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ムートン伯爵家から手紙が届いてからしばらくして、バレイユ子爵家にラナート様が訪ねて来た。彼は、あることを私達に知らせに来たそうだ。
関りが深く、聞いても問題ないということで、私はお父様とともにラナート様と対面している。しかし一体、何があったのだろうか。
「バレイユ子爵、この度はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます」
「いえ、お気になさらないでください。しかしラナート公爵令息、今日は一体どのようなご用件で……」
「ええ、また文書に残しにくい情報が手に入りましてね……まあ、これに関してはバレイユ子爵家とそこまで関わりがある訳ではありませんが、念のためにお伝えしておこうと思いまして」
ラナート様は、バレイユ子爵家と王家の橋渡しのような役割をしてくれている。今回もその関係で訪ねてきたようだ。
「何かあったのですか?」
「あったというよりも、これからあるといった感じです。マルギス伯爵令息が関係を持っていたシェリーカ嬢の属するセヴェルク男爵家のことで」
「セヴェルク男爵家、ですか。それはまた……」
ラナート様の言葉に、私とお父様は顔を見合わせることになった。
セヴェルク男爵家に関しては、私達からは割と遠い存在であるといえる。ラナート様が事前に念のためなどといっていたのは、だからだったようだ。
「セヴェルク男爵家は不正な手段で私腹を肥やしているようなのです」
「なるほど、それは確かに王家が介入するべき事柄ですね……」
「ええ、セヴェルク男爵家については、マルギス伯爵令息との繋がりで念のために調べたというだけだったそうです。伯父上も驚いたことでしょうね」
ラナート様は、苦笑いを浮かべていた。これに関しては、本当に予想外のことだったということだろう。
それもそのはずである。セヴェルク男爵家は、今回の件において一歩離れた場所にいた。まさかそんな所から正すべき事柄出てくるなんて、思ってもいなかったことだろう。
「しかし王家にとっては、嬉しい誤算といえます。これで悪しき貴族を一つ、この国から消し去ることができますからね」
「セヴェルク男爵家は、没落にまで追い込まれるということですか?」
「恐らく、そうなると思います。伯父上はこういったことに関して、厳しい方ですからね。セヴェルク男爵家はやり方も悪質です。まず許されることはないでしょうね」
どうやらセヴェルク男爵家は、これから大きな代償を払うことになりそうだ。
それは私達にはあまり関係がないことではあるが、シェリーカ嬢やマルギス様は一体どうなるのだろうか。私はそれが少し気になっていた。
関りが深く、聞いても問題ないということで、私はお父様とともにラナート様と対面している。しかし一体、何があったのだろうか。
「バレイユ子爵、この度はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます」
「いえ、お気になさらないでください。しかしラナート公爵令息、今日は一体どのようなご用件で……」
「ええ、また文書に残しにくい情報が手に入りましてね……まあ、これに関してはバレイユ子爵家とそこまで関わりがある訳ではありませんが、念のためにお伝えしておこうと思いまして」
ラナート様は、バレイユ子爵家と王家の橋渡しのような役割をしてくれている。今回もその関係で訪ねてきたようだ。
「何かあったのですか?」
「あったというよりも、これからあるといった感じです。マルギス伯爵令息が関係を持っていたシェリーカ嬢の属するセヴェルク男爵家のことで」
「セヴェルク男爵家、ですか。それはまた……」
ラナート様の言葉に、私とお父様は顔を見合わせることになった。
セヴェルク男爵家に関しては、私達からは割と遠い存在であるといえる。ラナート様が事前に念のためなどといっていたのは、だからだったようだ。
「セヴェルク男爵家は不正な手段で私腹を肥やしているようなのです」
「なるほど、それは確かに王家が介入するべき事柄ですね……」
「ええ、セヴェルク男爵家については、マルギス伯爵令息との繋がりで念のために調べたというだけだったそうです。伯父上も驚いたことでしょうね」
ラナート様は、苦笑いを浮かべていた。これに関しては、本当に予想外のことだったということだろう。
それもそのはずである。セヴェルク男爵家は、今回の件において一歩離れた場所にいた。まさかそんな所から正すべき事柄出てくるなんて、思ってもいなかったことだろう。
「しかし王家にとっては、嬉しい誤算といえます。これで悪しき貴族を一つ、この国から消し去ることができますからね」
「セヴェルク男爵家は、没落にまで追い込まれるということですか?」
「恐らく、そうなると思います。伯父上はこういったことに関して、厳しい方ですからね。セヴェルク男爵家はやり方も悪質です。まず許されることはないでしょうね」
どうやらセヴェルク男爵家は、これから大きな代償を払うことになりそうだ。
それは私達にはあまり関係がないことではあるが、シェリーカ嬢やマルギス様は一体どうなるのだろうか。私はそれが少し気になっていた。
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