生まれたことが間違いとまで言っておいて、今更擦り寄ろうなんて許される訳ないではありませんか。

木山楽斗

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17.尊大なる国王

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 玉座に腰掛ける国王様は、いつも尊大だ。
 彼は正に、上に立つ者といえる。時には非情な手段も厭わない彼は、それも含めて立派な統治者だ。
 そんな国王様は、眼下にいる二人を睨みつけている。その二人とは、レヴィトン子爵とリリアナ様だ。

「国王陛下、本日はどのようなご用件で……」
「レヴィトン子爵、まず一つ言っておくとしよう。私の姪が世話になったようだな」
「え?」
「お前――そちらのお嬢さんも、よくルシェーラに構っていたそうじゃないか。彼女からよく聞いている」

 国王様は、まず牽制するかのように私のことを口にした。
 伯父様もリリアナ様も、それには少し焦っているようだ。それは当然だろう。私にしてきたことは、彼ら自身が一番よくわかっているのだから。

「……お言葉ですが国王陛下、ルシェーラの扱いに関しては仕方ないものがあります」
「ほう、リリアナ子爵令嬢、それは一体どういうことだ?」
「彼女は……父親がわからず生まれた子供です。そのような子供は、血族の調和を乱す存在であると考えていました。私は家のために牽制したまでのこと」
「なるほど」

 国王様に対して反論をしたのは、リリアナ様であった。
 ばれている以上、開き直った方が良いと判断したということだろうか。リリアナ様は、堂々としている。

 それに関しては国王様も、恐らくそこまで気を悪くしていないだろう。それ以外の事情がなければ、国王様はその主張に納得していたかもしれない。
 しかし今は、事情が変わっている。国王様は、それを理由にレヴィトン子爵を罰する訳ではない。

「かつて私も色々とあったからな。リリアナ子爵令嬢、お前の主張は理解できる。身内というものは、実に厄介なものだ。味方の時もあるが、邪魔な時もある」
「おわかりいただけましたか……まあ、事実がわかりましたから、ルシェーラに関しては寛大に考えるべきだとは思っております。ロナードのことは別ですが……」
「別か?」
「あれの父親は、どこの馬の骨ともわからない人ですから」

 薄々とわかっていたことではあるが、国王様は実に性格が悪かった。
 彼はリリアナ様に、その決定的な一言を言わせようとしていたのだ。彼女を追い詰めるために、実に冷酷に。
 私にとって名目上味方と言える人ではあるが、伯父様のことは父の仇であることを抜きにしても、好きになれそうにない。

「そうか。お前は本当に知らないのか……そのロナード子爵令息の父親が、自分の父親だということを」
「え?」
「……なんですって?」

 国王様の決定的な言葉に、伯父様とリリアナ様は目を丸めていた。
 それを見ながら、国王様は笑みを浮かべている。それは中々に、悪趣味に思えた。
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