地味でつまらない私は、殿下の婚約者として相応しくなかったのではありませんか?

木山楽斗

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14.王家からの連絡

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 私とアゼルスお兄様は、お父様の執務室に来ていた。
 そこには既にお母様もいて、オービス侯爵家が勢揃いということになった。それはつまり、これから重要な話をすることを表している。この場に家族が集まるということは、そういうことだ。

「さて、王家からの返信の内容を皆に伝えるとしよう」
「父上、結論から聞かせていただけませんか? 王家はオービス侯爵家と敵対することを選んだのですか?」

 お父様の言葉に対して、アゼルスお兄様が切り出した。
 それは私を気遣ってのことだろう。王家がどのような判断を下したにしても、とにかく結論を聞かせてもらう方が、私の心は落ち着く。

「いや、そういう訳ではない。王家は今回の件に関して謝罪してきた。しかし事情は、少々複雑だ」
「複雑? お父様、それは一体……」

 お父様の返答は、なんとも歯切れが悪かった。
 王家からの返信が、そんなに難解だったとでもいうのだろうか。お父様から困惑の感情が読み取れて、私も少し混乱してしまう。

「こちらが手紙を出してから、王家はすぐに手紙をしたためたようだ。その手紙は謝罪の手紙であったらしい。だがどういう訳か、その手紙はこちらに届かなかったそうだ」
「手紙が届かない? 王家が送った手紙に、そのような不備があるなんて……」

 王家からの手紙届かないなんて、そんなことはあり得ない。思わずそう口にした私は、言葉の途中である可能性を思いつく。

「……レヴァール殿下ですか?」
「ああ、その通りだ。どうやら彼が強引に手紙を差し止めていたらしい。なんとも嘆かわしいことだ。王子の一人が、そのような愚行に手を染めるとは……」

 私の言葉に頷きながら、お父様はため息をついた。
 やはりお父様も、レヴァール殿下にはある程度期待していたのだろう。その期待はなんどもひどい形で、裏切られたといえる。

「父上、その話は本当なのですか? 天下の王家の第三王子が、そのようなことをするなどにわかには信じられないことです」
「お兄様、レヴァール殿下ならあり得ることです。彼は私や私を選んだ王家への嫌がらせで、そのようなことをするのが容易に想像できます」
「そんな子供じみたことでか……」

 アゼルスお兄様も、レヴァール殿下の行いは信じられないようだった。彼と実際に接した機会がそれ程多くはない故に、その行動が理解できないのだろう。
 しかしレヴァール殿下は、そういう人なのである。残念ながら、彼には王家の一員としての誇りや矜持などといったものはないのだ。

「国王陛下も、流石にレヴァール殿下のこの行いには憤られておられるようだ。彼の未来は、明るいものにはならないだろう」
「お父様、それは……」

 当然のことながら、レヴァール殿下の行いは国王様も見逃すつもりはないようである。
 私との婚約を破棄した時から、好き勝手に動いていたレヴァール殿下も、どうやらそろそろ報いを受けることになりそうだ。
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