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「君のおかげもあって、反乱分子の拠点をほぼ殲滅できたと思う」
タバールさんは話し始めた。
タバールさんの話によると、大国タモハンの隣国・ナテルという国は、ずっとタモハンを狙い、国境で小競り合いを繰り返していた。
しかし一向に戦況を有利にすることができず、ナテルはランゲルトと手を結んだ。
タモハンがリナレイと手を結び友好関係を築いたことで、リナレイを狙うランゲルトはナテルと手を結ぶメリットがあった。
ランゲルトは、タモハン内の反乱分子に資金・武器を援助することで、タモハン内で反乱を起こさせ、国境での戦いの手が緩むよう働きかけた。
私がクイズだと思っていたものは、各反乱分子の拠点に配達する、資金や武器の一覧だったらしい。
あの暗号文が解けたことで、タモハンに点在する反乱分子の拠点を、反乱がおこる前に叩くことができた。
ここ3日間タバールさんが出かけていたのは、拠点殲滅作戦に参加していたからだそうだ。
なんだかすごく危険そうだと、私は思った。
タバールさんは淡々と話しているけど、私が寝ている間に危険な任務をこなしていたんだろう。
なんだか頭が下がる思いだ。
ここで平和に暮らせているのも、タバールさんたちが一生懸命働いてくれているからだ。
「そんなことになってたんですね。タバールさん、お疲れさまでした。そして、平和な暮らしを守ってくれてありがとうございます」
私は自然とタバールさんに頭が下がった。
タバールさんは照れているみたいで、顔が赤くなっている。
なんだか可愛い。
「…ということは、私はもう安全と言うことでしょうか?」
「ああ。君が暗号を見つけたランゲルトの商会は、裏で反乱拠点に武器を調達していた。幸い、ウェッソン商会の面々が働いていた者たちの顔を覚えていた。ウェッソン商会に火をつけた者も捕らえた。安心してくれ」
「良かったです。それでしたら、私は元気になりましたし、そろそろここを出て街の暮らしに戻ろうと思います。仕事にもいかなければなりませんし。なんだかすごく長い間お世話になってしまって。ありがとうございました」
タバールさんは急に立ち上がった。
椅子がガタンと音を立てて倒れる。
「ダメだ。そんな身体で働く?無理だ」
タバールさんは大きい声を出した。
私は少し驚いてしまったけれど、タバールさんが気まずそうな顔をしたので、安心して話し始めた。
「でも私はかなり元気になりました。私の仕事は事務ですから、仕事は座っていることがほとんどですし、体に負担はかかりません」
私はタバールさんを説得した。
元気になって、一人二役の状態が精神的にキツく感じ始めた。
アクラムにも負担をかけているだろうし。
とりあえずジェーンに戻りたい。
「そうか。君はあの仕事が好きなんだな。そういえば、ナシュド家の港の仕切り方について意見書を出したのは君か?あれは良くできていた。熱意が伝わって来たよ」
「タバールさん、読んだんですか?書いたものの読まれないかもなぁと思っていたので、翌日すぐ対応してくださって、すごくうれしかったです。ラドワン州はまじめに働く者に味方してくれたんだって、心強かったです。ありがとうございました」
なんだか嬉しい。
私はあの条約を作った人たちの苦労を知っていた。
条約を無駄にしたくないと言う私の熱意が伝わったんだろう。
「分かった。君の熱意に負けた。でもどうしても心配なんだ。あと1週間、ここで体を休めてくれ。そうしたら、送り出すと約束しよう」
タバールさんは私の手の甲にキスをして、帰っていった。
タバールさんは話し始めた。
タバールさんの話によると、大国タモハンの隣国・ナテルという国は、ずっとタモハンを狙い、国境で小競り合いを繰り返していた。
しかし一向に戦況を有利にすることができず、ナテルはランゲルトと手を結んだ。
タモハンがリナレイと手を結び友好関係を築いたことで、リナレイを狙うランゲルトはナテルと手を結ぶメリットがあった。
ランゲルトは、タモハン内の反乱分子に資金・武器を援助することで、タモハン内で反乱を起こさせ、国境での戦いの手が緩むよう働きかけた。
私がクイズだと思っていたものは、各反乱分子の拠点に配達する、資金や武器の一覧だったらしい。
あの暗号文が解けたことで、タモハンに点在する反乱分子の拠点を、反乱がおこる前に叩くことができた。
ここ3日間タバールさんが出かけていたのは、拠点殲滅作戦に参加していたからだそうだ。
なんだかすごく危険そうだと、私は思った。
タバールさんは淡々と話しているけど、私が寝ている間に危険な任務をこなしていたんだろう。
なんだか頭が下がる思いだ。
ここで平和に暮らせているのも、タバールさんたちが一生懸命働いてくれているからだ。
「そんなことになってたんですね。タバールさん、お疲れさまでした。そして、平和な暮らしを守ってくれてありがとうございます」
私は自然とタバールさんに頭が下がった。
タバールさんは照れているみたいで、顔が赤くなっている。
なんだか可愛い。
「…ということは、私はもう安全と言うことでしょうか?」
「ああ。君が暗号を見つけたランゲルトの商会は、裏で反乱拠点に武器を調達していた。幸い、ウェッソン商会の面々が働いていた者たちの顔を覚えていた。ウェッソン商会に火をつけた者も捕らえた。安心してくれ」
「良かったです。それでしたら、私は元気になりましたし、そろそろここを出て街の暮らしに戻ろうと思います。仕事にもいかなければなりませんし。なんだかすごく長い間お世話になってしまって。ありがとうございました」
タバールさんは急に立ち上がった。
椅子がガタンと音を立てて倒れる。
「ダメだ。そんな身体で働く?無理だ」
タバールさんは大きい声を出した。
私は少し驚いてしまったけれど、タバールさんが気まずそうな顔をしたので、安心して話し始めた。
「でも私はかなり元気になりました。私の仕事は事務ですから、仕事は座っていることがほとんどですし、体に負担はかかりません」
私はタバールさんを説得した。
元気になって、一人二役の状態が精神的にキツく感じ始めた。
アクラムにも負担をかけているだろうし。
とりあえずジェーンに戻りたい。
「そうか。君はあの仕事が好きなんだな。そういえば、ナシュド家の港の仕切り方について意見書を出したのは君か?あれは良くできていた。熱意が伝わって来たよ」
「タバールさん、読んだんですか?書いたものの読まれないかもなぁと思っていたので、翌日すぐ対応してくださって、すごくうれしかったです。ラドワン州はまじめに働く者に味方してくれたんだって、心強かったです。ありがとうございました」
なんだか嬉しい。
私はあの条約を作った人たちの苦労を知っていた。
条約を無駄にしたくないと言う私の熱意が伝わったんだろう。
「分かった。君の熱意に負けた。でもどうしても心配なんだ。あと1週間、ここで体を休めてくれ。そうしたら、送り出すと約束しよう」
タバールさんは私の手の甲にキスをして、帰っていった。
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