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第三章『不条理な十日間~闇に潜む赤い十文字』
プロローグ
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第三章『不条理な十日間~闇に潜む赤い十文字』
プロローグ
月が厚い雲に隠れると、闇夜が一段と濃くなる。
その闇の中で、二つの影がもみ合っていた。
初老の男は悲鳴をあげようとするが、口元を布で押さえつけられているため、声を挙げられずにいた。
床に押し倒された初老の男に、もう一つの影が覆い被さった。全身を包む衣服や、頭部をすっぽりと覆う覆面まで黒一色だ。
その影が、左手で短刀を抜いた。
「ま――やめ……くれ」
なんとか絞り出した声に構わず、影は初老の男の喉笛に、刃を突き立てた。
しばらくは藻掻いていた身体が、不意に動きを止めた。
二度と動くことのない骸から立ち上がると、影は静かに告げた。
「こんな楽しいこと、止めるわけがないだろう」
雲が晴れて月明かりが出てくると、覆面の額に描かれた赤い十文字が浮かび上がった。
*
ラオン国の首都であるウータムは、都市として特異な形状をしていた。
人口二万を超える城塞都市なのだが、都市囲む城塞――つまりは壁が、二重になっている。都市の中央に、塀に囲まれた王城がある。二本の尖塔がある以外は、砦のような堅牢さがある。
その王城を囲む一枚目の壁は人口二千人ほどが済み、小さな田畑こそ存在するが、殆どが貴族や比較的豊かな民の住まう場所になっている。
二百年ほど前までは、この一枚目の城塞が都市の境界となっていた。そのあいだ戦が行われなかったためか、城塞の周囲にも民が住むようになっていったのだ。
しかし百年ほど前、隣国との関係が悪化した。
その際に築かれたのが、二枚目の城塞である。広大な田畑をも取り囲んだ城塞は、急造のためか一枚目に比べると華奢な造りとなっていた。
その代わり周囲を警戒するための物見の塔の数は多く、城塞のすぐ内側を網羅するように、そして見張りの兵の顔の区別ができる間隔で配置されていた。
現在、その一部は観光用に解放されている。一人銅貨三枚で、そこそこに見晴らしが良いと、巡礼者や行商人などから、そこそこ好評である。
さんさんと降り注ぐ陽光の下、ウータム王城の回廊を中年の男が歩いていた。白髪交じりの茶色の髪は短く整えられ、髪と同じ色の髭は顎のすぐ下で切り揃えられている。
いつも不機嫌そうに眉を顰め、青い瞳は虚空を睨んでいる。
エイス・カーター・メーラン侯爵は、金糸の刺繍がある帯と紫色の衣服を着ている。足元まで垂れた裾を払いながら回廊を歩くエイス侯爵は、前から歩いてくる金髪の男に気付いて脚を止めた。
紺色の衣服の上から、半円形で上半身を覆う赤い外套を羽織っている。
金髪に金色の髭――快活そうな緑の瞳。エイス侯爵とは真逆な、陽性な気質が滲み出た男は、満面の笑顔を浮かべながら手を挙げた。
「やあ、エイス侯爵。御機嫌は如何かな?」
「ええ、悪くはありません。ミロス公爵様は、御機嫌な御様子ですが……なにか良いことでもありましたか?」
エイス侯爵に訊かれて、ミロス・カーター・グレイス公爵は破顔した。
「はっはっはぁ! わかるか! 実はな、グラネンス伯爵のところの孫が大活躍したそうなのだよ」
「グラネンス伯爵……グラネンス・カーター伯爵のことで?」
「他に誰がいるというのかね。ヤツのところの跡取り――あの怠け者の長男には期待できぬが、あの孫は有望だ。彼が跡を継げば、グラネンス伯の領地は安泰だ」
「それは……よろしゅうございましたな」
「ああ。その孫は、そろそろグラネンス伯のところに戻るというのでな。この機会に、顔を拝みに行ってくる。おまえも来るか?」
笑顔で訊いてくるミロス公爵に、エイス侯爵は控え目に首を振った。
「いえ、わたくしは……忙しいですので」
「そうか! なら、土産話を楽しみにしててくれ」
そう言い残して、ミロス公爵は去って行った。
あとに残されたエイス侯爵は、苦々しい顔で正面へと向き直った。再び歩きだそうとしたとき、茶色の髪の青年が駆け寄って来た。
「父上……如何なされました?」
「ベガラン……見ていたのか」
「ええ。たまたま、ですが」
息子から顔を背けたエイス侯爵は、憎々しげに口を開いた。
「公爵様は僻地に住む伯爵ばかりを贔屓しておる。グラネンス伯爵は有能であることに有名だが、一領主に過ぎぬ。国王を補佐し、国を動かしておるのは、わたしだ。なのに、わたしへの評価が低すぎる。公爵様の評判は高いが……人を見る目は壊滅的だ。王が、わたしよりも公爵様を重用しておるのも、納得がいかぬ」
「その不満は、わかります。父上にとっては、口惜しい話でしょう」
そこで言葉を切ったベガランは、少し考えたあと、小声でエイス侯爵に告げた。
「父上が望むのであれば、公爵様に天誅を下すことも可能です。わたしは……とある暗殺を担う者を知っております。彼に依頼すれば、父上の無念も晴らせましょう」
「おまえ……待て」
エイス侯爵は周囲を見回し、誰もいないことを確かめてから、息子へと顔を向けた。
「その話、本当だろうな? わたしの立場が危うくなることは……」
「大丈夫ですよ。わたくしにお任せ下さい」
ベガランの顔をマジマジと見つめたエイス侯爵は迷っていた。欲望と理性、そして保身――それらがせめぎ合っていたが、彼の持つ憎悪の念が強すぎた。
ベガランに目を向けると、絞り出すような声で「頼む」と告げた。
父と別れたベラランは、薄く冷たい笑みを浮かべた。
「お任せ下さい……父上」
ベラガンが懐から取り出した布には、赤い十文字が描かれてた。
-------------------------------------------------------------------------------------
本作を読んで頂き、まことにありがとうございます!
わたなべ ゆたか です。
そして、こちらでは、新年明けましておめでとうございます!
今年も、何卒宜しくお願い申し上げます。
年始……というには、ちょっと遅刻かもしれませんが、第三章の始まりでございます。
ただ……プロットも章分けは終わってるんですが、段落ごとの切り分け(一章-1とか、一章-2ごと)は、まだ途中でして……。
時間ばっかかけても仕方ないし、自分を奮起させるためにアップを開始した次第です。とはいえ、仕事の兼ね合いから週一は変わらないと思います。
この土日で、プロットの大半をやっつけようと思ってます。
頑張ります! やっとエーテル病(首が太い、ポーション中毒)が治せたと思ったら、今度は毒手(素手の攻撃が毒属性、毒耐性+の利点以上に、ポーションが毒化が厄介)に……という状況ですが、頑張ってカジノ……もとい、プロット作ります(滝汗
elinのカジノはポーカーやスロットより、バスケのゴール入れが無難に稼げるか……って感じです。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
次回も宜しくお願いします!
プロローグ
月が厚い雲に隠れると、闇夜が一段と濃くなる。
その闇の中で、二つの影がもみ合っていた。
初老の男は悲鳴をあげようとするが、口元を布で押さえつけられているため、声を挙げられずにいた。
床に押し倒された初老の男に、もう一つの影が覆い被さった。全身を包む衣服や、頭部をすっぽりと覆う覆面まで黒一色だ。
その影が、左手で短刀を抜いた。
「ま――やめ……くれ」
なんとか絞り出した声に構わず、影は初老の男の喉笛に、刃を突き立てた。
しばらくは藻掻いていた身体が、不意に動きを止めた。
二度と動くことのない骸から立ち上がると、影は静かに告げた。
「こんな楽しいこと、止めるわけがないだろう」
雲が晴れて月明かりが出てくると、覆面の額に描かれた赤い十文字が浮かび上がった。
*
ラオン国の首都であるウータムは、都市として特異な形状をしていた。
人口二万を超える城塞都市なのだが、都市囲む城塞――つまりは壁が、二重になっている。都市の中央に、塀に囲まれた王城がある。二本の尖塔がある以外は、砦のような堅牢さがある。
その王城を囲む一枚目の壁は人口二千人ほどが済み、小さな田畑こそ存在するが、殆どが貴族や比較的豊かな民の住まう場所になっている。
二百年ほど前までは、この一枚目の城塞が都市の境界となっていた。そのあいだ戦が行われなかったためか、城塞の周囲にも民が住むようになっていったのだ。
しかし百年ほど前、隣国との関係が悪化した。
その際に築かれたのが、二枚目の城塞である。広大な田畑をも取り囲んだ城塞は、急造のためか一枚目に比べると華奢な造りとなっていた。
その代わり周囲を警戒するための物見の塔の数は多く、城塞のすぐ内側を網羅するように、そして見張りの兵の顔の区別ができる間隔で配置されていた。
現在、その一部は観光用に解放されている。一人銅貨三枚で、そこそこに見晴らしが良いと、巡礼者や行商人などから、そこそこ好評である。
さんさんと降り注ぐ陽光の下、ウータム王城の回廊を中年の男が歩いていた。白髪交じりの茶色の髪は短く整えられ、髪と同じ色の髭は顎のすぐ下で切り揃えられている。
いつも不機嫌そうに眉を顰め、青い瞳は虚空を睨んでいる。
エイス・カーター・メーラン侯爵は、金糸の刺繍がある帯と紫色の衣服を着ている。足元まで垂れた裾を払いながら回廊を歩くエイス侯爵は、前から歩いてくる金髪の男に気付いて脚を止めた。
紺色の衣服の上から、半円形で上半身を覆う赤い外套を羽織っている。
金髪に金色の髭――快活そうな緑の瞳。エイス侯爵とは真逆な、陽性な気質が滲み出た男は、満面の笑顔を浮かべながら手を挙げた。
「やあ、エイス侯爵。御機嫌は如何かな?」
「ええ、悪くはありません。ミロス公爵様は、御機嫌な御様子ですが……なにか良いことでもありましたか?」
エイス侯爵に訊かれて、ミロス・カーター・グレイス公爵は破顔した。
「はっはっはぁ! わかるか! 実はな、グラネンス伯爵のところの孫が大活躍したそうなのだよ」
「グラネンス伯爵……グラネンス・カーター伯爵のことで?」
「他に誰がいるというのかね。ヤツのところの跡取り――あの怠け者の長男には期待できぬが、あの孫は有望だ。彼が跡を継げば、グラネンス伯の領地は安泰だ」
「それは……よろしゅうございましたな」
「ああ。その孫は、そろそろグラネンス伯のところに戻るというのでな。この機会に、顔を拝みに行ってくる。おまえも来るか?」
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「いえ、わたくしは……忙しいですので」
「そうか! なら、土産話を楽しみにしててくれ」
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あとに残されたエイス侯爵は、苦々しい顔で正面へと向き直った。再び歩きだそうとしたとき、茶色の髪の青年が駆け寄って来た。
「父上……如何なされました?」
「ベガラン……見ていたのか」
「ええ。たまたま、ですが」
息子から顔を背けたエイス侯爵は、憎々しげに口を開いた。
「公爵様は僻地に住む伯爵ばかりを贔屓しておる。グラネンス伯爵は有能であることに有名だが、一領主に過ぎぬ。国王を補佐し、国を動かしておるのは、わたしだ。なのに、わたしへの評価が低すぎる。公爵様の評判は高いが……人を見る目は壊滅的だ。王が、わたしよりも公爵様を重用しておるのも、納得がいかぬ」
「その不満は、わかります。父上にとっては、口惜しい話でしょう」
そこで言葉を切ったベガランは、少し考えたあと、小声でエイス侯爵に告げた。
「父上が望むのであれば、公爵様に天誅を下すことも可能です。わたしは……とある暗殺を担う者を知っております。彼に依頼すれば、父上の無念も晴らせましょう」
「おまえ……待て」
エイス侯爵は周囲を見回し、誰もいないことを確かめてから、息子へと顔を向けた。
「その話、本当だろうな? わたしの立場が危うくなることは……」
「大丈夫ですよ。わたくしにお任せ下さい」
ベガランの顔をマジマジと見つめたエイス侯爵は迷っていた。欲望と理性、そして保身――それらがせめぎ合っていたが、彼の持つ憎悪の念が強すぎた。
ベガランに目を向けると、絞り出すような声で「頼む」と告げた。
父と別れたベラランは、薄く冷たい笑みを浮かべた。
「お任せ下さい……父上」
ベラガンが懐から取り出した布には、赤い十文字が描かれてた。
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本作を読んで頂き、まことにありがとうございます!
わたなべ ゆたか です。
そして、こちらでは、新年明けましておめでとうございます!
今年も、何卒宜しくお願い申し上げます。
年始……というには、ちょっと遅刻かもしれませんが、第三章の始まりでございます。
ただ……プロットも章分けは終わってるんですが、段落ごとの切り分け(一章-1とか、一章-2ごと)は、まだ途中でして……。
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頑張ります! やっとエーテル病(首が太い、ポーション中毒)が治せたと思ったら、今度は毒手(素手の攻撃が毒属性、毒耐性+の利点以上に、ポーションが毒化が厄介)に……という状況ですが、頑張ってカジノ……もとい、プロット作ります(滝汗
elinのカジノはポーカーやスロットより、バスケのゴール入れが無難に稼げるか……って感じです。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
次回も宜しくお願いします!
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