私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗

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11.辿り着いた場所は

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 ブレットンさんの手紙を読み終えてから、私は色々なことを考えることになった。
 彼の思いも、私の思いも、今となってはもう交わらないものなのだろうか。引き返そうとも思った。ただブレットンさんの覚悟を思うと、どうにも決意ができない。彼が私に何を望んでいるのか、それは明白だったからだ。

 そんなこんなと考えている内に、馬車がとある場所に止まった。
 御者に迷惑をかけるためにもいかないため、私はとりあえず下りることにした。
 そして辿り着いたのは、大きな屋敷の前である。そこは恐らく、貴族の屋敷であるだろう。しかし何故私がここに辿り着いたのか、それがわからない。

「……お嬢様、少しよろしいでしょうか?」
「え?」

 屋敷に繋がる門の前で佇んでいた私に、声をかけてくる人がいた。
 その人は恐らく、衛兵か何かだろう。どうやら私は、不審人物と思われたらしい。二人いる内の一人が、声をかけた方が良いと判断したようだ。
 それは当然のことである。こんな所で立ち尽くしていたら、誰だって警戒するだろう。

「どうかされましたか?」
「あの……信じられないようなことかもしれませんが、私もどうしてここに来たのかがわからないのです」
「……なんですって?」

 適当に誤魔化しても怪しく思われるだけであるため、私は正直に話してみた。
 すると、相手がさらに不信感を抱いていることが手に取るようにわかった。それも当たり前のことである。とはいえ、私に言えることと言えばこれくらいであるというのも事実だ。
 手紙の内容に衝撃を受けて、行き先のことなんて頭から抜けていた。せめて御者にどこに着いたかくらいは聞いておくべきだっただろうか。

「見た所、ご令嬢のように見えますが……」
「あ、そうなんですが……つい今朝方、追い出されたばかりで」
「なるほど?」

 身なりが貴族の格好だったためか、衛兵はまだ私に対して紳士的であった。
 しかし、訳がわからないというような顔をしているし、明らかに良い状況ではない。何かこの状況を打開できるものはないだろうか。

「グライム辺境伯のことをご存知ですか?」
「グライム辺境伯? ええ、知ってはいます。舞踏会などで何度かご一緒したことがあります。ご子息とも」
「わかりました。少し確認してきます」

 衛兵の言葉に、私は思わず心を躍らせることになった。
 ここが誰の屋敷であるかを知れたのは大きい。これで一応、私が怪しい者ではないことは証明されるだろう。
 ただ、グライム辺境伯が私のことを受け入れてくれるかは微妙な所である。そこまで深い関わりはないし、本当に大丈夫だろうか。
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