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翌日、朝食を食べた私は昼食を持って通路を通り、部屋で着替えて外に出た。人通りの多そうな方に歩いていくと、狭い道の両側に屋台のお店が軒を連ねている通りに出た。すれ違うのも大変なほど人がいる。
まずは、職探しをしなければ。
「働きたいんだけど、どこに行ったら仕事を見つけられる?」
果物を売っている男性に、聞いてみた。
「港に行けば、何かしら仕事があると思うよ」
男性は愛想よく教えてくれた。
「港ってどっち?」
私は男性が指さした方を目指し進んだ。
港には船がたくさんあって、大勢の人が荷持を運んでいるのが見えた。私は休憩んでいる人の中で、比較的話しかけやすそうな男性の3人グループに近寄った。
「どこに行けば仕事をもらえる?」
意を決して私は聞いてみた。
「坊主、働きたいのか?」
私はコクコク頷いた。
ちなみに、いきなり坊主認定されているのは、この国の女性は外で必ず顔を隠しているし男女の服装も全く違うからだ。
私がどこからどう見ても男にしか見えないという訳ではない。はずだ。
3人の男性は私をじろじろ見た。
「その細腕でねぇ。坊主、お前いいとこの坊ちゃんだな。働いたことないだろ。綺麗な手ぇしてらぁ」
一番年配の男性が言った。
言われて私が男性の手を見ると、男性の手は大きく厚みがあり、とても乾燥していた。
「ちょっと、あの荷物持ってみろ。持てるか?」
男性は顎をしゃくった。
私は荷物を持とうとした。
でも持てない。力を入れたけど、腰が抜けそう。すごく重かった。
3人の男性は私を見て声をあげて笑っている。
「こんなの、持てる人いるの?」
私が言うと、一番細くて小さい男性が、荷物を持ち上げた。
私は唖然とした。
あんなに重いものを、持てる人がいたなんて。
「残念ながら坊主には無理だな。他を当りな」
トボトボと港を出た私は、街を歩いた。
港町で貿易も盛んなようで、色々な言語の看板がある。
『ウェッソン商会』
リナレイ語の看板を見つけた私は、なにか体力がなくてもできる仕事がないか聞いてみようと思った。
扉を開け中に入ると、そこは事務所になっていて男性が数人いた。
「すみません~。何か仕事ないですか?働きたいんですけど」
久しぶりにリナレイ語を使った。反応がない。
3人の男性が奥にいて何やら話している。
私に気づいていないようだ。
私は3人に近づいて、再び声をかけた。
「すみません。何か仕事ないですか?」
3人はいっせいにこちらを見た。
「坊主、いい所に来た。お前、タモハン語読めるか?」
「任せてください。…ここに書いてあることを読めばいいですか?…えっと、『先日お問合せいただいた絨毯についてですが、ご指定の色・柄ですとご提示いただいた金額では難しいです。後日サンプルをもってデザインと金額について相談に伺います』と書いてあります。次の手紙は…」
ここはタモハンの商品を買い付けてリナレイに売ったり、逆にリナレイの商品をタモハンで売ったりしている貿易会社のようだ。
手紙は契約書だったり、値段交渉の手紙だったり、リナレイの毛織物を買いたいというものだった。
「助かったぞ、坊主。ちょうど社長がリナレイに帰っちまって。そのうえ読み書きできるやつが今日は2人とも休んでてな」
「仕事を探してるんです。雇ってもらえませんか?」
3人は顔を見合わせた。
「俺たちは別にいいんだけどよ。ただお前さんに任せるとなると、事務仕事になるだろうからな。今日休んでる2人に聞いてみないことにはなぁ。とりあえず、2人が出てくるまでの間、働いてみるか?」
「はい!よろしくお願いします」
わぁ!やった!初仕事ゲット!
そうだよ、最初から語学を活かした仕事を探せばよかった。
なんで体力に全く自信がないのに、力仕事に就こうとしたんだろう。
自分の適性をまるでわかってなかった。
まずは、職探しをしなければ。
「働きたいんだけど、どこに行ったら仕事を見つけられる?」
果物を売っている男性に、聞いてみた。
「港に行けば、何かしら仕事があると思うよ」
男性は愛想よく教えてくれた。
「港ってどっち?」
私は男性が指さした方を目指し進んだ。
港には船がたくさんあって、大勢の人が荷持を運んでいるのが見えた。私は休憩んでいる人の中で、比較的話しかけやすそうな男性の3人グループに近寄った。
「どこに行けば仕事をもらえる?」
意を決して私は聞いてみた。
「坊主、働きたいのか?」
私はコクコク頷いた。
ちなみに、いきなり坊主認定されているのは、この国の女性は外で必ず顔を隠しているし男女の服装も全く違うからだ。
私がどこからどう見ても男にしか見えないという訳ではない。はずだ。
3人の男性は私をじろじろ見た。
「その細腕でねぇ。坊主、お前いいとこの坊ちゃんだな。働いたことないだろ。綺麗な手ぇしてらぁ」
一番年配の男性が言った。
言われて私が男性の手を見ると、男性の手は大きく厚みがあり、とても乾燥していた。
「ちょっと、あの荷物持ってみろ。持てるか?」
男性は顎をしゃくった。
私は荷物を持とうとした。
でも持てない。力を入れたけど、腰が抜けそう。すごく重かった。
3人の男性は私を見て声をあげて笑っている。
「こんなの、持てる人いるの?」
私が言うと、一番細くて小さい男性が、荷物を持ち上げた。
私は唖然とした。
あんなに重いものを、持てる人がいたなんて。
「残念ながら坊主には無理だな。他を当りな」
トボトボと港を出た私は、街を歩いた。
港町で貿易も盛んなようで、色々な言語の看板がある。
『ウェッソン商会』
リナレイ語の看板を見つけた私は、なにか体力がなくてもできる仕事がないか聞いてみようと思った。
扉を開け中に入ると、そこは事務所になっていて男性が数人いた。
「すみません~。何か仕事ないですか?働きたいんですけど」
久しぶりにリナレイ語を使った。反応がない。
3人の男性が奥にいて何やら話している。
私に気づいていないようだ。
私は3人に近づいて、再び声をかけた。
「すみません。何か仕事ないですか?」
3人はいっせいにこちらを見た。
「坊主、いい所に来た。お前、タモハン語読めるか?」
「任せてください。…ここに書いてあることを読めばいいですか?…えっと、『先日お問合せいただいた絨毯についてですが、ご指定の色・柄ですとご提示いただいた金額では難しいです。後日サンプルをもってデザインと金額について相談に伺います』と書いてあります。次の手紙は…」
ここはタモハンの商品を買い付けてリナレイに売ったり、逆にリナレイの商品をタモハンで売ったりしている貿易会社のようだ。
手紙は契約書だったり、値段交渉の手紙だったり、リナレイの毛織物を買いたいというものだった。
「助かったぞ、坊主。ちょうど社長がリナレイに帰っちまって。そのうえ読み書きできるやつが今日は2人とも休んでてな」
「仕事を探してるんです。雇ってもらえませんか?」
3人は顔を見合わせた。
「俺たちは別にいいんだけどよ。ただお前さんに任せるとなると、事務仕事になるだろうからな。今日休んでる2人に聞いてみないことにはなぁ。とりあえず、2人が出てくるまでの間、働いてみるか?」
「はい!よろしくお願いします」
わぁ!やった!初仕事ゲット!
そうだよ、最初から語学を活かした仕事を探せばよかった。
なんで体力に全く自信がないのに、力仕事に就こうとしたんだろう。
自分の適性をまるでわかってなかった。
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