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65.魔族の協力(フレイグ視点)
「馬鹿な、あり得ない……何故、貴様が復活しているのだ」
「……そもそもの話ではあるが、お前だって蘇ったんだから、別に俺が蘇ってもおかしいことはないだろう?」
「私が蘇ったのは、特殊な技術によるものだ。それを貴様が知ることなどない!」
「それだけが答えという訳ではないさ……なあ、ウェリッジ」
ラフードの呼びかけに、その場に鳥が現れた。
その鳥のことも、俺はよく知っている。奴は、かつての戦いで魔族側についたラフードの兄弟、ウェリッジだ。
「やあ、ラムフェグ。哀れな姿だね?」
「ウェリッジ……貴様がラフードを復活させたというのか?」
「ああ、その通りだよ。僕が彼の肉体を作り上げた。まあ、彼というよりも兄弟の肉体を、というべきか」
ウェリッジは、ラムフェグに笑いながら語りかけてきた。
魔族側についた同胞であるはずの二人だが、その仲は良いとは言い難いだろう。なぜなら、ウェリッジはラムフェグの策略によって倒れたからだ。
「裏切ったのか……」
「先に裏切ったのは、君の方だろう。君のせいで、僕は一度死んだんだ。精霊の姿になれる力があったから、こうやって蘇ったが、それでも君が僕の命を奪った事実は変わらない」
「個人のことを言っている訳ではない。人間側につくとは、どういうことだ?」
「はっ! 君のしていることが、魔族側に益があることだとは思えないね。僕は根っからの魔族だから、争いが起こったからといって、人間側に付こうとは思わないけれど、わざわざ争いを起こして血を流したいなんて危険な思想は持っていないさ」
「くっ……」
今争いを起こしても、魔族側に益がない。それを理解しているため、ウェリッジはラムフェグを止めることに協力してくれたようだ。
そこには、個人的な恨みもあるのかもしれない。だが、それは俺達には関係がないことである。
「さてと、ラフード。そろそろ、彼に引導を渡すとしようか」
「引導か……少し気が引けるが、仕方ないな」
「ラムフェグ、説明しておくよ。これから君は、消え去るんだ。もう精霊の姿にもなれない。完全に消滅するんだ」
「……何?」
ウェリッジの言葉に、ラムフェグの表情が歪んだ。
それは驚きと恐怖が滲んでいるような気がする。もしかしたら、奴は心の中で精霊となれるという安心感を抱いていたのかもしれない。
「肉体を作る過程で、精神を滅ぼす方法も見つけたんだ。まあ、そのためにはまず相手を弱らせなければならないんだけど、今の君なら大丈夫そうだね」
「ま、待て……ウェリッジ、わかっているのか? この私を失うことが、魔族にとってどれだけの損失であるのかということを」
「その屁理屈も、これが最後だと思うと少し感慨深いね。だけど、まあ、あんまり聞きたいものではないし、そろそろ片付けさせてもらおうかな」
「な、何をするつもりだ……ぐっ」
ウェリッジのくちばしに、光の球体が集中していく。それに対して、ラムフェグは必死に体を動かした。恐らく、逃げようとしているのだろう。
だが、肩から上の状態だけではまともに動くことはできない。そんな奴の元に、ウェリッジの光の球が一直線に向かって行く。
「それじゃあ、さようなら、ラムフェグ」
「ぬ、ぐあああああああああああ!」
光の球体が辺り、ラムフェグは苦悶の叫びをあげた。
次の瞬間、俺の目には不思議な光景が映る。半透明のラムフェグが、見えてきのだ。
恐らく、これが精霊の姿なのだろう。そう思った直後、そのラムフェグの体がどんどんと消えていく。
「ば、馬鹿な……」
最後にそう言い残して、ラムフェグの体は消え去った。奴が、完全に消滅したのである。
「……そもそもの話ではあるが、お前だって蘇ったんだから、別に俺が蘇ってもおかしいことはないだろう?」
「私が蘇ったのは、特殊な技術によるものだ。それを貴様が知ることなどない!」
「それだけが答えという訳ではないさ……なあ、ウェリッジ」
ラフードの呼びかけに、その場に鳥が現れた。
その鳥のことも、俺はよく知っている。奴は、かつての戦いで魔族側についたラフードの兄弟、ウェリッジだ。
「やあ、ラムフェグ。哀れな姿だね?」
「ウェリッジ……貴様がラフードを復活させたというのか?」
「ああ、その通りだよ。僕が彼の肉体を作り上げた。まあ、彼というよりも兄弟の肉体を、というべきか」
ウェリッジは、ラムフェグに笑いながら語りかけてきた。
魔族側についた同胞であるはずの二人だが、その仲は良いとは言い難いだろう。なぜなら、ウェリッジはラムフェグの策略によって倒れたからだ。
「裏切ったのか……」
「先に裏切ったのは、君の方だろう。君のせいで、僕は一度死んだんだ。精霊の姿になれる力があったから、こうやって蘇ったが、それでも君が僕の命を奪った事実は変わらない」
「個人のことを言っている訳ではない。人間側につくとは、どういうことだ?」
「はっ! 君のしていることが、魔族側に益があることだとは思えないね。僕は根っからの魔族だから、争いが起こったからといって、人間側に付こうとは思わないけれど、わざわざ争いを起こして血を流したいなんて危険な思想は持っていないさ」
「くっ……」
今争いを起こしても、魔族側に益がない。それを理解しているため、ウェリッジはラムフェグを止めることに協力してくれたようだ。
そこには、個人的な恨みもあるのかもしれない。だが、それは俺達には関係がないことである。
「さてと、ラフード。そろそろ、彼に引導を渡すとしようか」
「引導か……少し気が引けるが、仕方ないな」
「ラムフェグ、説明しておくよ。これから君は、消え去るんだ。もう精霊の姿にもなれない。完全に消滅するんだ」
「……何?」
ウェリッジの言葉に、ラムフェグの表情が歪んだ。
それは驚きと恐怖が滲んでいるような気がする。もしかしたら、奴は心の中で精霊となれるという安心感を抱いていたのかもしれない。
「肉体を作る過程で、精神を滅ぼす方法も見つけたんだ。まあ、そのためにはまず相手を弱らせなければならないんだけど、今の君なら大丈夫そうだね」
「ま、待て……ウェリッジ、わかっているのか? この私を失うことが、魔族にとってどれだけの損失であるのかということを」
「その屁理屈も、これが最後だと思うと少し感慨深いね。だけど、まあ、あんまり聞きたいものではないし、そろそろ片付けさせてもらおうかな」
「な、何をするつもりだ……ぐっ」
ウェリッジのくちばしに、光の球体が集中していく。それに対して、ラムフェグは必死に体を動かした。恐らく、逃げようとしているのだろう。
だが、肩から上の状態だけではまともに動くことはできない。そんな奴の元に、ウェリッジの光の球が一直線に向かって行く。
「それじゃあ、さようなら、ラムフェグ」
「ぬ、ぐあああああああああああ!」
光の球体が辺り、ラムフェグは苦悶の叫びをあげた。
次の瞬間、俺の目には不思議な光景が映る。半透明のラムフェグが、見えてきのだ。
恐らく、これが精霊の姿なのだろう。そう思った直後、そのラムフェグの体がどんどんと消えていく。
「ば、馬鹿な……」
最後にそう言い残して、ラムフェグの体は消え去った。奴が、完全に消滅したのである。
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