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5.手厚い歓迎
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「ラゼルト殿下……今、なんとおっしゃいましたか?」
「アルネリア嬢、俺は感動している」
「感動、ですか?」
「君と巡り会えたことは、正に幸運だといえるだろう」
ラゼルト殿下は、私の言葉があまり聞こえていないようだった。
自惚れかもしれないが、彼は私に見惚れているような気がする。それによって、私の言葉の方は聞こえていないのかもしれない。
とりあえず私は、ラゼルト殿下が落ち着くのを待つことにする。今の状態で話をするのは、不可能だと判断したのだ。
「ラゼルト、落ち着け。アルネリア嬢が混乱しているだろう」
「む……おっと、すまない、アルネリア嬢。君に見惚れてしまっていた」
「そ、そうですか……」
ラゼルト殿下の言葉に、私は震える声で返答することになった。
思っていた通り見惚れていたという事実に、私は少し混乱している。そんなことを言われるなんて、思ってもいなかったことだからだ。
よくわからないが、彼は私に好感を抱いてくれたということだろうか。一目惚れということもあるし、これはそう言った類かもしれない。
「俺は君のことを心から歓迎しよう、アルネリア嬢。色々とあったが、結果的には君が来てくれて本当に良かったと思う」
「あ、その、急な婚約者の変更は、申し訳ありませんでした。こちらの都合で、振り回してしまって……」
「いや、気にすることはない。元より俺は、アルネリア嬢との婚約を望んでいたからな」
「……え?」
カルノード王国の都合によって婚約者が変わったことは、謝罪しておかなければならないことであった。
しかしそれに関するラゼルト殿下の言葉は、少し奇妙である。私との婚約を望んでいたなんて、よくわからないことだ。彼は私のことを、知っていたのだろうか。
「まあ、その辺りの事情については中で話すとしよう。こんな所で話す必要もあるという訳ではあるまい」
「それもそうですね。アルネリア嬢、こちらにどうぞ。俺がエスコートします」
「あ、ありがとうございます」
ラゼルト殿下が手を差し伸べてくれたので、私はそれを手に取る。そのまま私は、王城の中へと進んで行く。
その結果として、私はひどく驚くことになった。王城の中では、多くの人が待っていたからだ。私の耳には、拍手の音が聞こえてきていた。
「え? あの、これって……」
「皆、アルネリア嬢のことを歓迎しているのだ」
「か、歓迎ですか……ありがたい話ですけれど」
私は歩きながらも、周囲を見渡していた。
そこにいるのは、王城の使用人達だろうか。騎士達などもいるかもしれない。
いやそれ所から、貴族らしき人達も多くいる。いくら他国から私が嫁いできたからといって、こんな風に歓迎されるものなのだろうか。そのことに私は、ひどく混乱していた。
「アルネリア嬢、俺は感動している」
「感動、ですか?」
「君と巡り会えたことは、正に幸運だといえるだろう」
ラゼルト殿下は、私の言葉があまり聞こえていないようだった。
自惚れかもしれないが、彼は私に見惚れているような気がする。それによって、私の言葉の方は聞こえていないのかもしれない。
とりあえず私は、ラゼルト殿下が落ち着くのを待つことにする。今の状態で話をするのは、不可能だと判断したのだ。
「ラゼルト、落ち着け。アルネリア嬢が混乱しているだろう」
「む……おっと、すまない、アルネリア嬢。君に見惚れてしまっていた」
「そ、そうですか……」
ラゼルト殿下の言葉に、私は震える声で返答することになった。
思っていた通り見惚れていたという事実に、私は少し混乱している。そんなことを言われるなんて、思ってもいなかったことだからだ。
よくわからないが、彼は私に好感を抱いてくれたということだろうか。一目惚れということもあるし、これはそう言った類かもしれない。
「俺は君のことを心から歓迎しよう、アルネリア嬢。色々とあったが、結果的には君が来てくれて本当に良かったと思う」
「あ、その、急な婚約者の変更は、申し訳ありませんでした。こちらの都合で、振り回してしまって……」
「いや、気にすることはない。元より俺は、アルネリア嬢との婚約を望んでいたからな」
「……え?」
カルノード王国の都合によって婚約者が変わったことは、謝罪しておかなければならないことであった。
しかしそれに関するラゼルト殿下の言葉は、少し奇妙である。私との婚約を望んでいたなんて、よくわからないことだ。彼は私のことを、知っていたのだろうか。
「まあ、その辺りの事情については中で話すとしよう。こんな所で話す必要もあるという訳ではあるまい」
「それもそうですね。アルネリア嬢、こちらにどうぞ。俺がエスコートします」
「あ、ありがとうございます」
ラゼルト殿下が手を差し伸べてくれたので、私はそれを手に取る。そのまま私は、王城の中へと進んで行く。
その結果として、私はひどく驚くことになった。王城の中では、多くの人が待っていたからだ。私の耳には、拍手の音が聞こえてきていた。
「え? あの、これって……」
「皆、アルネリア嬢のことを歓迎しているのだ」
「か、歓迎ですか……ありがたい話ですけれど」
私は歩きながらも、周囲を見渡していた。
そこにいるのは、王城の使用人達だろうか。騎士達などもいるかもしれない。
いやそれ所から、貴族らしき人達も多くいる。いくら他国から私が嫁いできたからといって、こんな風に歓迎されるものなのだろうか。そのことに私は、ひどく混乱していた。
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