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 亮君は試験期間が経過した後も何個かレポートを提出しなければならないらしく、帰ってくるのは2月14日になりそうだと教えてくれた。

 バレンタイン当日に帰ってくるということで、私も気合が入る。
 私に惚れ直させて、春休みの間、亮君が家にいたくなるように頑張ろう。


 バレンタインが迫る土曜日、私は買い物に来ていた。

 下着を購入しようと決意したのだ。
 今日は『金に糸目は付けない!』という覚悟で来ている。

 私は結婚してから美容代が増えたと思っていたけれど、それは細胞や筋肉にかけるお金だった。
 つまり下着や服装は今まで通り無頓着に機能性重視で選んでいたのだ。

 もちろん、旅行用のものやエリと遊ぶ時用など、多少は見た目の綺麗さを重視したものや一目惚れして着る機会が思い浮かばないのに買ったものもあるけれど、圧倒的にそうでないものが多かった。

 具体的に言ってしまうと、私の今までの下着選びでは、教師という職業柄、夏場でも色が透けないようにということで基本的に色はベージュだった。

 持っている下着の半分はベージュ系だ。
 サイドのベルトやストラップも太めで肩から落ちない、背中のお肉がひもに乗らないという機能性重視の選択を行っていた。

 さすがにそれはまずいということに気づいたので、今日はもうちょっとセクシー路線を選ぶことにした。

 ランジェリーショップ巡りをしていると、その種類の豊富さに楽しくなった。
『これ私でも作れそう!』と思うような、全部ひもでできている何も守れていないパンツとか、スケスケの上下セットも面白かった。

 布の面積も少なくて、しかも透けている。
 全部丸見え。
 こんなに薄いのに上下で2万ってどんな高級な布地?と思いつつも、こういうのがいいのかなと少し思ってしまった。

『恥じらい』という言葉が頭に戻ってきたので、さすがにそれはやめて、少し上品な感じだけどセクシー系というものをセットで何個か購入した。

 下着の次はワンピース。
 今までの私の冬の洋服選びは、完全に防寒対策として優れているかどうかと言う点にあった。

 なので今回はそれを忘れて少し露出度の高いもので攻めようと決めていた。

 防寒対策として優秀だと布の面積が大きくなる。
 いつも選ぶものと反対のものを選べばいいだろう。

 行きつけのショップで、いつも選ばないミニ丈Vネックの白いニットワンピースを選んだ。
 他にも数点、デコルテの出ている物など普段の私が選ばないものを選んだ。
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