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83.私の名前
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私は、皆とともに学園内の一室に来ていた。ここで、事情を聞くのだ。
「それで、一体どうして私はこっちの世界にいなくてはいけないの?」
「ええ……その前に、一ついいですか?」
「え? 何かな?」
私の質問に対して、メルティナはそう切り出してきた。どうやら、何か気になることがあるようだ。
「よく考えてみれば、私達はまだあなたの本当の名前を知りません。アルフィア様とお呼びしていますが、それはなんというか、ややこしいというか……」
「ああ、そうだよね……そういえば、まだ名乗ってなかったんだ……」
メルティナの指摘に、私はゆっくりと頷いた。
今まで忘れていたが、そういえば私の名前は皆に教えていない。アルフィアと呼ばれて随分過ごしたので私も違和感を覚えていなかったが、それは私の本当の名前ではないのである。
「えっと……私の名前は、静香というんだ」
「シズカさん、ですか?」
「うん、こっちの世界だと珍しい名前かもしれないね」
なんというか、私達はお互いのことをこんなにも知っているのに、今更名乗るというのも変な話だ。もっとも、私の事情が複雑であるため、これは仕方ないことである。
「わかりました。それでは、これからはそう呼ばせていただきます」
「うん。それで、話を元に戻してもらっていいかな?」
「はい……そうですね。何から話しましょうか」
私の言葉に、メルティナは少し考えるような仕草をした。どうやら、事情は結構複雑であるようだ。
それは、当然といえば当然のことである。世界を跨いでまで私を迎えに来た事情が、そんなに簡単なはずはない。
「発端となるのは、メルティナがお前の魔力を検知したことだ」
「私の魔力を?」
「その体に残った魔力が、お前が生きているということをメルティナに伝えたようだ。そこで、この世界にお前が残っている可能性を考慮して、俺達は魂を探す魔法を開発した」
メルティナの代わりに、ディゾール様が説明を始めてくれた。
メルティナに預けた私の魔力は、私が生きていることを彼女に伝えたようである。
魔力というものは、不思議な力だ。そういうこともあるのかもしれない。
「その魔法を開発するということは、暗黒の魔女がまだ魂を分割している可能性も探ることができた。一石二鳥だと思って、僕とメルティナさんと生徒会長で魔法を作ったんだ」
「……その結果、私達は見つけました。暗黒の魔女の魂を」
「まさか……彼女は、まだ魂を分割していたの?」
「ええ、そのようです……」
「そんな……」
ディゾール様が危惧していた通り、暗黒の魔女シャザームはまだ魂を分割していたようである。
あれ程の魔力を持っていながら、まだ魂を分割できる程余裕があったとは驚きだ。彼女の魔力というものは、思っていた以上に莫大であるのかもしれない。
「だが、問題はそれだけではなかった。俺達は、暗黒の魔女の他にも魂を発見したのだ。未知の魂を……」
「未知の魂……?」
「そして、理解したんだ。暗黒の魔女の目的が、一体なんだったのかをね……」
ディゾール様とキャロムの言葉に、私はさらに驚くことになった。どうやら、本当に私が思っていた以上に大変なことがこの世界で起こっているようだ。
「それで、一体どうして私はこっちの世界にいなくてはいけないの?」
「ええ……その前に、一ついいですか?」
「え? 何かな?」
私の質問に対して、メルティナはそう切り出してきた。どうやら、何か気になることがあるようだ。
「よく考えてみれば、私達はまだあなたの本当の名前を知りません。アルフィア様とお呼びしていますが、それはなんというか、ややこしいというか……」
「ああ、そうだよね……そういえば、まだ名乗ってなかったんだ……」
メルティナの指摘に、私はゆっくりと頷いた。
今まで忘れていたが、そういえば私の名前は皆に教えていない。アルフィアと呼ばれて随分過ごしたので私も違和感を覚えていなかったが、それは私の本当の名前ではないのである。
「えっと……私の名前は、静香というんだ」
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「うん、こっちの世界だと珍しい名前かもしれないね」
なんというか、私達はお互いのことをこんなにも知っているのに、今更名乗るというのも変な話だ。もっとも、私の事情が複雑であるため、これは仕方ないことである。
「わかりました。それでは、これからはそう呼ばせていただきます」
「うん。それで、話を元に戻してもらっていいかな?」
「はい……そうですね。何から話しましょうか」
私の言葉に、メルティナは少し考えるような仕草をした。どうやら、事情は結構複雑であるようだ。
それは、当然といえば当然のことである。世界を跨いでまで私を迎えに来た事情が、そんなに簡単なはずはない。
「発端となるのは、メルティナがお前の魔力を検知したことだ」
「私の魔力を?」
「その体に残った魔力が、お前が生きているということをメルティナに伝えたようだ。そこで、この世界にお前が残っている可能性を考慮して、俺達は魂を探す魔法を開発した」
メルティナの代わりに、ディゾール様が説明を始めてくれた。
メルティナに預けた私の魔力は、私が生きていることを彼女に伝えたようである。
魔力というものは、不思議な力だ。そういうこともあるのかもしれない。
「その魔法を開発するということは、暗黒の魔女がまだ魂を分割している可能性も探ることができた。一石二鳥だと思って、僕とメルティナさんと生徒会長で魔法を作ったんだ」
「……その結果、私達は見つけました。暗黒の魔女の魂を」
「まさか……彼女は、まだ魂を分割していたの?」
「ええ、そのようです……」
「そんな……」
ディゾール様が危惧していた通り、暗黒の魔女シャザームはまだ魂を分割していたようである。
あれ程の魔力を持っていながら、まだ魂を分割できる程余裕があったとは驚きだ。彼女の魔力というものは、思っていた以上に莫大であるのかもしれない。
「だが、問題はそれだけではなかった。俺達は、暗黒の魔女の他にも魂を発見したのだ。未知の魂を……」
「未知の魂……?」
「そして、理解したんだ。暗黒の魔女の目的が、一体なんだったのかをね……」
ディゾール様とキャロムの言葉に、私はさらに驚くことになった。どうやら、本当に私が思っていた以上に大変なことがこの世界で起こっているようだ。
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