適正がないと言われた俺が、受け継いだ勇者の力で悪魔たちを薙ぎ倒す話

わたなべ ゆたか

文字の大きさ
12 / 13

二章-4

しおりを挟む

   4

 翌朝の鍛錬後、俺はサムスに東の都に地階のある建物がないか訊ねてみた。
 昨晩は眠気のせいで深く考えなかったが、ネーレイスが聞いたという水音は地下水というより、地下室の音かもしれない――と、思ったわけだ。
 地下水って地面の中を流れているのだが、地下水の流れる空洞があるとは限らない。ぬかるんだ土の中を、じんわりと流れる場合だってある。
 水音を手掛かりとするなら、人が獲れる空間がある場所が必要なはずだ。水音はともかく、ずっと土の中を進んで死体を運ぶのは難しいはず――という推論を聞いたサムスは、難しい顔をした。


「地下室のある建物はあるが……昨日調べた区域にはない。都の中でも裕福な区域や牢、地下墓地くらいだろう。そのどれもが、昨日見つけた穴からは、それなりの距離がある」


「……そうですか」


 推論は間違っていたのかもしれない――そう思ったとき、背後からソノリーが声をかけてきた。


「ヌアダにサムス、相変わらず早いねぇ。それで、なんの話をしているの?」


 俺はソノリーに壁際で見つけた穴と、その行き先についての推論のことを話した。
 興味津々といった顔で、何度も頷きながら話を聞いていたソノリーは、少しだけ目を細めた。


「……それだけ?」


「それだけって……なにが、ですか?」


 俺が訊き返すと、ソノリーは少しだけふて腐れた顔をした。


「だって、なにか隠してそうなんだもん。隠し事なんか……してほしくないのにさ」


 ソノリーの指摘に、俺は冷水を浴びせられた気がした。
 ネーレイスが告げた、水音のことは話をしていない。水音が切っ掛けではあるけど、推論自体は、水音の要素を排除していた。
 俺の話のどこから、隠し事をしたことに気付いたんだろう?
 俺が不思議そうな顔をしていると、ソノリーは少し上目遣いに見上げてきた。


「前にも言ったかな……? あたしはね。昔から嘘や誤魔化しが、わかっちゃうんだ。聖女様は、それは勇者の力の一部でしょうって言って下さってるの。だから、あたしに隠し事をしても、すぐにわかっちゃうからね」


「……なるほど」


 それ以外、言うことが見つからなかった。ネーレイスのことを隠しているから、水音のことを伝えていない。そういう事実があるから、反論しようがない。
 とはいえ、ネーレイスのことを話すのは、当人の許諾も必要だろうし。ここで勝手に話をするわけにはいかない。
 悩みはしたけど、結論がでない。
 俺は頭を掻きながら、小さく溜息を吐いた。


「あとのことは……どう言えばいいか、迷ってる……んですよね。なんか巧く言葉に出来ないっていうか。喋りにくいというか……なんか、言葉にし難いんだけど」


 俺が頭を抱えるような仕草をすると、ソノリーは小さく溜息を吐いた。


「……そこに嘘はないんだね。でも、そっか。直感みたいな感じだと、言葉にはし難いよね」


「まあ、そー思って貰えると助かるっていうか」


 これ以上に悩み続けていたら、熱が出そうだ。
 俺が項垂れながら微笑むだけで応じると、ソノリーは手を掴んできた。


「それじゃあ今日は、あたしと捜索に行こうよ。地下室のある場所も案内できるし、あたしも興味があるから」


「待て、ソノリー。勝手に決めるんじゃない。そのあたりは、皆との相談が必要だ」


「ああ、もう。サムスは固いなぁ。いいじゃん、あたしとヌアダの組み合わせでも」


「いやあの……ちょっと待って」


 俺は慌てて、ソノリーを制した。


「この前のとき使った風の力なんだけど、まだ巧く扱えなくて。そのコツとかをサムスに聞いたり、練習もしながら捜索したいんで――」


「そのくらいなら、あたしだってできるもん!!」


 喚くソノリーに、サムスは気の重そうな溜息を吐いていた。
 その後に、今日の捜索範囲などの擦り合わせが行われたが――すったもんだの末に、ソノリーの希望通りの展開になったのは、流石に予想外だった。


「ふんふんふーぅん」


 昨日と同じ農民や貧民たちの住む区画を歩いているが、ソノリーは周囲の陰鬱な雰囲気には似合わない、上機嫌な鼻歌を奏でていた。
 悪目立ちしているせいか、周囲の視線が集まって気まずい空気が流れていた。しばらく歩いているだけだったことに焦れた俺は、一歩前を歩いていたソノリーに追いついた。


「あの、ソノリー? 調査とか聞き込みとか、どうやるんです?」


「もう。もっと気楽に喋ろうよ。肩が凝っちゃう」


「いや、そう言われても――って、今はそれより調査とかを」


「それもそうなんだけど……どうやればいいんだろうね」


 調査とかわかんない――と言われたとき、俺は軽い絶望感を覚えた。ここまで、なにしに来たんだろう。
 流石に呆れていると、少し離れたところで何かが崩れる音がした。


「誰か来てくれ!」


 悲鳴に似た、助けを求める男の声が聞こえて来た。
 俺とソノリーは小さく頷き合うと、今もなお叫び続ける声のするほうへと急いだ。ただ、声が響いているから正確な位置が掴め難い。
 三つ目の十字路で左右を見渡すと、左側の路地に崩れかけた家と、その瓦礫の前にボロのチュニックを着た男がいた。
 髭に覆われた薄汚れた男は、どうやら物乞いらしい。俺たちに気付くと、縋るような目を向けてきた。


「ああ、あなたは勇者ソノリー! お願いだ勇者様、中にみんなが……」


 男が視線を向けた先には、玄関が崩れた家屋がある。この家屋自体も、かなり古い。脆くなったところが、崩れたみたいだ。
 中に入ろうとするなら、瓦礫を除けなければならない。三人でやるにしても、一日仕事になるか……かなり重そうな瓦礫もあるから、三人で持ち上げられるかどうか。
 人手を呼んだ方がいいだろうか――と考えていると、ソノリーがやや固い笑みを浮かべながら、男に頷いた。


「任せて――解放」


 解放具の力で勇者の姿となったソノリーが、俺を振り向いた。


「ヌアダも、早く」


「あ――うん。解放っ」


 俺が勇者の装束に身を包むと、ソノリーは瓦礫へと向かった。人力でどこまで取り除けるんだろう――そう思っていると、ソノリーは梁に使われていたらしい、重そうな木材を軽々と持ち上げた。


「え?」


「どうしたの?」


 俺の驚く声を聞いて振り返ったソノリーは、少し考えると合点のいった顔をした。


「あ、そっか。あのね、勇者の姿になると、腕力や脚力なんかも強化されるんだよ。だから、あたしでも重い物が持てるってわけ」


「なるほど、それなら俺もできるのかな」


 俺はソノリーに倣って柱だった木材を持ち上げようとしたけど――微動だにしなかった。この柱は途中で折れているけど、かなりの重量だ。三人くらいなら持ち上がるかもしれないが、どうあがいても一人じゃ無理だ。
 一人で悪戦苦闘していると、ソノリーが意外そうな顔で声をかけてきた。


「ヌアダ……あれだけの攻撃ができたのに、解放具を使っても腕力はそんなに強くならないんだね」


「……少しは強くなったけど、ソノリーほどじゃないみたいで」


「ふぅん……そっか。それな――あ、まずは瓦礫をどかさなきゃ。ヌアダは、もう少し軽い瓦礫を取り除いて。重いのは、あたしに任せてね」


「あ、うん……なんか、すいません」


 会話もそこまでで、俺とソノリーは協力して瓦礫の撤去を再開した。
 二時間も経たずに瓦礫の撤去を終えると、家屋の中から数人の物乞いが出てきた。どうやらここでは、物乞いたちが共同生活をしているらしい。
 二人ほど怪我をしたようだけど、骨折などの重傷者はいない。修繕などの問題については、いくら勇者だからって手を貸せる問題じゃない。
 礼を言ってくる物乞いたちに、ソノリーはポンと手を叩いて見せた。


「あ、そうだ! 皆さん、この辺で地下室のある場所とかないかな?」


「地下室……?」


「この辺に、そんな建物あったか?」


 物乞いたちが口々に、地下室について話し合うが、結論は出そうになかった。
 そろそろ諦めようか――と、俺とソノリーが目配せをした直後、腕に怪我をした男が「そういえば!」と声を挙げた。


「あの旦那さね。ゴミ拾いの旦那っ! あの人、ランプを持っているときがあるよな」


「ああ! そういえば!」


 盛り上がる三人の物乞いたちに、俺は声をかけた。


「その人、何処に行けば会えるんだ?」


「もっと西のほうかな……なんか、石造りの小屋から出てくるのを見たよ。鍵が掛かっているから、小屋の中を見たことはないが」


「ごめん、案内をお願いできる?」


 ソノリーの頼みに、物乞いの一人が了承してくれた。
 案内された小屋は、都の隅にあった。小屋と言っても、一辺は六イマル(約六メートル六〇センチほど)くらいはある。屋根の近くに通気口っぽい穴はあるけど、窓はない。壁と違って、屋根は木材だ。
 物乞いに別れを告げてから、俺たちは小屋のドアに近寄った。
 ソノリーがノックをしたけど、返答はない。


「留守かな。あとでもう一度来ますか」


 俺は小屋から離れようとしたけど、ソノリーは勇者の装備である杖をドアに向けた。


「……ヌアダ、ちょっと待ってね。調査のため、超法的措置をしちゃうね」


「え? なんで――」


 俺は最後まで問いを言うことができなかった。なぜなら、ソノリーの杖の先端が光った、そのすぐあとで、ドアが自然に開いたからだ。
 なにかの魔術を使ったことは、ソノリーの口が微かに動いているのを見て、すぐに理解をした。


「それじゃあ、入ろう」


「ちょ、ちょっと――」


 ドアの中に入ったソノリーを追って、俺も小屋へと入った。
 家主がいない家に、勝手に入るのは拙い。俺はソノリーを止めようとしたけど、手を伸ばした途端に、腕を捕まれて中に引っ張り込まれた。
 ドアが閉まる音が聞こえる中、俺は体勢を崩してしまった。


「うわ――っと」


 殆ど真っ暗闇になった小屋の中で、俺は床に倒れてしまった。


「あ、ごめんね。ちょっと強く引っ張りすぎちゃった」


 そう謝りながら、ソノリーは仰向けになった俺の両肩を掴むようにしながら、覆い被さってきた。
 状況が理解できずに瞬きをしながら見上げると、ソノリーは荒い呼吸をしてた。


「ほんとに……力では抵抗できないんだね」


「えっと……ソノリー? なにをするつもりなんです」


「なにをって……もしかしたら、このまま襲っちゃえそうとは思ってるけど……そっか。このまま襲っちゃえるんだ」


 俺の言葉でソノリーは、なにかを気付いたような顔をする。その目に異様な光を宿らせながら、両手に力を込めた。
 ソノリーに掴まれた肩の痛みに顔を顰めながら、俺は本能的な危機感を抱いた。


「……冗談、ですよね?」


「冗談……そんなわけないじゃん。だって今のままじゃ、ヌアダは教会から追い出されるかもしれないんだよ? 聖母様もみんなも、ヌアダの品定めみたいなことをしてる。なにか失態があれば、勇者と共に戦う資格無し――って判断になるかもしれない」


「そ――」


 そんなことになっていたのか。俺が言葉の内容に驚いていると、ソノリーは俺に顔を寄せてきた。


「だから、あたしと既成事実を作っちゃえば、ずっと一緒にいられるの。だから、いいよね?」


「いや、いいよねって言われても――」


 教会の教義的には、婚姻前の性行為は禁止のはずだし。俺はなんとか抜け出そうとしたけど、ソノリーの手から逃れることはできなかった。
 このままじゃ、本気で襲われる――そう思った直後、ドアから鍵を回す音が聞こえてきた。


「あれ? 鍵を閉め忘れたか?」


 そんな声が聞こえてくると、ソノリーが俺の身体から離れた。
 ドアが開いたのは、その直後だ。ドアのすぐ外に、水路の掃除をしているという、昨日の男が立っていた。
 男は俺たちを見て、怪訝な顔をした。


「勇者ソノリーに、昨日の坊主? こんな場所でなにを?」


「遺体を盗んだ者を追ってる途中なの。ここの中も調べてもいいですか?」


 ソノリーの説明に、男は少し驚いた顔をしたが、勇者からの頼みということもあってか、数秒の遅滞はあったけど頷いた。


「……そういうことなら。でも、水路に入ると真っ暗だからね。灯りがないと難しいですよ」


「水路……ここに?」


「ええ。地下に水路があるんで。都の内外から荷物を運ぶ連中は、みんなランプとか持ってますよ」


「ちょっと待って下さい。その水路って、教会の近くまで通ってますか?」


 二人の会話を遮って、俺は男に問いかけた。
 男は少し考えてから、頷いた。


「多分……な。なにせ地下だから、確かなことは言えないが」


 教会の穴、水音――これで、この二つが繋がった。
 灯りもいるし、応援だっているだろう。俺はソノリーと相談してから一度、教会も戻ることにした。

-----------------------------------------------------------------------------------------
本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

水路が地下にあるというのは、通常じゃ珍しいかもですね。ただ、ファンタジー世界においては、そこそこ見られますので、ここでは採用しました。
といっても下水目的が多いですが……そこはあれです。中世期で下水があるのは稀ですね。ローマくいらいじゃないでしょうか。だから黒死病なんてあったわけです。

魔術で――という思う方もおられると思いますが、そこはその、思想と文化レベルの違いでしょう。そのあたりも、そのうち本文に。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

次回もよろしくお願いします!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界配信中。幼馴染みに捨てられた俺に、神々(視聴者)がコメントしてくるんだが。

葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。 だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。 突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。 これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。

最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます

わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。 一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します! 大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

処理中です...