度、こちらに別の用があったので、問題ありません。それより、本日の用件を教えて頂けますか?」
「ええ、それでは、早速本題に入りましょうか」

 レオード様は、国王様に対して堂々としていた。
 彼も王族なので、それは当然のことではある。だが、それでもすごいと思ってしまう。
 それに、その凛々しい佇まいは、とても格好いい。思わず、見惚れてしまう程、絵になるのだ。あのたてがみが、いいのだろうか。

「今回、私が話したかったのは、愚息のグルゼンに関することです。そちらにいるミレイア・アスキード公爵令嬢と婚約していたグルゼンは、あなた達に対して非常に無礼な言葉を放ちました」
「ええ、伺っております」

 国王様が話し始めたのは、グルゼン様のことだった。
 それは、わかっていたことである。彼の発言は、明らかに問題だった。その問題が追及されるべきことなのは、当然のことである。

「情けない話ではありますが、愚息はあなた達に獣人に対して、偏見を抱いています。その偏見により、婚約破棄までしたのです。あの愚息の行動は、非常に愚かだったといえるでしょう」
「そうですね……」
「国の代表者として、私から、あなたに謝罪させてもらいます。非常に申し訳ありませんでした……」

 国王様は、ゆっくりとレオード様に謝罪した。
 国の最も偉い人物が、謝罪するということは非常に重いことである。それだけの罪を、グルゼン様は犯したのだ。

「……私達、ラグフェンド王国は、リオネルダ王国と友好的な関係を築きたいと思っています。その中で、愚息の言動は目に余ります。そこで、私は愚息に対して処罰を下したいと思っています」
「処罰ですか?」
「ええ、具体的には、しばらく牢に入れることにします。そこで、ゆっくりと反省させましょう」
「わかりました。それなら、今回の件は不問と致しましょう」

 グルゼン様に下った処罰は、思っていたよりも重いものだった。
 王族が牢に入れられるなど、ほとんど聞いたことがない。
 だが、それくらいしなければ、リオネルダ王国側も納得はしないだろう。国王様の判断は、当然のものだといえる。
 彼の発言一つで、国際問題だったのだ。それを理解していなかったグルゼン様は、とても愚かだったといえるだろう。
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