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「メルティナ! いる!?」
避難する人達の流れに乗りながら、私はメルティナの部屋まで辿り着いていた。
緊急時の為、ノックもせずに部屋に乗り込んだが、彼女からの返事はない。
メルティナはまず逃げないと思うので、既にあの人型と戦いに行ったのだろうか。そう思って部屋の中に入ってみると、窓から外を見つめる彼女がいた。
「メルティナ?」
「シズカさん、来てくれると思っていましたよ」
「う、うん……」
メルティナは、真剣な目で迫りくる人型を見つめている。それは、数時間程前に見た目と同じ目だ。彼女は、決意に満ちた目をしているのだ。
「今、数を数えてみましたが、どうやらあれは八体程いるようです」
「八体? それって……」
「ええ、シャザームの保有する岩の巨人の数です。恐らく、これは彼女の仕業でしょう」
「うん……でも、どうして彼女がここに?」
「恐らく、私を潰しにきたのでしょう。騎士団を退けた今、彼女の邪魔になるのは私だけです。大方、騎士団の態勢が整う前に、私を潰そうという魂胆でしょうか」
メルティナは、冷静にそのようなことを言ってきた。
確かに、それはあり得ない話ではないだろう。シャザームは、明らかにメルティナを警戒していた。そんな彼女を潰しにくるというのは、納得できる。
「どうやら、シズカさんの判断は正しかったようですね。多分、彼女は騎士団に態勢を立て直されたら、勝機はないと思っているのでしょう。だから、ここまで大胆に行動しているのだと思います」
「確かにそこの判断は合っていたみたいだね。でも、最初に騎士団に全てを任せようと言った判断は、間違っていたみたい。メルティナやディゾール様やキャロムが騎士団と協力していれば、暗黒の魔女は倒せたかもしれない」
「いえ、あの時は私も騎士団に任せるべきだと思いました。あなたの責任ではありません」
私の言葉に、メルティナはゆっくりと首を振った。
だが、元はといえば、私がそれを言い出したのである。今回の襲撃の責任は、私にあるといえるだろう。
「シズカさん……また、私に勇気を頂けますか?」
「メルティナ、それって……」
「正直、怖いんです。岩の巨人を実際に見てみると、少し怖気づいてしまって……だから、勇気をください」
メルティナは、そう言いながら、私に手を伸ばしてきた。
私は、その手を握る。彼女が差し出してきたのとは違う手で、彼女の手を握ったのだ。
「メルティナ……行こう」
「シズカさん……はい、行きましょう」
私とメルティナは、手を繋いだまま窓の外に飛び出した。
これから、戦いが始まる。だが、きっと大丈夫だ。私には心強い仲間がいるのだから。
それは、メルティナだけではない。きっと、皆駆けつけてくれる。あの暗黒の魔女との戦いに決着をつけるために、皆の日常を守るために。
避難する人達の流れに乗りながら、私はメルティナの部屋まで辿り着いていた。
緊急時の為、ノックもせずに部屋に乗り込んだが、彼女からの返事はない。
メルティナはまず逃げないと思うので、既にあの人型と戦いに行ったのだろうか。そう思って部屋の中に入ってみると、窓から外を見つめる彼女がいた。
「メルティナ?」
「シズカさん、来てくれると思っていましたよ」
「う、うん……」
メルティナは、真剣な目で迫りくる人型を見つめている。それは、数時間程前に見た目と同じ目だ。彼女は、決意に満ちた目をしているのだ。
「今、数を数えてみましたが、どうやらあれは八体程いるようです」
「八体? それって……」
「ええ、シャザームの保有する岩の巨人の数です。恐らく、これは彼女の仕業でしょう」
「うん……でも、どうして彼女がここに?」
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メルティナは、冷静にそのようなことを言ってきた。
確かに、それはあり得ない話ではないだろう。シャザームは、明らかにメルティナを警戒していた。そんな彼女を潰しにくるというのは、納得できる。
「どうやら、シズカさんの判断は正しかったようですね。多分、彼女は騎士団に態勢を立て直されたら、勝機はないと思っているのでしょう。だから、ここまで大胆に行動しているのだと思います」
「確かにそこの判断は合っていたみたいだね。でも、最初に騎士団に全てを任せようと言った判断は、間違っていたみたい。メルティナやディゾール様やキャロムが騎士団と協力していれば、暗黒の魔女は倒せたかもしれない」
「いえ、あの時は私も騎士団に任せるべきだと思いました。あなたの責任ではありません」
私の言葉に、メルティナはゆっくりと首を振った。
だが、元はといえば、私がそれを言い出したのである。今回の襲撃の責任は、私にあるといえるだろう。
「シズカさん……また、私に勇気を頂けますか?」
「メルティナ、それって……」
「正直、怖いんです。岩の巨人を実際に見てみると、少し怖気づいてしまって……だから、勇気をください」
メルティナは、そう言いながら、私に手を伸ばしてきた。
私は、その手を握る。彼女が差し出してきたのとは違う手で、彼女の手を握ったのだ。
「メルティナ……行こう」
「シズカさん……はい、行きましょう」
私とメルティナは、手を繋いだまま窓の外に飛び出した。
これから、戦いが始まる。だが、きっと大丈夫だ。私には心強い仲間がいるのだから。
それは、メルティナだけではない。きっと、皆駆けつけてくれる。あの暗黒の魔女との戦いに決着をつけるために、皆の日常を守るために。
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