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22・予期せぬ来訪
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(ど、どうしよう。全く気付いていなかった……)
リセが溺れ森で会った青年と再会したのは、侍女に呼ばれるまま館で一番上等な来賓用の部屋に呼ばれた時だった。
(まさか、王都から来ていた王子だったなんて)
リセが談話用の部屋に案内されると、待っていた金髪の王子は笑顔で人払いをする。
隣の部屋に待機しているとはいえ、親しい侍女と引き離されたリセの無表情は心なしか強張った。
(よく知らない人と二人きりだ……ジェイルがいてくれたらいいのに)
今のリセはそう感じるほど、ジェイルの華やかな迫力に圧倒されていたことが嘘のように心細くなる。
(だけど王子は、私にどんな用事があるんだろう。別れ際に「覚悟していて」って言われたし、お咎めかもしれない。お父様に迷惑をかけてしまったらどうしよう)
王子は委縮しているリセに気づいているようだったが、あえて親しげに話しかけてきた。
「やぁリセ。この間は人目を避けての散歩だったのだけれど、まさかあんな早朝に人と……君と精霊獣に会えるとは思いもしなかったよ」
リセは緊張と恐怖で張り詰めた身振りながらも丁寧に挨拶をして、謝罪から入った。
「サヴァード王子。先日は不躾な振る舞い、大変失礼致しました」
「堅苦しい挨拶は抜きにしようか。初対面の時、僕は君と精霊獣を前に動揺した姿まで見せてしまったくらいだしね」
「サヴァード王子が私のことを助けようとして下さったことは、とても感謝しています」
無難な返事を受け、サヴァードはどこかゲームを楽しむような目をリセに向ける。
「だけど驚いたな。オース伯のリセ嬢は美しい人形のような無表情で有名だから。溺れ森で一目見たときは全く分からなかったよ。君は精霊獣と戯れていて、とても素敵な笑顔を見せてくれたからね。だけど今は……」
印象を裏切られたらしく、サヴァードは意外そうにリセを見つめた。
意外な来客を知った侍女が腕をふるったこともあり、リセはやんわり巻かれた髪や華のあるメイクやドレスに、普段より煌びやかな装飾品まで身につけていて、無表情の中にぞくりとさせるような静かなあでやかさをまとっている。
「自然の中で見た素朴で可憐な美しさも素敵だけど、今は別人のような魅力があるね。目が離せない」
「お、恐れ入ります、サヴァード王子」
(怖いので、出来れば目は離して下さい……)
「そんなにかしこまらないで。リセなら気軽に、サヴァードって呼んでもいいよ」
(気づかっていただけるのはありがたいけれど、それだと思ったより短くならない……サ王子とかだったらいいのに)
常に注がれる視線に耐えられなくなり、リセはつい顔を背けた。
(はっ、どうしよう。目を逸らして無言は正直すぎる。えっと、)
「あ、あの。私……」
リセが謝ろうとするのを感じ取り、サヴァードはそれを仕草で制した。
「安心して。君が特別シャイなのは噂でも、オース伯からも聞いているよ。僕はそれを謝ってもらうために会いに来たわけじゃない。もっと気楽でいいから。人払いしたのは君と秘密の話をしたいからだよ。何のことかわかる?」
リセは少しほっとしたが、サヴァードの真意はわからず首を傾げた。
「いいえ。お話とは何でしょうか?」
(ど、どうしよう。全く気付いていなかった……)
リセが溺れ森で会った青年と再会したのは、侍女に呼ばれるまま館で一番上等な来賓用の部屋に呼ばれた時だった。
(まさか、王都から来ていた王子だったなんて)
リセが談話用の部屋に案内されると、待っていた金髪の王子は笑顔で人払いをする。
隣の部屋に待機しているとはいえ、親しい侍女と引き離されたリセの無表情は心なしか強張った。
(よく知らない人と二人きりだ……ジェイルがいてくれたらいいのに)
今のリセはそう感じるほど、ジェイルの華やかな迫力に圧倒されていたことが嘘のように心細くなる。
(だけど王子は、私にどんな用事があるんだろう。別れ際に「覚悟していて」って言われたし、お咎めかもしれない。お父様に迷惑をかけてしまったらどうしよう)
王子は委縮しているリセに気づいているようだったが、あえて親しげに話しかけてきた。
「やぁリセ。この間は人目を避けての散歩だったのだけれど、まさかあんな早朝に人と……君と精霊獣に会えるとは思いもしなかったよ」
リセは緊張と恐怖で張り詰めた身振りながらも丁寧に挨拶をして、謝罪から入った。
「サヴァード王子。先日は不躾な振る舞い、大変失礼致しました」
「堅苦しい挨拶は抜きにしようか。初対面の時、僕は君と精霊獣を前に動揺した姿まで見せてしまったくらいだしね」
「サヴァード王子が私のことを助けようとして下さったことは、とても感謝しています」
無難な返事を受け、サヴァードはどこかゲームを楽しむような目をリセに向ける。
「だけど驚いたな。オース伯のリセ嬢は美しい人形のような無表情で有名だから。溺れ森で一目見たときは全く分からなかったよ。君は精霊獣と戯れていて、とても素敵な笑顔を見せてくれたからね。だけど今は……」
印象を裏切られたらしく、サヴァードは意外そうにリセを見つめた。
意外な来客を知った侍女が腕をふるったこともあり、リセはやんわり巻かれた髪や華のあるメイクやドレスに、普段より煌びやかな装飾品まで身につけていて、無表情の中にぞくりとさせるような静かなあでやかさをまとっている。
「自然の中で見た素朴で可憐な美しさも素敵だけど、今は別人のような魅力があるね。目が離せない」
「お、恐れ入ります、サヴァード王子」
(怖いので、出来れば目は離して下さい……)
「そんなにかしこまらないで。リセなら気軽に、サヴァードって呼んでもいいよ」
(気づかっていただけるのはありがたいけれど、それだと思ったより短くならない……サ王子とかだったらいいのに)
常に注がれる視線に耐えられなくなり、リセはつい顔を背けた。
(はっ、どうしよう。目を逸らして無言は正直すぎる。えっと、)
「あ、あの。私……」
リセが謝ろうとするのを感じ取り、サヴァードはそれを仕草で制した。
「安心して。君が特別シャイなのは噂でも、オース伯からも聞いているよ。僕はそれを謝ってもらうために会いに来たわけじゃない。もっと気楽でいいから。人払いしたのは君と秘密の話をしたいからだよ。何のことかわかる?」
リセは少しほっとしたが、サヴァードの真意はわからず首を傾げた。
「いいえ。お話とは何でしょうか?」
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