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目覚めたら太陽が高く上っていた。
枕元にあった水を飲んで、ボーっとしていると、アクラムが入って来た。
「ジェーン様、気が付かれましたか。1週間、あなたは苦しんでたんですよ。覚えてますか?全く。帰って来た日はあんなに元気にお話しされてたのに、翌朝朝食を運びに行っても起きていなくて、青い顔で苦しんでるのを見た時は、どんなに心配したことか。それからもあなたの意識はもうろうとしていて…。とりあえずお医者様を呼んできます」
アクラムは足早に外に出て行った。
1週間も経っていたんだ。
言われてみれば、断片的に覚えている。
医師に包帯を取り換えてもらったり、アクラムに水を飲まされたり。
なぜかタバールさんが私の手や額にキスするという夢も見た気がするけど、あれはなんだったんだろう。
私は夢に見るほどあの顔が好きとか?
もしかして私はかなりの面食いなのかも。
そのうえ欲求不満。
生死の境をさまよって、死ぬ前に幸せな夢を見たいと思った私がねつ造した夢かもしれない。
人間、死ぬ気になれば何でもできると言うけど、本当だったみたいね。
しばらくすると、医師がやってきて私の傷口を手当てしてくれた。
まだ体が本調子ではないようで、気まぐれに起きて、軽い食事をして、包帯を変えて、薬を飲んで寝るという生活になった。
夜、食事をしているとタバールさんが面会にくると報告が入った。
確か、私に話を聞きたいと言っていたけど、私が寝込んでしまったので、実現できずにいたのだ。
私が意識を取り戻したのでさっそくやってきたらしい。
現在の時刻は午後10時。
この時間にまだ仕事をしているとは。
実に仕事熱心だ。
この時間から私に事情聴取して、家に帰ったら一体何時になっちゃうんだろう。
州兵の仕事って大変なんだなぁ。
何を聞かれるだろう。
さすがにスパイ疑惑は晴れていると思うけど。
部屋に入ってきたタバールさんは、花束と花瓶を持っていて、入ってくると部屋に飾ってくれた。
私が寝ている間に、ベッドだけだったこの部屋には絵画や花が飾られていて心華やぐ部屋になっていた。
ベッドサイドにはサイドチェストも置かれ、被せガラスの美しいランプが置かれている。
私の本当の部屋よりも居心地のいい空間になっていた。
アクラムが飾ってくれたんだと思っていたけれど、この手慣れた様子を見ると、もしかしてタバールさんは以前にもお見舞いに来て花を飾ってくれたのかもしれない。
「お花、ありがとうございます。もしかして以前にもお見舞いに来てくださってましたか?寝ていて気づきませんでした。事情聴取も途中だったのに、申し訳ありません」
「よかった。話せるようになって」
タバールさんは優しい笑顔を見せた。
私は少しドキッとしてしまった。
タバールさんはベッドサイドに置かれた椅子に座り、私の手を握った。
「実は君に謝ろうと思っていたんだ。火事の日、医師にはすぐ君を帰した方がいいと言われていた。それなのに私が事情を聞きたくて君を帰さなかった。君の体より、こちらの利益を優先したんだ。すまなかった」
タバールさんは真摯に謝罪してくれた。
「そうでしたか。今となっては、意識も戻りました。だんだん元気になると医師にも言われています。だから私は大丈夫です。でも次、同じことがあったら、その時は帰してあげてください」
私が笑顔を見せると、タバールさんも安心したようだ。
「もう、どこも痛くないのか?何度来ても、君は『痛い』と言ってうなされていた。昨夜はだいぶ表情が穏やかだったが。心配だ」
え?何度も来てるの?
私うなされてたのか。
そして視線気にせず顔を歪めた素の顔見られたの?うわぁ。
「おかげで、だいぶ良くなりました」
「そうか。よかった。そうだ、あまり長居してはいけないな。明日また来るから」
タバールさんは、私の手の甲にキスをすると、帰っていった。
てっきり事情聴取を受けるのだと思っていたけど、なんだったんだ?
まぁ、いいか。
枕元にあった水を飲んで、ボーっとしていると、アクラムが入って来た。
「ジェーン様、気が付かれましたか。1週間、あなたは苦しんでたんですよ。覚えてますか?全く。帰って来た日はあんなに元気にお話しされてたのに、翌朝朝食を運びに行っても起きていなくて、青い顔で苦しんでるのを見た時は、どんなに心配したことか。それからもあなたの意識はもうろうとしていて…。とりあえずお医者様を呼んできます」
アクラムは足早に外に出て行った。
1週間も経っていたんだ。
言われてみれば、断片的に覚えている。
医師に包帯を取り換えてもらったり、アクラムに水を飲まされたり。
なぜかタバールさんが私の手や額にキスするという夢も見た気がするけど、あれはなんだったんだろう。
私は夢に見るほどあの顔が好きとか?
もしかして私はかなりの面食いなのかも。
そのうえ欲求不満。
生死の境をさまよって、死ぬ前に幸せな夢を見たいと思った私がねつ造した夢かもしれない。
人間、死ぬ気になれば何でもできると言うけど、本当だったみたいね。
しばらくすると、医師がやってきて私の傷口を手当てしてくれた。
まだ体が本調子ではないようで、気まぐれに起きて、軽い食事をして、包帯を変えて、薬を飲んで寝るという生活になった。
夜、食事をしているとタバールさんが面会にくると報告が入った。
確か、私に話を聞きたいと言っていたけど、私が寝込んでしまったので、実現できずにいたのだ。
私が意識を取り戻したのでさっそくやってきたらしい。
現在の時刻は午後10時。
この時間にまだ仕事をしているとは。
実に仕事熱心だ。
この時間から私に事情聴取して、家に帰ったら一体何時になっちゃうんだろう。
州兵の仕事って大変なんだなぁ。
何を聞かれるだろう。
さすがにスパイ疑惑は晴れていると思うけど。
部屋に入ってきたタバールさんは、花束と花瓶を持っていて、入ってくると部屋に飾ってくれた。
私が寝ている間に、ベッドだけだったこの部屋には絵画や花が飾られていて心華やぐ部屋になっていた。
ベッドサイドにはサイドチェストも置かれ、被せガラスの美しいランプが置かれている。
私の本当の部屋よりも居心地のいい空間になっていた。
アクラムが飾ってくれたんだと思っていたけれど、この手慣れた様子を見ると、もしかしてタバールさんは以前にもお見舞いに来て花を飾ってくれたのかもしれない。
「お花、ありがとうございます。もしかして以前にもお見舞いに来てくださってましたか?寝ていて気づきませんでした。事情聴取も途中だったのに、申し訳ありません」
「よかった。話せるようになって」
タバールさんは優しい笑顔を見せた。
私は少しドキッとしてしまった。
タバールさんはベッドサイドに置かれた椅子に座り、私の手を握った。
「実は君に謝ろうと思っていたんだ。火事の日、医師にはすぐ君を帰した方がいいと言われていた。それなのに私が事情を聞きたくて君を帰さなかった。君の体より、こちらの利益を優先したんだ。すまなかった」
タバールさんは真摯に謝罪してくれた。
「そうでしたか。今となっては、意識も戻りました。だんだん元気になると医師にも言われています。だから私は大丈夫です。でも次、同じことがあったら、その時は帰してあげてください」
私が笑顔を見せると、タバールさんも安心したようだ。
「もう、どこも痛くないのか?何度来ても、君は『痛い』と言ってうなされていた。昨夜はだいぶ表情が穏やかだったが。心配だ」
え?何度も来てるの?
私うなされてたのか。
そして視線気にせず顔を歪めた素の顔見られたの?うわぁ。
「おかげで、だいぶ良くなりました」
「そうか。よかった。そうだ、あまり長居してはいけないな。明日また来るから」
タバールさんは、私の手の甲にキスをすると、帰っていった。
てっきり事情聴取を受けるのだと思っていたけど、なんだったんだ?
まぁ、いいか。
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