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二章-4
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翌朝の鍛錬後、俺はサムスに東の都に地階のある建物がないか訊ねてみた。
昨晩は眠気のせいで深く考えなかったが、ネーレイスが聞いたという水音は地下水というより、地下室の音かもしれない――と、思ったわけだ。
地下水って地面の中を流れているのだが、地下水の流れる空洞があるとは限らない。ぬかるんだ土の中を、じんわりと流れる場合だってある。
水音を手掛かりとするなら、人が獲れる空間がある場所が必要なはずだ。水音はともかく、ずっと土の中を進んで死体を運ぶのは難しいはず――という推論を聞いたサムスは、難しい顔をした。
「地下室のある建物はあるが……昨日調べた区域にはない。都の中でも裕福な区域や牢、地下墓地くらいだろう。そのどれもが、昨日見つけた穴からは、それなりの距離がある」
「……そうですか」
推論は間違っていたのかもしれない――そう思ったとき、背後からソノリーが声をかけてきた。
「ヌアダにサムス、相変わらず早いねぇ。それで、なんの話をしているの?」
俺はソノリーに壁際で見つけた穴と、その行き先についての推論のことを話した。
興味津々といった顔で、何度も頷きながら話を聞いていたソノリーは、少しだけ目を細めた。
「……それだけ?」
「それだけって……なにが、ですか?」
俺が訊き返すと、ソノリーは少しだけふて腐れた顔をした。
「だって、なにか隠してそうなんだもん。隠し事なんか……してほしくないのにさ」
ソノリーの指摘に、俺は冷水を浴びせられた気がした。
ネーレイスが告げた、水音のことは話をしていない。水音が切っ掛けではあるけど、推論自体は、水音の要素を排除していた。
俺の話のどこから、隠し事をしたことに気付いたんだろう?
俺が不思議そうな顔をしていると、ソノリーは少し上目遣いに見上げてきた。
「前にも言ったかな……? あたしはね。昔から嘘や誤魔化しが、わかっちゃうんだ。聖女様は、それは勇者の力の一部でしょうって言って下さってるの。だから、あたしに隠し事をしても、すぐにわかっちゃうからね」
「……なるほど」
それ以外、言うことが見つからなかった。ネーレイスのことを隠しているから、水音のことを伝えていない。そういう事実があるから、反論しようがない。
とはいえ、ネーレイスのことを話すのは、当人の許諾も必要だろうし。ここで勝手に話をするわけにはいかない。
悩みはしたけど、結論がでない。
俺は頭を掻きながら、小さく溜息を吐いた。
「あとのことは……どう言えばいいか、迷ってる……んですよね。なんか巧く言葉に出来ないっていうか。喋りにくいというか……なんか、言葉にし難いんだけど」
俺が頭を抱えるような仕草をすると、ソノリーは小さく溜息を吐いた。
「……そこに嘘はないんだね。でも、そっか。直感みたいな感じだと、言葉にはし難いよね」
「まあ、そー思って貰えると助かるっていうか」
これ以上に悩み続けていたら、熱が出そうだ。
俺が項垂れながら微笑むだけで応じると、ソノリーは手を掴んできた。
「それじゃあ今日は、あたしと捜索に行こうよ。地下室のある場所も案内できるし、あたしも興味があるから」
「待て、ソノリー。勝手に決めるんじゃない。そのあたりは、皆との相談が必要だ」
「ああ、もう。サムスは固いなぁ。いいじゃん、あたしとヌアダの組み合わせでも」
「いやあの……ちょっと待って」
俺は慌てて、ソノリーを制した。
「この前のとき使った風の力なんだけど、まだ巧く扱えなくて。そのコツとかをサムスに聞いたり、練習もしながら捜索したいんで――」
「そのくらいなら、あたしだってできるもん!!」
喚くソノリーに、サムスは気の重そうな溜息を吐いていた。
その後に、今日の捜索範囲などの擦り合わせが行われたが――すったもんだの末に、ソノリーの希望通りの展開になったのは、流石に予想外だった。
「ふんふんふーぅん」
昨日と同じ農民や貧民たちの住む区画を歩いているが、ソノリーは周囲の陰鬱な雰囲気には似合わない、上機嫌な鼻歌を奏でていた。
悪目立ちしているせいか、周囲の視線が集まって気まずい空気が流れていた。しばらく歩いているだけだったことに焦れた俺は、一歩前を歩いていたソノリーに追いついた。
「あの、ソノリー? 調査とか聞き込みとか、どうやるんです?」
「もう。もっと気楽に喋ろうよ。肩が凝っちゃう」
「いや、そう言われても――って、今はそれより調査とかを」
「それもそうなんだけど……どうやればいいんだろうね」
調査とかわかんない――と言われたとき、俺は軽い絶望感を覚えた。ここまで、なにしに来たんだろう。
流石に呆れていると、少し離れたところで何かが崩れる音がした。
「誰か来てくれ!」
悲鳴に似た、助けを求める男の声が聞こえて来た。
俺とソノリーは小さく頷き合うと、今もなお叫び続ける声のするほうへと急いだ。ただ、声が響いているから正確な位置が掴め難い。
三つ目の十字路で左右を見渡すと、左側の路地に崩れかけた家と、その瓦礫の前にボロのチュニックを着た男がいた。
髭に覆われた薄汚れた男は、どうやら物乞いらしい。俺たちに気付くと、縋るような目を向けてきた。
「ああ、あなたは勇者ソノリー! お願いだ勇者様、中にみんなが……」
男が視線を向けた先には、玄関が崩れた家屋がある。この家屋自体も、かなり古い。脆くなったところが、崩れたみたいだ。
中に入ろうとするなら、瓦礫を除けなければならない。三人でやるにしても、一日仕事になるか……かなり重そうな瓦礫もあるから、三人で持ち上げられるかどうか。
人手を呼んだ方がいいだろうか――と考えていると、ソノリーがやや固い笑みを浮かべながら、男に頷いた。
「任せて――解放」
解放具の力で勇者の姿となったソノリーが、俺を振り向いた。
「ヌアダも、早く」
「あ――うん。解放っ」
俺が勇者の装束に身を包むと、ソノリーは瓦礫へと向かった。人力でどこまで取り除けるんだろう――そう思っていると、ソノリーは梁に使われていたらしい、重そうな木材を軽々と持ち上げた。
「え?」
「どうしたの?」
俺の驚く声を聞いて振り返ったソノリーは、少し考えると合点のいった顔をした。
「あ、そっか。あのね、勇者の姿になると、腕力や脚力なんかも強化されるんだよ。だから、あたしでも重い物が持てるってわけ」
「なるほど、それなら俺もできるのかな」
俺はソノリーに倣って柱だった木材を持ち上げようとしたけど――微動だにしなかった。この柱は途中で折れているけど、かなりの重量だ。三人くらいなら持ち上がるかもしれないが、どうあがいても一人じゃ無理だ。
一人で悪戦苦闘していると、ソノリーが意外そうな顔で声をかけてきた。
「ヌアダ……あれだけの攻撃ができたのに、解放具を使っても腕力はそんなに強くならないんだね」
「……少しは強くなったけど、ソノリーほどじゃないみたいで」
「ふぅん……そっか。それな――あ、まずは瓦礫をどかさなきゃ。ヌアダは、もう少し軽い瓦礫を取り除いて。重いのは、あたしに任せてね」
「あ、うん……なんか、すいません」
会話もそこまでで、俺とソノリーは協力して瓦礫の撤去を再開した。
二時間も経たずに瓦礫の撤去を終えると、家屋の中から数人の物乞いが出てきた。どうやらここでは、物乞いたちが共同生活をしているらしい。
二人ほど怪我をしたようだけど、骨折などの重傷者はいない。修繕などの問題については、いくら勇者だからって手を貸せる問題じゃない。
礼を言ってくる物乞いたちに、ソノリーはポンと手を叩いて見せた。
「あ、そうだ! 皆さん、この辺で地下室のある場所とかないかな?」
「地下室……?」
「この辺に、そんな建物あったか?」
物乞いたちが口々に、地下室について話し合うが、結論は出そうになかった。
そろそろ諦めようか――と、俺とソノリーが目配せをした直後、腕に怪我をした男が「そういえば!」と声を挙げた。
「あの旦那さね。ゴミ拾いの旦那っ! あの人、ランプを持っているときがあるよな」
「ああ! そういえば!」
盛り上がる三人の物乞いたちに、俺は声をかけた。
「その人、何処に行けば会えるんだ?」
「もっと西のほうかな……なんか、石造りの小屋から出てくるのを見たよ。鍵が掛かっているから、小屋の中を見たことはないが」
「ごめん、案内をお願いできる?」
ソノリーの頼みに、物乞いの一人が了承してくれた。
案内された小屋は、都の隅にあった。小屋と言っても、一辺は六イマル(約六メートル六〇センチほど)くらいはある。屋根の近くに通気口っぽい穴はあるけど、窓はない。壁と違って、屋根は木材だ。
物乞いに別れを告げてから、俺たちは小屋のドアに近寄った。
ソノリーがノックをしたけど、返答はない。
「留守かな。あとでもう一度来ますか」
俺は小屋から離れようとしたけど、ソノリーは勇者の装備である杖をドアに向けた。
「……ヌアダ、ちょっと待ってね。調査のため、超法的措置をしちゃうね」
「え? なんで――」
俺は最後まで問いを言うことができなかった。なぜなら、ソノリーの杖の先端が光った、そのすぐあとで、ドアが自然に開いたからだ。
なにかの魔術を使ったことは、ソノリーの口が微かに動いているのを見て、すぐに理解をした。
「それじゃあ、入ろう」
「ちょ、ちょっと――」
ドアの中に入ったソノリーを追って、俺も小屋へと入った。
家主がいない家に、勝手に入るのは拙い。俺はソノリーを止めようとしたけど、手を伸ばした途端に、腕を捕まれて中に引っ張り込まれた。
ドアが閉まる音が聞こえる中、俺は体勢を崩してしまった。
「うわ――っと」
殆ど真っ暗闇になった小屋の中で、俺は床に倒れてしまった。
「あ、ごめんね。ちょっと強く引っ張りすぎちゃった」
そう謝りながら、ソノリーは仰向けになった俺の両肩を掴むようにしながら、覆い被さってきた。
状況が理解できずに瞬きをしながら見上げると、ソノリーは荒い呼吸をしてた。
「ほんとに……力では抵抗できないんだね」
「えっと……ソノリー? なにをするつもりなんです」
「なにをって……もしかしたら、このまま襲っちゃえそうとは思ってるけど……そっか。このまま襲っちゃえるんだ」
俺の言葉でソノリーは、なにかを気付いたような顔をする。その目に異様な光を宿らせながら、両手に力を込めた。
ソノリーに掴まれた肩の痛みに顔を顰めながら、俺は本能的な危機感を抱いた。
「……冗談、ですよね?」
「冗談……そんなわけないじゃん。だって今のままじゃ、ヌアダは教会から追い出されるかもしれないんだよ? 聖母様もみんなも、ヌアダの品定めみたいなことをしてる。なにか失態があれば、勇者と共に戦う資格無し――って判断になるかもしれない」
「そ――」
そんなことになっていたのか。俺が言葉の内容に驚いていると、ソノリーは俺に顔を寄せてきた。
「だから、あたしと既成事実を作っちゃえば、ずっと一緒にいられるの。だから、いいよね?」
「いや、いいよねって言われても――」
教会の教義的には、婚姻前の性行為は禁止のはずだし。俺はなんとか抜け出そうとしたけど、ソノリーの手から逃れることはできなかった。
このままじゃ、本気で襲われる――そう思った直後、ドアから鍵を回す音が聞こえてきた。
「あれ? 鍵を閉め忘れたか?」
そんな声が聞こえてくると、ソノリーが俺の身体から離れた。
ドアが開いたのは、その直後だ。ドアのすぐ外に、水路の掃除をしているという、昨日の男が立っていた。
男は俺たちを見て、怪訝な顔をした。
「勇者ソノリーに、昨日の坊主? こんな場所でなにを?」
「遺体を盗んだ者を追ってる途中なの。ここの中も調べてもいいですか?」
ソノリーの説明に、男は少し驚いた顔をしたが、勇者からの頼みということもあってか、数秒の遅滞はあったけど頷いた。
「……そういうことなら。でも、水路に入ると真っ暗だからね。灯りがないと難しいですよ」
「水路……ここに?」
「ええ。地下に水路があるんで。都の内外から荷物を運ぶ連中は、みんなランプとか持ってますよ」
「ちょっと待って下さい。その水路って、教会の近くまで通ってますか?」
二人の会話を遮って、俺は男に問いかけた。
男は少し考えてから、頷いた。
「多分……な。なにせ地下だから、確かなことは言えないが」
教会の穴、水音――これで、この二つが繋がった。
灯りもいるし、応援だっているだろう。俺はソノリーと相談してから一度、教会も戻ることにした。
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本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!
わたなべ ゆたか です。
水路が地下にあるというのは、通常じゃ珍しいかもですね。ただ、ファンタジー世界においては、そこそこ見られますので、ここでは採用しました。
といっても下水目的が多いですが……そこはあれです。中世期で下水があるのは稀ですね。ローマくいらいじゃないでしょうか。だから黒死病なんてあったわけです。
魔術で――という思う方もおられると思いますが、そこはその、思想と文化レベルの違いでしょう。そのあたりも、そのうち本文に。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
次回もよろしくお願いします!
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