堅実に働いてきた私を無能と切り捨てたのはあなた達ではありませんか。

木山楽斗

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25.王都に向かって

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 私とお祖母様、そしてウルギア様の三人は、ルバディオ様とともにアルフェンド王国の王都へと向かっていた。
 この戦いの元凶であるアズガルト様とラナルナ嬢、その二人を叩きに行くのだ。
 二人を止められたら、二国は争わなくて済む。それは私達全員の悲願だ。血が流れないのなら、それにこしたことはない。

「しかしウルギア様、私達はともかくとして、あなたがこちらの国の王都まで出向く必要があるのですか? 色々と危険があると思うんですけど……」
「ご心配いただき、ありがとうございます。しかし僕は、今回の顛末をこの目で確かめておきたいと思っているのです。ことが片付いた後、和平の話もしやすいですしね……」

 ウルギア様の同行に、私は少し懐疑的だった。ドナテロ王国の要人である彼が、危険とわかっているアズガルト様の元へ赴くのは良いこととは言い難い。
 ただ、ウルギア様はあくまでも突き進むつもりであるようだ。それは今回の件を任された責任から、ということだろうか。

「まあ、そんなに心配する必要はないだろう。少なくともルバディオの小僧は嘘を言っていない。ということは、ある程度こちらの味方もいるということさ」
「それは、そうかもしれませんが……」
「いざとなったら、あんたとアタシが守ってやればいい。それに言っただろう。アズガルトとラナルナの天下はそう続くものではないと」
「その詳細を教えていただけないので、不安なのですが……」

 馬車に同乗しているお祖母様は、とても余裕そうだった。妖術とやらに詳しい彼女は、既に勝利を確信しているのかもしれない。
 しかし、何も知らない私は心配が尽きない。本当に大丈夫なのか。ずっとそれを考えてしまっているのだ。
 そもそもの話、私がこんなに悩んでいるのはお祖母様のせいでもある。いくら聞いても、彼女は妖術について教えてくれないのだ。

「妖術のことは、あまり話したくはないからね。あんたに教える分には構わないが、こっちの二人に教えたくはない」
「そういうものなのですか?」
「そういうものなのさ」

 お祖母様は、対面に座っている二人に対して少し忌々しそうな視線を向けていた。
 それはつまり、王子二人のことを完全に信頼していないということなのだろう。いやというよりも、妖術を有力者に伝えることが得策ではないということなのかもしれない。
 それ程までに、妖術は強力なのだろうか。ただそうなると、勝利を確信しているお祖母様の態度が謎であるし、色々とわからなくなってくる。
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