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女神ヘラ
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満月の夜、月が山の端に沈む時を待っていた。
「月が沈むのは、まだまだ先だな」
「今宵は誰が一番だったかしら」
「私なのら~」
「今日はロイその気無いみたいだにゃあ、ミーナは満月の夜におあずけは辛いにゃん」
俺は「マグマの杖」を使うタイミングを逃したくないと、一度は断ったのだが、ミーナに変身しそうなのにゃと恋われて許してしまった。
今宵は一回づつで終わりだからね。と宣言したが。つくづく俺は意志が弱いと痛感した。
宿の裏手の源泉の湧き出る所で、その時を待った。
月が山に沈み、あたりがより薄暗くなった。
俺はマグマの杖を源泉に浸けた。
目の前の大岩が、移動始める
奥から強い光が溢れだして来る
光源の手前に女性の姿が見える
「妾はゼウスの妻ヘラ
妾の怒りは、千年の時を超え未だ鎮まらん。」
「何をお怒りになっておられるのですか?」
「ゼウスのバカに決まってるじゃないの。
あいつったら、そこのエルフちゃんくらいの女の子を、さらって、てごめにしたのよ。
どうも様子がおかしいから、後をつけて、タイミングを見計らって踏み込んだってわけよ。
そしたらさぁ、ねぇ聞いて、そこのマグマの杖が、ブイ~ンて震えながらくねくねして、それをその子に…
私はまだ そんなことしてもらった事無いのに、ひどいじゃない
だからそれを取りあげて、使わないように隠す為に獣人たちに預けたのよ
それでわたし、ここにこもったの、結界張って
ほら、人間にもいるでしょ。トイレにこもる人
もっと早く本人が謝りに来ると思って待ってたのに!
千年よ千年!まぁ私たち神にとっては、大した時間じゃ無いけどさ」
「女神様、話し方が」
「千年も人と話して無かったのよ
愚痴くらい好きな話し方でいいでしょ。所で……」
「あなた!居るんでしよ! でて来なさい! 私もこうして でて来たんだから」
「ヘラ すまん、俺が悪かった。でき心だ。許してくれ」
「で、あの娘はどうしたの、ちゃんとお金払って別れたんでしょうね」
「そのまま」
「そのままぁ?それで#?」
「お前が、居なくて寂しかったんだ、女の温もりがないと、俺はダメなんだ。
ヘラ お前さえ戻ってきてくれれば、あの女とは、ちゃんと別れる
頼むから 戻っておくれ」
「千年経っても変わらないのね、いいわ、帰ってあげる。これでまた、私が隠れても、あなたは、あなたのままよね
。私にもマグマの杖使うのよ。新しいのでね。古いのは、結界を解いたその人にあげるわ」
俺は恐る恐る話しかけた
「あの~ 女神様 女神様の出て来られた洞窟の先は、どこに繋がっているのでしょうか?この際私たちはどうしたらいいか、お示しください。」
「洞窟の先なんか無いわよ。この部屋が有るだけよ。
もう要らないから、好きに使っていいわよ。
この先どうすればって、自分の人生は、人任せにしちゃダメよ
自分で考えなさい。
あ そうそう 私の仕事をするか」
女神ヘラは改めて、後光を明るくして座り直した
「我は、職を司る神ヘラである。転職を望む者は、前に出て希望の職を我に告げよ」
おお、遂にこの時がきたか
遊び人は、自分だけじゃ、どうにもならない職だった。
賢者かそれともスーパースターか?
勇者も選べるかなぁ。
俺が前に出ようとしたら、何か強い力で引き戻された。
「えっ なに?」
「なに? じゃ無いわよ。
今さら魅惑のスキル捨てる気?
絶倫は?
スキル無しで私たちを毎晩満たせる自信があるの?」
「戦いなら、みんなが頑張るから大丈夫にゃ」
「こんな身体にしたのはロイよ。責任とってよね。」
「児童虐待!証拠のビデオはそろってるのら」
「わかった わかった 俺は遊び人のままにするよ。はぁ😞💨」
「他に転職を、望む者はおるか?」
「エリエールと申します。賢者に転職した場合、今持ってるスキル「エリート」は無くなりますか?」
「これまで持っていたスキルはリセットされるから、無くなる。
但し、私の力で新たにつけることも可能じゃ。
千年ぶりのハローワーク記念に、改めて「エリート」つけてやってもいいぞ」
「では、女神様お願い致します」
女神ヘラがエリの胸に向けて手をかざすと、エリの全身からオーラが出てきて、ヘラの手に向かって流れ込んで行く。
やがてその流れが止まりヘラは一呼吸する。
ヘラは次に手の上に青白い光の玉を作り出し、それをエリの胸に押し当てる。
エリの全身が青白い光につつまれやがて静かに消えてゆく。
「よし、これで、賢者の誕生じゃ。「エリート」もつけたぞ、レベルは1からやり直しだが、魔法使いの時に覚えた魔法は魔力が足りれば全て使えるぞ」
「あの~ つかぬ事をお伺いしますが、「魅惑」とか「絶倫」も転職した時に、つけ直せますか?」
「あきらめの悪い奴だね その助平スキルは、職業依存型で、遊び人以外にはつけられないよ。元々ゼウスが遊びで作ったスキルだしね」
「じゃ、私は毒蛇の調達に行くから、またね。
また転職したくなったら「ハローワークの神殿」にいらっしゃい。
あなたたちなら、サービスするわよ。
場所は、ゼウスからメモもらってね。」
「毒蛇を捕まえてどうするんですか」
「決まってるじゃない。ゼウスの女のベッドに仕込むのよ!」
「月が沈むのは、まだまだ先だな」
「今宵は誰が一番だったかしら」
「私なのら~」
「今日はロイその気無いみたいだにゃあ、ミーナは満月の夜におあずけは辛いにゃん」
俺は「マグマの杖」を使うタイミングを逃したくないと、一度は断ったのだが、ミーナに変身しそうなのにゃと恋われて許してしまった。
今宵は一回づつで終わりだからね。と宣言したが。つくづく俺は意志が弱いと痛感した。
宿の裏手の源泉の湧き出る所で、その時を待った。
月が山に沈み、あたりがより薄暗くなった。
俺はマグマの杖を源泉に浸けた。
目の前の大岩が、移動始める
奥から強い光が溢れだして来る
光源の手前に女性の姿が見える
「妾はゼウスの妻ヘラ
妾の怒りは、千年の時を超え未だ鎮まらん。」
「何をお怒りになっておられるのですか?」
「ゼウスのバカに決まってるじゃないの。
あいつったら、そこのエルフちゃんくらいの女の子を、さらって、てごめにしたのよ。
どうも様子がおかしいから、後をつけて、タイミングを見計らって踏み込んだってわけよ。
そしたらさぁ、ねぇ聞いて、そこのマグマの杖が、ブイ~ンて震えながらくねくねして、それをその子に…
私はまだ そんなことしてもらった事無いのに、ひどいじゃない
だからそれを取りあげて、使わないように隠す為に獣人たちに預けたのよ
それでわたし、ここにこもったの、結界張って
ほら、人間にもいるでしょ。トイレにこもる人
もっと早く本人が謝りに来ると思って待ってたのに!
千年よ千年!まぁ私たち神にとっては、大した時間じゃ無いけどさ」
「女神様、話し方が」
「千年も人と話して無かったのよ
愚痴くらい好きな話し方でいいでしょ。所で……」
「あなた!居るんでしよ! でて来なさい! 私もこうして でて来たんだから」
「ヘラ すまん、俺が悪かった。でき心だ。許してくれ」
「で、あの娘はどうしたの、ちゃんとお金払って別れたんでしょうね」
「そのまま」
「そのままぁ?それで#?」
「お前が、居なくて寂しかったんだ、女の温もりがないと、俺はダメなんだ。
ヘラ お前さえ戻ってきてくれれば、あの女とは、ちゃんと別れる
頼むから 戻っておくれ」
「千年経っても変わらないのね、いいわ、帰ってあげる。これでまた、私が隠れても、あなたは、あなたのままよね
。私にもマグマの杖使うのよ。新しいのでね。古いのは、結界を解いたその人にあげるわ」
俺は恐る恐る話しかけた
「あの~ 女神様 女神様の出て来られた洞窟の先は、どこに繋がっているのでしょうか?この際私たちはどうしたらいいか、お示しください。」
「洞窟の先なんか無いわよ。この部屋が有るだけよ。
もう要らないから、好きに使っていいわよ。
この先どうすればって、自分の人生は、人任せにしちゃダメよ
自分で考えなさい。
あ そうそう 私の仕事をするか」
女神ヘラは改めて、後光を明るくして座り直した
「我は、職を司る神ヘラである。転職を望む者は、前に出て希望の職を我に告げよ」
おお、遂にこの時がきたか
遊び人は、自分だけじゃ、どうにもならない職だった。
賢者かそれともスーパースターか?
勇者も選べるかなぁ。
俺が前に出ようとしたら、何か強い力で引き戻された。
「えっ なに?」
「なに? じゃ無いわよ。
今さら魅惑のスキル捨てる気?
絶倫は?
スキル無しで私たちを毎晩満たせる自信があるの?」
「戦いなら、みんなが頑張るから大丈夫にゃ」
「こんな身体にしたのはロイよ。責任とってよね。」
「児童虐待!証拠のビデオはそろってるのら」
「わかった わかった 俺は遊び人のままにするよ。はぁ😞💨」
「他に転職を、望む者はおるか?」
「エリエールと申します。賢者に転職した場合、今持ってるスキル「エリート」は無くなりますか?」
「これまで持っていたスキルはリセットされるから、無くなる。
但し、私の力で新たにつけることも可能じゃ。
千年ぶりのハローワーク記念に、改めて「エリート」つけてやってもいいぞ」
「では、女神様お願い致します」
女神ヘラがエリの胸に向けて手をかざすと、エリの全身からオーラが出てきて、ヘラの手に向かって流れ込んで行く。
やがてその流れが止まりヘラは一呼吸する。
ヘラは次に手の上に青白い光の玉を作り出し、それをエリの胸に押し当てる。
エリの全身が青白い光につつまれやがて静かに消えてゆく。
「よし、これで、賢者の誕生じゃ。「エリート」もつけたぞ、レベルは1からやり直しだが、魔法使いの時に覚えた魔法は魔力が足りれば全て使えるぞ」
「あの~ つかぬ事をお伺いしますが、「魅惑」とか「絶倫」も転職した時に、つけ直せますか?」
「あきらめの悪い奴だね その助平スキルは、職業依存型で、遊び人以外にはつけられないよ。元々ゼウスが遊びで作ったスキルだしね」
「じゃ、私は毒蛇の調達に行くから、またね。
また転職したくなったら「ハローワークの神殿」にいらっしゃい。
あなたたちなら、サービスするわよ。
場所は、ゼウスからメモもらってね。」
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「決まってるじゃない。ゼウスの女のベッドに仕込むのよ!」
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