遊び人ロイはハーレムスキル

烏帽子 博

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ヒモ

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「アンタ、いい加減何か依頼受けないと、冒険者資格剥奪よ」

登録に行ったその日から、ラビの所にしけこんで、そろそろ一ヶ月だ

昼過ぎに起きて、ラビに貰ったこづかいを軍資金に、酒場でカードゲームをやって、適当に負けながら、噂ばなしを集めてる。

「俺だって、いつまでもこのままでいいとは思ってないよ」
そう言いながらラビを抱き寄せる。
ちょっとだけ、抵抗をしようとするが、すぐに身を委ねてくる。
俺だって、こんなスキル、ズルいよなぁと思いながらも、ラビの魅力に俺も負けて、ズルズルの関係が続いている。

狂おしく、そして激しい時を過ごしてから、少し呼吸が整った頃に、まだ火照った顔をしたラビが
「女は、惚れた男を、騙すことも、殺すことも出来るのよ。そして捨てることも。」突然いい出した。

「本気で別れようってのか?」

「ロイ あなた私の所に来てから、他の女を口説いてないでしょ。戦いもダメ。遊び人としてもダメね。このまま、あと10日、依頼受けなきゃ、資格剥奪よ。それでいいの。」

「それって、他の女口説いて、出てけって意味か」

「だって、あなた他に出来ること有るの?
私の所にいても、変われないわ。
強い女とパーティー組んで、レベル上げれば、きっと変われるはずよ」
ラビは、うっすらと目に涙を溜めている。

「女は、私が選んで教えるから。ちゃんと落とすのよ
いい娘を選ぶから。心配しないで。」

俺は黙って、小さくうなづき、ラビを抱き締めた。わかってたんだ、このままじゃいけないって、でも、今の関係が壊れるのが怖かった。
その夜は、朝まで何度も愛し合った。

翌日、ラビに貰った金で、身なりをそれなりに整えて、ギルドに行った。

朝のうちは、沢山のパーティーがいて、受付もごった返している。ラビも淡々と仕事をこなしている。特にサインを送ってくることもなかった。

昼過ぎに、魔法使いの少女がラビの受付に来たときに、サインを送って来た。
おいおい、それ、犯罪だよ、こんな少女相手に。
ラビの休憩時間に、再確認したら、冒険者資格を持つ者は、全て大人扱いで、なおかつその子は15歳で、この世界では、冒険者でなくても結婚出来る年齢だそうだ。

魔法使いの娘は、空いている席があっても、すわらないで、壁を背に立っている。
何人かの男が声をかけていたが、声を発することもなく、首を振って拒絶していた。
いきなり声をかけても、不審に思われるだけだろうから、どうするか?
不自然に思われずに1メートル以内とか、接触とか、簡単に出来そうで、できない。
とりあえず、近くのテーブルに座って、食事をオーダーして、娘の様子を伺っていた。

ラビは、盛んに「グイグイ行け!」のようにあごを振ってサインを送ってくる。

何度か魔法使いの娘と目があったが、そのたびに、即座に目線をはずされ、微笑みを送ることも出来ずにいた。


これじゃ駄目だなあ~と思ってると
娘の方から、ツカツカと俺の方に近づいて来た
「あなた、受付の女性と何かサインを送りあっては、私のことをチラチラ見てるでしょ。わからないとでも思った?何か用なの」

「えっ」
チャンスが向こうからやって来たのに、突然で、言葉が出ない。

ルー 運を使ってくれ
「ルールルルー あら久しぶりね。もう私のこと忘れてるのかと思ったわ。バニーのラビちゃん可愛いから、仕方ないかなぁーと思ってたのよ」

睨み付けてる魔法使いの娘に
「説明するから、ここに座らないか?」

「立ったままでいいわ」

「じゃあ、俺も立つとしよう」
魔法使いの娘は、小柄で俺が立つと、見上げるにも、帽子のつばが邪魔なようだ

「やっぱり座るわ、貴方も座って」
やはり見下ろされるのは抵抗があるようだ。

これで、上手く話を繋いでいれば、運とスキルで魔法使いの娘に好かれるはずだ。

「俺は冒険者になりたくて、このギルドに来たんだ。
俺は職業が、遊び人なんだ。
職業のせいか単に弱いからか、パーティーを組んでくれる仲間をなかなか見つけられないんだ。
それで、受付のラビさんに、よさそうな人が居たら教えてくれるよう頼んでたんだ」

「私があなたの相手にいいと ラビさんがなんでそう思ったかわからないけど。
私もあなたに用は無いわ。
遊び人さん。じゃあね」
そう言って、魔法使いの娘は席を立とうとした

まずい、折角そばに来てくれたのに。
このチャンス見逃すわけにはいかない
ラビも行け行けと、拳を振って合図してくる
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