婚約破棄された私は、妹の代わりに獣人の国に嫁ぐことになりました。

木山楽斗

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 私は、レオード様と話し合っていた。
 彼と話し合っているのは、獣人の一夫多妻制の話である。レオード様は、そのことについて、どう考えているのか、それはとても気になることなのだ。

「さて、結論から話しましょうか。私は、あなた以外に妻を持つ気はありません」
「え? そうなのですか?」

 レオード様は、最初に結論を言ってくれた。
 私以外に、妻を持つ気はない。その言葉は、中々驚くべきことである。
 同時に、その言葉は嬉しい言葉だった。色々と複雑な気持ちになっていたが、その言葉だけで晴れやかな気持ちになったのだ。
 だが、それで話が終わる訳ではない。もっと、彼に詳しく聞いてみるべきだろう。

「その……それは、どういうことなのですか?」
「人間であるあなたと婚約するにあたって、私はそちらの国のルールに従うと決めました。だから、私はあなたの王国の一夫一妻制に従うと決めたのです」
「でも、そういう話をするなら、私の方が従うべきなのではないでしょうか? 私の方がこちらの国に来ているのですから……」
「逆ならばともかく、一夫多妻制というのは、あなたも嫌でしょう。そもそも、この国でもこの制度では色々と問題が起こっています。そのような問題を起こさないためにも、私は一夫一妻でいいと思っています」

 レオード様の表情に、迷いはなかった。
 彼は、本当に私だけを妻とするつもりのようだ。
 それが、素直に嬉しい。その気持ちに、私は少しだけ戸惑っている。
 彼に対して何も思っていないなら、このような気持ちは抱かないだろう。そもそも、一夫多妻であっても、別に構わないと思っていたはずである。

 つまり、私は一夫一妻が嬉しいと思う程、彼に対して好意を抱いているということなのかもしれない。
 そう結論が出て、私はそれをとても自然に受け入れられた。彼に対して好意を持っているという事実に、私は違和感を抱かない。彼になら、そういう気持ちを持ってもおかしくないと思えるのだ。

 その気持ちは理解したが、今はそれを告げようとは思わない。
 そういう話をするには、まだ早いと思うのだ。
 そもそも、まだ彼との話は終わっていない。この際だから、色々と聞いておきたいことがあるのだ。

「一夫多妻制とは、そんなに困ったことがあるのですか?」
「ええ、色々と問題はあります。今は比較的安定していますが、一時期はひどいものでした」
「参考までに、そのことを聞いてもいいですか?」
「ええ、そうですね……少し長い話になりますよ? 国を作る前のことから、知ってもらう必要ありますから」
「ええ、よろしくお願いします」

 私の言葉に、レオード様はゆっくりと頷いてくれた。
 これで、獅子の獣人やこの国に関して、色々と知ることができそうである。
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