教師失格

罪滅ぼしのカレー

side Ryoga

…最近、僕の彼女の様子がおかしい。

僕は彼女の真綾と同棲中だ。
一年半前…僕と真綾は運命的な出逢いをした。
真剣に授業を受けている彼女に一目惚れをしてしまったのだ。
僕は勇気を出して、彼女に声をかけて連絡先を交換した。

そのあと、仲良くなるのも時間はかからなかった。
もちろん彼女の華奢な雰囲気は僕のタイプでもあり、彼女の優しい性格にもどんどん惹かれていった。

その3ヶ月後のクリスマス、僕は勇気を出して彼女に告白した。
彼女は「私で良ければ」と応えてくれた。

同棲を始めたのはつい数ヶ月前のことで。
僕が大学まで遠いから、という理由で一緒に暮らしている。

ただ…ひとつだけ。
ずっともやもやしていることがあった。

彼女から「好き」「愛してる」ということを僕には滅多に言ってくれない。

僕は常に不安だ。
彼女は…僕のことをなんと思っているのだろうか。

一緒に暮らしてるのに…不安が消えない。

そして最近。
本当に彼女の様子がおかしい。
それも…成人式の後だ。

彼女は「なんでもない」と言うが、本当に様子がおかしい。

時には優しく、時にはぼーっとしたり。
突然嬉しい顔をしたり。

…もしかして。

もしかしての事を考えてしまった。


「お風呂入ってくるね」

ゴールデンウィーク初日。
彼女は友達と車でディズニーランドへ遊びに行った。
金木犀の香りが不思議に思えた。

…真綾、ごめん。

僕は真綾のスマホを…開けてしまった。


「！？！？！？」

そこには…【渡辺先生】という人とのやり取りがあった。

内容を見ると、明らかに…これは……。

でも、僕は…彼女をこよなく、どんなに違う男を好きになったとしても、僕は真綾を愛しているだろう。

真綾、嘘ついてたんだね。

僕の好物のカレーも…きっと罪滅ぼしだったのかな。


また悩みが増えてしまった