堅実に働いてきた私を無能と切り捨てたのはあなた達ではありませんか。

木山楽斗

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12.威厳のある王

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 ウルギア様と話し合った私達は、そのまま玉座の間に来ていた。
 玉座に腰掛けている老人は、この国の国王であるオルバルガス様だ。
 彼はその鋭い双方の眼で、私達を見下ろす。威厳のある王様に、私は少し怯んでいる所だ。
 一方で、お祖母様はやはりいつも通りである。まったく動じていない。

「オルバルガス、久し振りだね。そんな所でアタシを見下ろして、随分と偉くなったもんだ」
「ペリーナ殿、私は実際に偉いのですがね」
「アタシの前に、そんなものは意味がないとわからないか?」
「まったく、あなたは昔から変わっていないようですね」

 お祖母様の言葉に、オルバルガス様は玉座から立ち上がった。
 彼はそのまま、こちらに歩み寄ってくる。王族たる彼がそのような行動を取るとは驚きだ。
 それだけ、お祖母様の力は大きいということなのだろうか。その辺りの事情はよくわからないため、私は困惑することしかできない。

「本来であれば、宴でも開いてあなた方のことを歓迎したい所ですが、どうやら事情はそれを許してくれないようですね?」
「ああ、すぐに行動を開始する必要がある。もっとも、アタシは宴会なんてごめんだけどね」
「ふむ……しかしまさか、アルフェンド王国が侵攻を企てているとは、エルベルトには私も一目置いていたが、その才覚は息子に受け継がれなかったようだな」
「まったく、忌々しいことこの上ないね。しばらくは平和だと思っていたんだが、とんだ期待外れだよ」

 オルバルガス様は、少しだけ悲しそうな顔をしていた。
 先代のアルフェンド王エルベルト様と彼は、同盟を結んだ張本人同士だ。そこには確かな信頼関係があったということなのだろう。
 しかし、すぐにオルバルガス様の表情は固くなる。故人への感傷は、既に断ち切ったらしい。

「当然のことながら、私はアルフェンド王国が蛮行に走るというなら容赦するつもりはありません。それ相応の対応をするつもりです」
「ああ、アタシはあんたについてやる。その意味がわかるかい?」
「心強い味方を得られて光栄です。ならば、あなたには魔法部隊の先頭に立ってもらいたい」
「いいだろう。久し振りに暴れるとしようじゃないか」

 オルバルガス様からの要請を、お祖母様は快く承諾していた。
 魔法部隊の先頭に立つ。それは、とても危険なことだ。
 それを躊躇いなく頼むことができる。またそれを受け入れられるということは、二人の間には強い信頼関係があるということなのだろう。
 益々お祖母様の過去が気になってくる。多分聞いても教えてくれないのだが。
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