魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第四章

姫のたしなみ

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北の国境を新カスタード国と接している ここシュウ国は、王政で、王家が絶対的権力を握っている。
カスタード国の王家とは、良好な関係にあったが、新政権となりその関係が崩れた。
新政権発足当初は、旧貴族が数名亡命してきた。
しかし、ここに来て新カスタード国の発展は目ざましく、領民が流出している状態が続いている。

「このままだと、我が国も王家を滅ぼす動きが始まりかねんな。」

最近のシュウ王は、身に迫る危険を気にしていた。
そんな矢先、新カスタード国から思いもよらない知らせが舞い込んだ。

「親愛なるシュウ王へ
我が娘フウリンが、貴国への留学を希望している。
どうか、よろしく取り計らってもらえないだろうか。

ワシは、お飾りの王となり今は何の力も無いが、こんな親バカの頼みを聞いて欲しい

新カスタード国 国王」

これは、人質を差出すと言うことだな。

最近養女を迎えたとウワサは聞いている。
つまり、万一殺されてもさほど気にならない人質と言うわけだが、体面は姫君だ。

下手に手出しをすると、我が国に攻め入る口実にされるかも知れない。
ここは慎重に扱わないと。




「シュウ王様 フウリンでございます。この度は私の留学をお認めくださいまして、ありがとうございます。
父からも、よろしくとのことです」

数々の土産品と侍女を従えて、新カスタード国の姫はやって来た。

「父君はお元気か!」

「はい、それはもう 相変わらず側室と励んでおります」

「ハハハ あやつらしいのう
数々の土産の品 礼を言う。
長旅でお疲れだろうが、今宵は、姫君の歓迎の宴を用意している。
後で迎えの者をやるので、それ迄宿で休まれるがよい」

「ありがとうございます。では、後程」

豪華な造りの2頭だての馬車で宿へと送られた。
宿と言っても、豪華なホテルだ。
前世で言う所のスーパースイートルームだ。
主賓のベッドルームの他にゲスト用のベッドルームも2つ有りそれぞれにトイレと浴室とシャワールームが付いている。リビングの他応接室、書斎も有り、衣装部屋には、数々のドレスから靴に始まり、乗馬服や水着迄揃えてある。
化粧部屋には、色とりどりの宝石が用意されていた。

「フウリンさまぁ~ 私もドレス着てパーティー行きたいなぁー」

「ガラスの靴履いて、かぼちゃの馬車に乗ってゆく?」

「??? 何ですかそれ?」

「ああ リタは知らないわよね。私の前世の記憶にあるお伽話で、王子様に見染められる女の子の話 その話の中の有名なシーンよ」

「へえー 素敵ですね。その話詳しく聞かせて下さいよ。」


シンデレラの話を、始めようとした時に、メイド服を着た女性が数人部屋に入って来た。

「何をされてるんですか?時間が有りませんよ、早くお風呂に!そちらのご友人も!」

風呂には既に湯が張ってあり、二人ともあっという間に着ているものをはがされた。

石鹸で泡だらけの風呂で、ブラシでゴシゴシゴシゴシ洗われた。

シャワーは冷たいままなので、魔力で体温調整して耐えた。

裸のまま化粧部屋に引張っていかれ、下着をつけ、化粧を施された。

そして、噂に聞いた「コルセット」ウエストをギュウギュウ締め付けられ、苦しい。

「筋肉質でこれ以上、締まりませんね」

そりゃあそうだ、そこらのお姫様とは違って、日々鍛錬した私の腹筋は、シックスパックで強靭だ。

衣装部屋に下着姿で連れていかれ
「そのお腹が納まるドレスは、右端の5~6着です」

この抜群の体型の私が、おデブ扱いか?

見ればリタが、やはり下着姿でそこにいた。

「フウリンさまぁ~ 私デブですか?」

「この国の姫君の中では、私もリタも、そうかもなぁ」

「こんなに沢山のドレスの中で、着られるのが、たったのこれだけって悲しい気持ちです。」

「これから、私たちに合わせたドレスを作れば、良いのよ。
そうだ、ドレス革命をしましょ。ココ・シャネルのようにね。
でも今日は、有るもので我慢しましょ」

「ココ・シャネルって、何ですか?」

「私の前世の記憶の中で、世界を変えた、服のデザイナーの名前よ」
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