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別荘
9月、予定通りルーシーは王宮を出発し、3日間の旅を経てターガリウス公爵家の別荘に到着した。
別荘のあるリース村は、とても自然豊かでのどかな場所だった。
酪農が盛んで、名物のチーズケーキがおいしいらしい。
別荘の周囲は木々に囲まれ、隠れ家のような雰囲気だ。
ルーシーが馬車を降りると、キャロルが使用人と共に待っていた。
出迎えてくれた人たちは皆、見たことのない変わった服装をしていた。
「ルーシー、長旅お疲れさま。ここではゆっくりくつろいでね」
キャロルが笑顔で出迎えた。
「なんだか、みんな変わった服装をしているわね」
ルーシーは気になる服装について尋ねてみた。
キャロルは白地に青い花の描かれた服を着ていて、女性使用人はおそろいの紺色の服を、男性使用人はお揃いの黒色の服を着ていた。
皆、腰には色の違うリボンを巻いている。
「あぁこれね。これはユカタというらしいわ。母が何かを参考にして作ったらしいの。この別荘ではルーシーにもこの服を着てもらうことになるわ。たくさん種類があるから、選んでちょうだい」
ルーシーに話し終えたキャロルは、フランツに視線を向けた。
「クールガー隊長、この別荘はうちの方でも警備を厳重にしてあるから、連れてきた方たちにはくつろいでいただいてね」
「聞き及んでおります。手が足りない場合には、いつでも協力しますので、お申し付けください」
フランツは礼儀正しく返す。
「緊急時にはお願いするわ。ではさっそく皆さんにはユカタに着替えてもらいましょうか」
キャロルに案内され、歩いて行く。
中に入ると、開放的な外廊下が続いていた。
外廊下には変わった形の屋根がついていた。
左右には広々とした庭が広がっている。
庭には模様が描かれているようだった。
よく見ると、小さな白い石が庭一面に敷かれ、そこに波のような模様が描かれているのだと分かった。
ところどころに大きな岩や木が配されている。
見たこともない景色だ。
まるで異国に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚える。
以前薬湯を買い求めに街のお店を訪ねた時も、異国の雰囲気を存分に感じた。
しかしこの別荘の雰囲気はあの店とも違っていた。
外廊下を通り、大きな建物内に入る。
廊下のところどころに変わったランプが置かれ、壁にかかった花瓶には可憐な花が飾られていた。
「まずは、ここでユカタを選んでね」
最初に案内された部屋に入ると、部屋中に箪笥が並んでいた。
男性陣は男性使用人に案内され、隣の部屋に入っていったようだ。
「ルーシーは何色が好き?それから柄はどんなのが好み?」
キャロルが質問してくる。
「どんなのがあるの?」
「割とどんなのでもあるかも。毎年10枚以上作ってるみたいだから」
キャロルはどんどん引き出しを引き出し、床に並べていく。
色とりどりのユカタが現れた。
白地のものから黒地のものまで。
柄は小花柄や格子柄、大きな花柄、無地のものも。
中には魚や鳥、円の描かれているものもあった。
どれも珍しく、目移りしてしまう。
「色々着てみたいわ」
「好きなだけ着てみて。私としては、これなんかルーシーに似合うと思うのよ」
キャロルは白地に大きなピンクの花が描かれているものを選んだ。
「オビは柄に使われている色を使っておけばいいみたい」
そう言ってキャロルはオビという腰に巻くリボンのような布も選んでくれた。
「とりあえず着てみる?」
問われてうなずくと、キャロルはルーシーを脱がせた。
「ユカタを着る時は、下着は着ないのよ」
ルーシーは裸にされ、てきぱきと着替えさせられていく。
「オビを結ぶのが少し難しいけれど、分からなかったらとりあえず適当に縛っておけば大丈夫だからね。私や女性使用人を見かけたら声をかけてもらえば綺麗に着つけるわ。…よしできた!思った通り可愛い!」
キャロルは立ち上がり、鏡の前にルーシーを連れて行った。
初めて見るユカタを着た自分が映っている。
ルーシーは鏡の前でくるりと回ってみた。
「初めて着るけれど、似合っている気がするわ。下着を着ないのは慣れないからか不安があるけれど、とても涼しいわね」
いつも下着で体を締め付けられるのが当たり前の生活をしている。
下着を着ないと、防御力が弱まったような不安な気分になった。
「涼しいでしょ?下着を着ない分、すぐに温泉に入れて便利よ。そのうち慣れるわ」
ルーシーはいくつか気になったユカタと帯を選んだ。
選んだユカタやルーシーの脱いだドレスは部屋に持って行ってくれるようだ。
「では部屋に案内するわね」
キャロルが再び歩き出した。
ユカタの部屋から出て階段を昇っていく。
着いたのは3階の部屋だった。
「この別荘はそれほど広くないから、お客様用のお部屋も小さいの。でもその分景色のいい部屋を選んだから許してね」
部屋の扉を開くと、緑の景色が飛び込んできた。
誘われるまま窓に近づいて行く。
窓の外には広いバルコニーがあり、木製のお風呂が置かれている。
ルーシー6人くらいは入れそうだ。
バルコニーから下をのぞくと、川が流れている。
耳を澄ませると川のせせらぎが聞こえてきた。
胸いっぱいに空気を吸い込む。
素晴らしい景色を見て、今が楽しいからか、なんだか泣けてきた。
カンデスに嫁いだらこの景色を見ることも2度とないかもしれない。
キャロルとも会えなくなるかもしれない。
「寝室はこっちだからね」
涙をぬぐって声のする方に向かうと、寝室があり、低いベッドが置かれていた。
試しに座ってみる。
「いい感じ。とっても気に入ったわ」
「よかった。…ねぇ、ルーシー、なんだか元気がないように感じるのだけど、私の気のせい?」
キャロルが心配そうな表情でルーシーを見ていた。
いつも通りの笑顔を見せていたつもりだったけれど、キャロルには気づかれてしまったようだ。
けれどルーシーは結婚のことをキャロルには内緒にしておくと決めていた。
ここ数週間、ルーシーは考え過ぎなほどこの問題を考えて、このことを決めた。
もしもルーシーがフランツと駆け落ちするとなった場合、知っていたキャロルが罰を受けるかもしれないと思ってのことだ。
ルーシーはフランツと駆け落ちして、庶民の生活を送るところまで想像している。
「馬車の中が暑くて、少しバテたのかもしれないわ。ここは涼しいし、もうすっかり元気よ」
「本当?体調が悪くなったらすぐに言ってね」
「もちろん」
「よかた。じゃあしばらくゆっくりしていて。もう少ししたら作戦を開始するわよ」
キャロルは不敵に微笑んだ。
別荘のあるリース村は、とても自然豊かでのどかな場所だった。
酪農が盛んで、名物のチーズケーキがおいしいらしい。
別荘の周囲は木々に囲まれ、隠れ家のような雰囲気だ。
ルーシーが馬車を降りると、キャロルが使用人と共に待っていた。
出迎えてくれた人たちは皆、見たことのない変わった服装をしていた。
「ルーシー、長旅お疲れさま。ここではゆっくりくつろいでね」
キャロルが笑顔で出迎えた。
「なんだか、みんな変わった服装をしているわね」
ルーシーは気になる服装について尋ねてみた。
キャロルは白地に青い花の描かれた服を着ていて、女性使用人はおそろいの紺色の服を、男性使用人はお揃いの黒色の服を着ていた。
皆、腰には色の違うリボンを巻いている。
「あぁこれね。これはユカタというらしいわ。母が何かを参考にして作ったらしいの。この別荘ではルーシーにもこの服を着てもらうことになるわ。たくさん種類があるから、選んでちょうだい」
ルーシーに話し終えたキャロルは、フランツに視線を向けた。
「クールガー隊長、この別荘はうちの方でも警備を厳重にしてあるから、連れてきた方たちにはくつろいでいただいてね」
「聞き及んでおります。手が足りない場合には、いつでも協力しますので、お申し付けください」
フランツは礼儀正しく返す。
「緊急時にはお願いするわ。ではさっそく皆さんにはユカタに着替えてもらいましょうか」
キャロルに案内され、歩いて行く。
中に入ると、開放的な外廊下が続いていた。
外廊下には変わった形の屋根がついていた。
左右には広々とした庭が広がっている。
庭には模様が描かれているようだった。
よく見ると、小さな白い石が庭一面に敷かれ、そこに波のような模様が描かれているのだと分かった。
ところどころに大きな岩や木が配されている。
見たこともない景色だ。
まるで異国に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚える。
以前薬湯を買い求めに街のお店を訪ねた時も、異国の雰囲気を存分に感じた。
しかしこの別荘の雰囲気はあの店とも違っていた。
外廊下を通り、大きな建物内に入る。
廊下のところどころに変わったランプが置かれ、壁にかかった花瓶には可憐な花が飾られていた。
「まずは、ここでユカタを選んでね」
最初に案内された部屋に入ると、部屋中に箪笥が並んでいた。
男性陣は男性使用人に案内され、隣の部屋に入っていったようだ。
「ルーシーは何色が好き?それから柄はどんなのが好み?」
キャロルが質問してくる。
「どんなのがあるの?」
「割とどんなのでもあるかも。毎年10枚以上作ってるみたいだから」
キャロルはどんどん引き出しを引き出し、床に並べていく。
色とりどりのユカタが現れた。
白地のものから黒地のものまで。
柄は小花柄や格子柄、大きな花柄、無地のものも。
中には魚や鳥、円の描かれているものもあった。
どれも珍しく、目移りしてしまう。
「色々着てみたいわ」
「好きなだけ着てみて。私としては、これなんかルーシーに似合うと思うのよ」
キャロルは白地に大きなピンクの花が描かれているものを選んだ。
「オビは柄に使われている色を使っておけばいいみたい」
そう言ってキャロルはオビという腰に巻くリボンのような布も選んでくれた。
「とりあえず着てみる?」
問われてうなずくと、キャロルはルーシーを脱がせた。
「ユカタを着る時は、下着は着ないのよ」
ルーシーは裸にされ、てきぱきと着替えさせられていく。
「オビを結ぶのが少し難しいけれど、分からなかったらとりあえず適当に縛っておけば大丈夫だからね。私や女性使用人を見かけたら声をかけてもらえば綺麗に着つけるわ。…よしできた!思った通り可愛い!」
キャロルは立ち上がり、鏡の前にルーシーを連れて行った。
初めて見るユカタを着た自分が映っている。
ルーシーは鏡の前でくるりと回ってみた。
「初めて着るけれど、似合っている気がするわ。下着を着ないのは慣れないからか不安があるけれど、とても涼しいわね」
いつも下着で体を締め付けられるのが当たり前の生活をしている。
下着を着ないと、防御力が弱まったような不安な気分になった。
「涼しいでしょ?下着を着ない分、すぐに温泉に入れて便利よ。そのうち慣れるわ」
ルーシーはいくつか気になったユカタと帯を選んだ。
選んだユカタやルーシーの脱いだドレスは部屋に持って行ってくれるようだ。
「では部屋に案内するわね」
キャロルが再び歩き出した。
ユカタの部屋から出て階段を昇っていく。
着いたのは3階の部屋だった。
「この別荘はそれほど広くないから、お客様用のお部屋も小さいの。でもその分景色のいい部屋を選んだから許してね」
部屋の扉を開くと、緑の景色が飛び込んできた。
誘われるまま窓に近づいて行く。
窓の外には広いバルコニーがあり、木製のお風呂が置かれている。
ルーシー6人くらいは入れそうだ。
バルコニーから下をのぞくと、川が流れている。
耳を澄ませると川のせせらぎが聞こえてきた。
胸いっぱいに空気を吸い込む。
素晴らしい景色を見て、今が楽しいからか、なんだか泣けてきた。
カンデスに嫁いだらこの景色を見ることも2度とないかもしれない。
キャロルとも会えなくなるかもしれない。
「寝室はこっちだからね」
涙をぬぐって声のする方に向かうと、寝室があり、低いベッドが置かれていた。
試しに座ってみる。
「いい感じ。とっても気に入ったわ」
「よかった。…ねぇ、ルーシー、なんだか元気がないように感じるのだけど、私の気のせい?」
キャロルが心配そうな表情でルーシーを見ていた。
いつも通りの笑顔を見せていたつもりだったけれど、キャロルには気づかれてしまったようだ。
けれどルーシーは結婚のことをキャロルには内緒にしておくと決めていた。
ここ数週間、ルーシーは考え過ぎなほどこの問題を考えて、このことを決めた。
もしもルーシーがフランツと駆け落ちするとなった場合、知っていたキャロルが罰を受けるかもしれないと思ってのことだ。
ルーシーはフランツと駆け落ちして、庶民の生活を送るところまで想像している。
「馬車の中が暑くて、少しバテたのかもしれないわ。ここは涼しいし、もうすっかり元気よ」
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