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伯爵令嬢
伯爵家
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学院長からは、2通の手紙を渡された。
片方の手紙には、宛名もなく、差出人も書いてない。
もう一方は、グレンデル伯爵殿下と宛名があり、差出人は学院長になっていた。
2通とも、きっちりと封がされている。
秘密は、怖いけど、何かワクワクしてた。
国家機関のスパイになったりするのかなぁ。
単独潜入捜査とかしたり。要人暗殺。果ては、大量殺戮兵器の設計を盗むとか?
そんなわけ無いわよね。
渡された案内図は、グレンデル伯爵の屋敷への道順が載っていた。
伯爵の家に、トランク一つ持った魔法使いが行くなんて、不審者に思われないか不安をよぎった。
伯爵家の門の所には、出入りをチェックする守衛さんがいて、ものものしい。
出入りする人は、みんなチェックされている。
私は、ちょっと気圧されて、屋敷の周りを一週してみようと思った。
だけど、屋敷はとっても広くて、まるで国立公園だ。
あきらめて戻ろうと思った時に、垣根の間から男の子が顔を出した。
「ヨシヒコ様 ヨシヒコ様」垣根の向こうから何人かの女性の声がする。
男の子は10歳位で、クリっとした瞳で、髪はブロンドの将来イケメンを約束された可愛い子だ。
男の子は、人差し指を口に当てて「しー」ってやった。
「お前 俺の家来にしてやるから、静かにしろ」
「ちょっとアンタ!私の弟よりちびのクセになに言ってるの!
それが人にものを頼む態度?
大声出すわよ」
「ぶ 無礼な!僕を誰だと」
私は男の子の首根っこを押さえつけた。
「捕まえました!ここに居ますよ」
バタバタと人がやって来た。
男の子を押さえつけてる私を見て
「ヨシヒコ様を放せ!」と怒鳴りながら、剣士が剣を抜いている。
「えっ」私は驚いて彼を放した。
「こいつを斬れ!」ヨシヒコと呼ばれた少年が剣士に命じた。
「事情が解らぬまま、人は切れません、殿下」
「僕を、捕まえて、地面に押さえつけたんだ!無礼うちだよ!」
「殿下、どうしてこの者に捕まったのですか?
伯爵様の前で、お話し下さい。」
この時私はすでに、事情が解らないまま拘束されていた。
「殿下?伯爵様?
私は王立魔法学院の学院長から仰せつかって、伯爵様にお手紙を届けに来た者です」
勝手に拘束を魔法で解いて、2通の手紙を差し出した。
「この子を探す声がしてすぐに、垣根からこの子が出てきて、偉そうに命令するから、捕まえて、人を私が呼んだのよ。
感謝されても、こんな目に合わせるなんて、どういうことよ!」
学院長の手紙を見て剣士が
「この手紙は本物だ!魔法使いのお嬢さん、失礼した。一緒に来てくれ」
なんかバタバタしたけど、ミッションクリアよね。
「お手紙渡したから、私の用件は、終わりです。
これで失礼したいんですけど」
ここにいたら、何かとトラブルに巻き込まれる予感がした。
「手紙の返信ということもあるので、ご同行願いたい」
腕をとられ、有無を言わさない感じだ。
私はしぶしぶ 連れていかれた。
しばらく待たされてから、
「伯爵様がお目通りになる」
と広間に連れ出された。
伯爵が一段高い所から、腰かけてこちらを見ている。
私は一礼をしてから
「お目通りありがとうございます。
わたくしは、モニカと申します。王立魔法学院の学院長から申しつかり、伯爵様にお手紙をお届けしに来た者です。」
「そなたがモニカか、もう少し近くに来ておくれ、顔をよくみたい」
私は、一二歩前に出た。
「もっと近くに」
失礼ではないか、心配しながら
また一二歩前に出た
「もっとじゃ ここ迄来い」
伯爵は、手の届きそうな所迄私をよんだ。
「やはり、間違いない。メアリーそっくりじゃ」
私は突然母の名を聞いてびっくりした。
「皆を集めよ!」
伯爵の一言で周りの人たちが一斉に動いた。
じきに、広間は人でいっぱいになった。
伯爵が立ち上がり、私の手を持った。
「この娘は、我が娘メアリーの子
わしの孫 モニカじゃ。
今日よりここに住むこととする。
皆よろしく頼むぞ」
あたりは突然のことで ざわざわしてる
私も何がなんだか、パニックだ
お母様が、伯爵様の子どもで、私が孫?
そんなこと、有るんだ!
女神様のイタズラか?
本物の王子様狙えるポジションよねこれ。
ん? さっきの子ども、殿下って呼ばれてたわよね?
片方の手紙には、宛名もなく、差出人も書いてない。
もう一方は、グレンデル伯爵殿下と宛名があり、差出人は学院長になっていた。
2通とも、きっちりと封がされている。
秘密は、怖いけど、何かワクワクしてた。
国家機関のスパイになったりするのかなぁ。
単独潜入捜査とかしたり。要人暗殺。果ては、大量殺戮兵器の設計を盗むとか?
そんなわけ無いわよね。
渡された案内図は、グレンデル伯爵の屋敷への道順が載っていた。
伯爵の家に、トランク一つ持った魔法使いが行くなんて、不審者に思われないか不安をよぎった。
伯爵家の門の所には、出入りをチェックする守衛さんがいて、ものものしい。
出入りする人は、みんなチェックされている。
私は、ちょっと気圧されて、屋敷の周りを一週してみようと思った。
だけど、屋敷はとっても広くて、まるで国立公園だ。
あきらめて戻ろうと思った時に、垣根の間から男の子が顔を出した。
「ヨシヒコ様 ヨシヒコ様」垣根の向こうから何人かの女性の声がする。
男の子は10歳位で、クリっとした瞳で、髪はブロンドの将来イケメンを約束された可愛い子だ。
男の子は、人差し指を口に当てて「しー」ってやった。
「お前 俺の家来にしてやるから、静かにしろ」
「ちょっとアンタ!私の弟よりちびのクセになに言ってるの!
それが人にものを頼む態度?
大声出すわよ」
「ぶ 無礼な!僕を誰だと」
私は男の子の首根っこを押さえつけた。
「捕まえました!ここに居ますよ」
バタバタと人がやって来た。
男の子を押さえつけてる私を見て
「ヨシヒコ様を放せ!」と怒鳴りながら、剣士が剣を抜いている。
「えっ」私は驚いて彼を放した。
「こいつを斬れ!」ヨシヒコと呼ばれた少年が剣士に命じた。
「事情が解らぬまま、人は切れません、殿下」
「僕を、捕まえて、地面に押さえつけたんだ!無礼うちだよ!」
「殿下、どうしてこの者に捕まったのですか?
伯爵様の前で、お話し下さい。」
この時私はすでに、事情が解らないまま拘束されていた。
「殿下?伯爵様?
私は王立魔法学院の学院長から仰せつかって、伯爵様にお手紙を届けに来た者です」
勝手に拘束を魔法で解いて、2通の手紙を差し出した。
「この子を探す声がしてすぐに、垣根からこの子が出てきて、偉そうに命令するから、捕まえて、人を私が呼んだのよ。
感謝されても、こんな目に合わせるなんて、どういうことよ!」
学院長の手紙を見て剣士が
「この手紙は本物だ!魔法使いのお嬢さん、失礼した。一緒に来てくれ」
なんかバタバタしたけど、ミッションクリアよね。
「お手紙渡したから、私の用件は、終わりです。
これで失礼したいんですけど」
ここにいたら、何かとトラブルに巻き込まれる予感がした。
「手紙の返信ということもあるので、ご同行願いたい」
腕をとられ、有無を言わさない感じだ。
私はしぶしぶ 連れていかれた。
しばらく待たされてから、
「伯爵様がお目通りになる」
と広間に連れ出された。
伯爵が一段高い所から、腰かけてこちらを見ている。
私は一礼をしてから
「お目通りありがとうございます。
わたくしは、モニカと申します。王立魔法学院の学院長から申しつかり、伯爵様にお手紙をお届けしに来た者です。」
「そなたがモニカか、もう少し近くに来ておくれ、顔をよくみたい」
私は、一二歩前に出た。
「もっと近くに」
失礼ではないか、心配しながら
また一二歩前に出た
「もっとじゃ ここ迄来い」
伯爵は、手の届きそうな所迄私をよんだ。
「やはり、間違いない。メアリーそっくりじゃ」
私は突然母の名を聞いてびっくりした。
「皆を集めよ!」
伯爵の一言で周りの人たちが一斉に動いた。
じきに、広間は人でいっぱいになった。
伯爵が立ち上がり、私の手を持った。
「この娘は、我が娘メアリーの子
わしの孫 モニカじゃ。
今日よりここに住むこととする。
皆よろしく頼むぞ」
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お母様が、伯爵様の子どもで、私が孫?
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