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第一章
結婚の経済効果
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ジョンの事件は、ジョンの死をもって終焉を迎えたが、ロベルトの運命はまさにそれを機に変わろうとしていた。
パンチ兄やグリム伯爵は、ロベルトの計らいで、なんの罪もかぶらなかった。
ジョンの亡骸は3日間広場に晒された。
その間石を投げる者はいても花を手向ける者はいなかった。
4日目の朝ジョンは近親者と神父にのみ見送られ、平民用の墓地に埋葬された。
その日の夕食時
パンチ兄が口を開いた。
「父上、私を廃嫡して下さい。
私も罪人です。ジョンを逃したのは私です。
ロベルトの討伐隊と戦いはしませんでしたが、ジョンを奪おうとしました。
母も兄も処刑されたのに、私だけなんの咎めもなくこうしていては、いけないんです。
このまま父上の跡を継ぎ王位に着くなんて私には出来ません。
私は、神に仕える身となり、母と兄の霊を見守り、この国の安寧を願いながら生きて行きたいと思っております。
どうか、この願いをお聞き届けください。」
「兄上、ちょっとお待ち下さい。
わたくしは成人したら、王家を出て冒険者となり諸国をめぐる旅に出ることを既にお許しいただいてます。
兄上が廃嫡なら誰がこの国の王位を継ぐのでしょう。」
「悪いなロベルト、お前なら人望もあり、正義感も強い、民からも愛される資質をもっていると思う。
頼む、俺の代わりに、ロベルトの手でこの国をより素晴らしい国にしてくれ」
「そんな勝手な!ぼくの夢はどうなるんだよ。
小さな頃から病弱で閉じこもってたぼくは、やっと、もうすぐ自由を手に入れるところだったのに」
「仕方ないだろう。事情が変わったんだ」
「二人とも止めよ。
まったく 他国では王位をめぐって兄弟で骨肉の争いをしとるというのに、お前たちときたら、まるで厄介物を押し付け有ってるようだな。
それにだ わしはまだまだ死なん。そちらに王位を譲るのはまだまだ先の話だ。心配するな。
ロベルト 王家を出ることを一旦は許したが、ジョンがこうなった以上、皇太子の立場はやはり捨てさせない
そして、パンチも然りだ。
但し、ロベルト成人の日から5年間は二人共に好きにせよ。
諸国をめぐるのもよし、神職につくもよし。
5年後のロベルトの誕生日に、又改めて決めようぞ」
「父上 私には成人した折に結婚したい女性がおります。
ですので、皇太子はちょっと重たいというか、困ります。教会でコソっと式を済ませるつもりだったので………」
「バカ者!そんな訳いくか!
そんな朗報を隠していたとは、つくづくお前には驚かされる。
我が国の皇太子が結婚だぞ。諸外国にも招待状を出して、大大的に国威を示さねばならん。
よいか 二人ともよく聞け。
ジョンの件で、王家の評判は、国内はもとより、国外においても下ったのだ。
この状態をこのまま放置すれば、王の座を狙って反乱を起こす者に機会を与えてしまうかも知れん。
ましてや外国が攻め入って来ることも無いとは言えんのだ。
それを一瞬で吹き飛ばすことが出来るのが、ロベルトの結婚だ。
わかったかロベルト。
この国の為、王家の為に式を挙げよ。
忙しくなるぞ、ロイヤルウェディングだ。
して、花嫁は、美人か?」
「はぁ~~~まぁそれなりに」
ロベルトは一つ大きくため息をついてから
「畏まりました。よろしくおねがいします」と一言いった。
勝手にマリーンと二人で家を出て結婚してしまうつもりが、ロイヤルウェディングになってしまった。
ってことは、アレをまずやらないといけないなぁ~
メネデール家に使者を送る。
「マリーンのご両親にご挨拶に、明日の昼 伺います
皇太子ロベルト」
あ~ やっぱ緊張する。
マリーンのお父様どんな人かな。
色々と聞かれるのかな?
殴られたりしないよな
「娘はやらん」とか言わないよな
そして翌日
「ロベルト殿下 ようこそいらっしゃいました。
マリーンの母のパールですよろしくね。
ささ こちらへお急ぎ下さい」
その部屋には既に酔って出来上がった感じのメネデール伯爵とそれをしれっとした目で見てるマリーンがいた。
「これはこれはロベルト殿下、今日は何用で?」
知ってるくせに
なら直球だ
「マリーンさんを私の妻に迎えたいと存じます。
どうかお許しを下さい。」
「私が嫌だと言えばどうするおつもりですか」
「奪って連れて行きます」
「マリーンは、パパのお嫁さんになってあげると言ってた娘だぞ。
騎士になって独身を通すからずっとパパのそばに居るから心配無いと言ってた娘だぞ。
そのマリーンを君は、かっ攫って行くのか?私のかわいいマリーンを。
嫌だ、マリーン行かないでくれよ~パパは寂しいよ~」
「パパやめてよ。それにこれからも会えるんだから。」
「あなた、飲み過ぎよ、ロベルト殿下を困らせないの!
こうしてちゃんとご挨拶にいらしてくれたのよ。
失礼ですよ。
あなたも、ちゃんとしなさい。」
「ううう
マリーンを幸せにすると約束してくれ」
「もちろんです」
「料理も炊事も洗濯もろくに出来ない娘だぞ」
「問題有りません」
「ううう、パール、マリーンがマリーンが持っていかれちゃうよう~
どうしよう」
「あなたには、私がいるわ。
娘の幸せを邪魔しちゃだめよ
ほら ちゃんと挨拶して」
「ロ ロベルト殿下!
娘を マリーンを幸せにしてやって下さい。 ううう」
「偉いわ アナタ」
「パパ、ごめんね。ありがとう」
「はい、必ず幸せにします。」
「ロベルト殿下 ゆっくり話しがしたい。
パール 酒の仕度を」
えええ?そっちの展開かぁ。
気まずい。
早く帰りたい。
マリーンが両手を合わせて、ゴメンねのポーズをしている。
「ヨーシ 今日は徹底的に呑むぞ~」
メネデール伯爵は、マリーンがどれだけ可愛かったかを延々と話続けた。
何度か同じ話しが出てきたが、微笑んで聞き流した。
「ご両親のたくさんの愛情の中で育ったから、マリーンは素敵な女性になったんですね。」
「分かってくれたか。この幸せ者め」
この言葉を最後にメネデール伯爵は酔いつぶれた。
自分は自動回復スキルで、酔っても直ぐに醒めてしまう。
が、マリーンは酔っていた。
「パパ パパ チェッ
パパ寝ちゃったよママ」
「マリーンまで、そんなに酔って!未来の旦那様の前で、はしたないわよ」
「ママ ロベルトはね。エッチなの。わたしのオッパイ触りたがるのよ」
「はいはい そうね、男の子はみんなそうよ。
パパもそうだったわ。フフフ
あなたも、殿下にご挨拶して今日はもう寝なさいよ。」
「えー つまんない」
「殿下 すみません。これ以上娘が醜態をあらわさない内に本日は、お引取りを。」
ぼくは、ようやく解放された。
そして三日後には、貴族とその子息子女、騎士に著名人を招いて、婚約披露パーティが開催された。
何時も騎士姿だったマリーンのドレス姿は、目を奪われる美しさだった。
マリーンの前に花束を持ってひざまずく。
「マリーン、ぼくと結婚して下さい」
「ちょっと待ったあ~」
「ちょっと待った!」
ブルーベリーさんとチェリーさんが
ぼくの両脇に並んで、花束をマリーンに差出し
「俺と結婚してくれマリーン」
「俺が幸せにする。結婚しようマリーン」
全く、誰だこんなクサイ演出したのは。
チラッと見回すとアングリさんと目が合った。
アングリさんはニヤッと笑ってサムズアップした。
マリーンはアザトク親指を唇に当てて、イヤイヤみないなポーズをしてから。
3人の前を右に行ったり左に行ったり。
まるで○○バトルの最下位発表だなぁ
さんざん焦らしてから、ぼくの花束を受取り、抱きついてきた。
盛大に拍手が沸き起こり、両脇の二人は、ガッカリした演技をする。
音楽がなり、ぼくとマリーンはそのまま踊りだす。
僕たちの周りでも、次々と男女が腕を組み踊り始める。
ホールが踊る人で混み合ってくるのを見計らって、マリーンとバルコニーに出る。
ここでキスを………
先にキスしているカップルが………
それも二組
映画のようには行かないなぁ~
そうこうしてると、なんか視線を感じた。
『探知』で見るとバルコニー脇のカーテンの陰に二人の人が居るのがわかった。
「僕ら監視されてるよ」
ぼくがカーテンの方に目配せするとマリーンが
「そこに居るんでしょ
出て来なさい」
「ごめん」メネデール伯爵が出てきた。
「やっぱり………………
まだ居るんでしょ
出て来なさい」
「ムッシッシー ハハハ
わしでした」
「王様!」
先にバルコニーに居た二組のカップルは、王様の登場に驚いて、そそくさと逃げ出した。
「ほれ、邪魔者は消えたぞ、遠慮なくブチューっとせんか」
「王様やメネデール伯爵の見てる前で、無理ですよ。
マリーン、食べ物でも取りに行こうよ」
「つまらんのう」
「残念、惜しかったですね」
二人の婚約を機に国は減税を行なった。
国内各地で「皇太子ご婚約記念バーゲンセール」が行われ、観光客も大いに増え国への経済効果は、減税分のカバーどころか、大いに増収増益となった。
「ロベルト そしてパンチよ これこそがロイヤルウェディングのパワーだ。
わしの言うとおりになっただろう。
ハハハこれで我が国はますます安泰だ
ワッハッハ」
娘たちは、皆マリーンの髪型を真似して、マリーンと同じような服を着たがり、マリーンと同じ口紅、香水が飛ぶように売れる。
タブロイド誌は、「マリーン令嬢のお気に入り」「マリーン令嬢の今週のファッション」とドンドンヒートアップしている。
実家には出待ちのファンが来るし、騎士学院時代の恩師や学友の話まで記事になっている。
中には便乗商法から、でっち上げ話まで、有象無象が金の匂いで湧いていた。
パンチ兄やグリム伯爵は、ロベルトの計らいで、なんの罪もかぶらなかった。
ジョンの亡骸は3日間広場に晒された。
その間石を投げる者はいても花を手向ける者はいなかった。
4日目の朝ジョンは近親者と神父にのみ見送られ、平民用の墓地に埋葬された。
その日の夕食時
パンチ兄が口を開いた。
「父上、私を廃嫡して下さい。
私も罪人です。ジョンを逃したのは私です。
ロベルトの討伐隊と戦いはしませんでしたが、ジョンを奪おうとしました。
母も兄も処刑されたのに、私だけなんの咎めもなくこうしていては、いけないんです。
このまま父上の跡を継ぎ王位に着くなんて私には出来ません。
私は、神に仕える身となり、母と兄の霊を見守り、この国の安寧を願いながら生きて行きたいと思っております。
どうか、この願いをお聞き届けください。」
「兄上、ちょっとお待ち下さい。
わたくしは成人したら、王家を出て冒険者となり諸国をめぐる旅に出ることを既にお許しいただいてます。
兄上が廃嫡なら誰がこの国の王位を継ぐのでしょう。」
「悪いなロベルト、お前なら人望もあり、正義感も強い、民からも愛される資質をもっていると思う。
頼む、俺の代わりに、ロベルトの手でこの国をより素晴らしい国にしてくれ」
「そんな勝手な!ぼくの夢はどうなるんだよ。
小さな頃から病弱で閉じこもってたぼくは、やっと、もうすぐ自由を手に入れるところだったのに」
「仕方ないだろう。事情が変わったんだ」
「二人とも止めよ。
まったく 他国では王位をめぐって兄弟で骨肉の争いをしとるというのに、お前たちときたら、まるで厄介物を押し付け有ってるようだな。
それにだ わしはまだまだ死なん。そちらに王位を譲るのはまだまだ先の話だ。心配するな。
ロベルト 王家を出ることを一旦は許したが、ジョンがこうなった以上、皇太子の立場はやはり捨てさせない
そして、パンチも然りだ。
但し、ロベルト成人の日から5年間は二人共に好きにせよ。
諸国をめぐるのもよし、神職につくもよし。
5年後のロベルトの誕生日に、又改めて決めようぞ」
「父上 私には成人した折に結婚したい女性がおります。
ですので、皇太子はちょっと重たいというか、困ります。教会でコソっと式を済ませるつもりだったので………」
「バカ者!そんな訳いくか!
そんな朗報を隠していたとは、つくづくお前には驚かされる。
我が国の皇太子が結婚だぞ。諸外国にも招待状を出して、大大的に国威を示さねばならん。
よいか 二人ともよく聞け。
ジョンの件で、王家の評判は、国内はもとより、国外においても下ったのだ。
この状態をこのまま放置すれば、王の座を狙って反乱を起こす者に機会を与えてしまうかも知れん。
ましてや外国が攻め入って来ることも無いとは言えんのだ。
それを一瞬で吹き飛ばすことが出来るのが、ロベルトの結婚だ。
わかったかロベルト。
この国の為、王家の為に式を挙げよ。
忙しくなるぞ、ロイヤルウェディングだ。
して、花嫁は、美人か?」
「はぁ~~~まぁそれなりに」
ロベルトは一つ大きくため息をついてから
「畏まりました。よろしくおねがいします」と一言いった。
勝手にマリーンと二人で家を出て結婚してしまうつもりが、ロイヤルウェディングになってしまった。
ってことは、アレをまずやらないといけないなぁ~
メネデール家に使者を送る。
「マリーンのご両親にご挨拶に、明日の昼 伺います
皇太子ロベルト」
あ~ やっぱ緊張する。
マリーンのお父様どんな人かな。
色々と聞かれるのかな?
殴られたりしないよな
「娘はやらん」とか言わないよな
そして翌日
「ロベルト殿下 ようこそいらっしゃいました。
マリーンの母のパールですよろしくね。
ささ こちらへお急ぎ下さい」
その部屋には既に酔って出来上がった感じのメネデール伯爵とそれをしれっとした目で見てるマリーンがいた。
「これはこれはロベルト殿下、今日は何用で?」
知ってるくせに
なら直球だ
「マリーンさんを私の妻に迎えたいと存じます。
どうかお許しを下さい。」
「私が嫌だと言えばどうするおつもりですか」
「奪って連れて行きます」
「マリーンは、パパのお嫁さんになってあげると言ってた娘だぞ。
騎士になって独身を通すからずっとパパのそばに居るから心配無いと言ってた娘だぞ。
そのマリーンを君は、かっ攫って行くのか?私のかわいいマリーンを。
嫌だ、マリーン行かないでくれよ~パパは寂しいよ~」
「パパやめてよ。それにこれからも会えるんだから。」
「あなた、飲み過ぎよ、ロベルト殿下を困らせないの!
こうしてちゃんとご挨拶にいらしてくれたのよ。
失礼ですよ。
あなたも、ちゃんとしなさい。」
「ううう
マリーンを幸せにすると約束してくれ」
「もちろんです」
「料理も炊事も洗濯もろくに出来ない娘だぞ」
「問題有りません」
「ううう、パール、マリーンがマリーンが持っていかれちゃうよう~
どうしよう」
「あなたには、私がいるわ。
娘の幸せを邪魔しちゃだめよ
ほら ちゃんと挨拶して」
「ロ ロベルト殿下!
娘を マリーンを幸せにしてやって下さい。 ううう」
「偉いわ アナタ」
「パパ、ごめんね。ありがとう」
「はい、必ず幸せにします。」
「ロベルト殿下 ゆっくり話しがしたい。
パール 酒の仕度を」
えええ?そっちの展開かぁ。
気まずい。
早く帰りたい。
マリーンが両手を合わせて、ゴメンねのポーズをしている。
「ヨーシ 今日は徹底的に呑むぞ~」
メネデール伯爵は、マリーンがどれだけ可愛かったかを延々と話続けた。
何度か同じ話しが出てきたが、微笑んで聞き流した。
「ご両親のたくさんの愛情の中で育ったから、マリーンは素敵な女性になったんですね。」
「分かってくれたか。この幸せ者め」
この言葉を最後にメネデール伯爵は酔いつぶれた。
自分は自動回復スキルで、酔っても直ぐに醒めてしまう。
が、マリーンは酔っていた。
「パパ パパ チェッ
パパ寝ちゃったよママ」
「マリーンまで、そんなに酔って!未来の旦那様の前で、はしたないわよ」
「ママ ロベルトはね。エッチなの。わたしのオッパイ触りたがるのよ」
「はいはい そうね、男の子はみんなそうよ。
パパもそうだったわ。フフフ
あなたも、殿下にご挨拶して今日はもう寝なさいよ。」
「えー つまんない」
「殿下 すみません。これ以上娘が醜態をあらわさない内に本日は、お引取りを。」
ぼくは、ようやく解放された。
そして三日後には、貴族とその子息子女、騎士に著名人を招いて、婚約披露パーティが開催された。
何時も騎士姿だったマリーンのドレス姿は、目を奪われる美しさだった。
マリーンの前に花束を持ってひざまずく。
「マリーン、ぼくと結婚して下さい」
「ちょっと待ったあ~」
「ちょっと待った!」
ブルーベリーさんとチェリーさんが
ぼくの両脇に並んで、花束をマリーンに差出し
「俺と結婚してくれマリーン」
「俺が幸せにする。結婚しようマリーン」
全く、誰だこんなクサイ演出したのは。
チラッと見回すとアングリさんと目が合った。
アングリさんはニヤッと笑ってサムズアップした。
マリーンはアザトク親指を唇に当てて、イヤイヤみないなポーズをしてから。
3人の前を右に行ったり左に行ったり。
まるで○○バトルの最下位発表だなぁ
さんざん焦らしてから、ぼくの花束を受取り、抱きついてきた。
盛大に拍手が沸き起こり、両脇の二人は、ガッカリした演技をする。
音楽がなり、ぼくとマリーンはそのまま踊りだす。
僕たちの周りでも、次々と男女が腕を組み踊り始める。
ホールが踊る人で混み合ってくるのを見計らって、マリーンとバルコニーに出る。
ここでキスを………
先にキスしているカップルが………
それも二組
映画のようには行かないなぁ~
そうこうしてると、なんか視線を感じた。
『探知』で見るとバルコニー脇のカーテンの陰に二人の人が居るのがわかった。
「僕ら監視されてるよ」
ぼくがカーテンの方に目配せするとマリーンが
「そこに居るんでしょ
出て来なさい」
「ごめん」メネデール伯爵が出てきた。
「やっぱり………………
まだ居るんでしょ
出て来なさい」
「ムッシッシー ハハハ
わしでした」
「王様!」
先にバルコニーに居た二組のカップルは、王様の登場に驚いて、そそくさと逃げ出した。
「ほれ、邪魔者は消えたぞ、遠慮なくブチューっとせんか」
「王様やメネデール伯爵の見てる前で、無理ですよ。
マリーン、食べ物でも取りに行こうよ」
「つまらんのう」
「残念、惜しかったですね」
二人の婚約を機に国は減税を行なった。
国内各地で「皇太子ご婚約記念バーゲンセール」が行われ、観光客も大いに増え国への経済効果は、減税分のカバーどころか、大いに増収増益となった。
「ロベルト そしてパンチよ これこそがロイヤルウェディングのパワーだ。
わしの言うとおりになっただろう。
ハハハこれで我が国はますます安泰だ
ワッハッハ」
娘たちは、皆マリーンの髪型を真似して、マリーンと同じような服を着たがり、マリーンと同じ口紅、香水が飛ぶように売れる。
タブロイド誌は、「マリーン令嬢のお気に入り」「マリーン令嬢の今週のファッション」とドンドンヒートアップしている。
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