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担当
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ホストクラブに通うようになりはしたが、私は普通のOLだ。
戦闘力(ATM力)は低い。
ホストにはだいたいエースと言う一番そのホストにお金を使う姫様がいて、売れてるホストのエースは300万円とか毎月平気で使うらしい。
誕生日の時は1000万円越えもあるとか。
東京の女の子は驚くほどお金を持っている(稼げる)ということを、ホストクラブに通ってまざまざと見せつけられた。
当然見た目も才能も平凡な私はそんなことできず、そもそも頻繁にお店に行くこともできず。
ホストクラブは初回こそ数千円で遊べるものの、2回目以降はそういう訳にはいかない。
担当がまぁまぁ喜んでくれる額を使わなければという謎の使命にかられた私は仕事を掛け持ちしはじめた。
本業の他に1つは大学時代にしていたもの、もう1つは在宅ワーク。
飲み会などのお誘いがあっても、そのお金があるなら貯金して担当に貢ぎたいと思っていた私は参加せず。
気がつけば友達も少なくなっていた。
そうやって通い続けたけれど、当然私は細い客。
美人でもないから趣味になれるはずもなく、お金を払って会ってもらう日々。
そんなある日、私は担当に お金が続かない とつい愚痴を言った。
「だったら、風俗で働いたら?今の何倍も稼げるよ」
担当は言った。
「いやいやいやいや、どう考えても需要ないから…」
私は即座に否定した。
「顔とか関係ないから。女で若ければ誰でも稼げる。それに頑張って金ためて整形すれば可愛くなれるから一石二鳥だぞ。可愛くなればもっと稼げるようになるし。整形だって努力だぞ。考えてみて。店紹介するから」
本当にお金が無くて困っていた私は、少しだけお仕事の内容を調べてみた。
そして、エースと同じくらい稼ぐには強靭な肉体がなければ難しいことや、いろいろ、本当に色々なことを知った。
結局、私には無理と判断した。
担当には、会いに行くたび仕事をはじめるかどうか聞かれていた。
私はけじめとして、仕事をするのはやめておくと伝えた。
「あ、そう」
と言った担当の、笑いながらも額に青筋の立った顔は今でも忘れない。
ものすごく怖かった。
そんなこんなで、たいしてお金を使えない私の扱いはどんどん雑になっていった。
甘い言葉を頻繁にかけてくれていた最初のころがウソのようだ。
どんなに雑に扱われても定期的に会いに行っていた私も悪いと思う。
私の扱いは、ATMそのものという感じだった。
お金が必要な時やお茶を引きそうな時だけ連絡をしてきてお金を引き出す。
エースの身になって考えれば、300万使っているのに扱いが私と同じだったらやってられないと思うし、頭ではエースをはじめとしたお金をたくさん使ってくれるお客様を大切にするのが当然だとわかっている。
それにそれだけお金があるということはそれだけ可愛くて頑張っているか、才覚を発揮して成功している、あるいは生まれた時から私とは別世界に住むお嬢様ということだ。
私などお金を払わなければ目を合わせてもらうことさえできなかっただろう。
けれどあからさまに雑な扱いをされると寂しくなった。
お仕事だから雑ながらも甘い言葉をかけてくれるけれど、金の切れ目が縁の切れ目というのは嫌でもよく分かるようになっていった。
ふとした瞬間に「何やってんだろう」と虚しさを感じることも増えてきたころ、担当はお店をやめて夜の世界から足を洗った。
戦闘力(ATM力)は低い。
ホストにはだいたいエースと言う一番そのホストにお金を使う姫様がいて、売れてるホストのエースは300万円とか毎月平気で使うらしい。
誕生日の時は1000万円越えもあるとか。
東京の女の子は驚くほどお金を持っている(稼げる)ということを、ホストクラブに通ってまざまざと見せつけられた。
当然見た目も才能も平凡な私はそんなことできず、そもそも頻繁にお店に行くこともできず。
ホストクラブは初回こそ数千円で遊べるものの、2回目以降はそういう訳にはいかない。
担当がまぁまぁ喜んでくれる額を使わなければという謎の使命にかられた私は仕事を掛け持ちしはじめた。
本業の他に1つは大学時代にしていたもの、もう1つは在宅ワーク。
飲み会などのお誘いがあっても、そのお金があるなら貯金して担当に貢ぎたいと思っていた私は参加せず。
気がつけば友達も少なくなっていた。
そうやって通い続けたけれど、当然私は細い客。
美人でもないから趣味になれるはずもなく、お金を払って会ってもらう日々。
そんなある日、私は担当に お金が続かない とつい愚痴を言った。
「だったら、風俗で働いたら?今の何倍も稼げるよ」
担当は言った。
「いやいやいやいや、どう考えても需要ないから…」
私は即座に否定した。
「顔とか関係ないから。女で若ければ誰でも稼げる。それに頑張って金ためて整形すれば可愛くなれるから一石二鳥だぞ。可愛くなればもっと稼げるようになるし。整形だって努力だぞ。考えてみて。店紹介するから」
本当にお金が無くて困っていた私は、少しだけお仕事の内容を調べてみた。
そして、エースと同じくらい稼ぐには強靭な肉体がなければ難しいことや、いろいろ、本当に色々なことを知った。
結局、私には無理と判断した。
担当には、会いに行くたび仕事をはじめるかどうか聞かれていた。
私はけじめとして、仕事をするのはやめておくと伝えた。
「あ、そう」
と言った担当の、笑いながらも額に青筋の立った顔は今でも忘れない。
ものすごく怖かった。
そんなこんなで、たいしてお金を使えない私の扱いはどんどん雑になっていった。
甘い言葉を頻繁にかけてくれていた最初のころがウソのようだ。
どんなに雑に扱われても定期的に会いに行っていた私も悪いと思う。
私の扱いは、ATMそのものという感じだった。
お金が必要な時やお茶を引きそうな時だけ連絡をしてきてお金を引き出す。
エースの身になって考えれば、300万使っているのに扱いが私と同じだったらやってられないと思うし、頭ではエースをはじめとしたお金をたくさん使ってくれるお客様を大切にするのが当然だとわかっている。
それにそれだけお金があるということはそれだけ可愛くて頑張っているか、才覚を発揮して成功している、あるいは生まれた時から私とは別世界に住むお嬢様ということだ。
私などお金を払わなければ目を合わせてもらうことさえできなかっただろう。
けれどあからさまに雑な扱いをされると寂しくなった。
お仕事だから雑ながらも甘い言葉をかけてくれるけれど、金の切れ目が縁の切れ目というのは嫌でもよく分かるようになっていった。
ふとした瞬間に「何やってんだろう」と虚しさを感じることも増えてきたころ、担当はお店をやめて夜の世界から足を洗った。
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