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第3章
問題山積
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父と兄の葬儀を済ませると、直ぐにクレアとブルースの婚約が発表された。
しかし、ここでいくつかの問題が持ち上がっていた。
モーリス伯爵は、ブルースを婿に迎え、ブルースに別家としてモーリス伯爵家を支えてもらいたいと考えていた。
ブルースは、貴族の権力闘争に興味はなく、クレアの実家とはいえそこに肩入れはしたくなかったので、クレアを嫁として迎えたかった。
そしてもう一つの問題は、サマンドール辺境伯から、父がつとめていた騎士団長への就任を強く求められていた。
騎士団長となることは、サマンドール辺境伯の手足となって働くことを意味する。
しかしこれを断われば、敵対の意志有りとみられるのだ。
「ブルース、また怖い顔して考えごとなの」
キャロが心配げにブルースをのぞきこんだ。
「キャロ 心配させてごめんよ。
2つの伯爵家が僕を味方に取り込もうとしてくるんだ。
僕は、どちらに取り込まれるのも嫌だし、どちらかと敵対したくもないんだよ。」
「ねぇブルース
前にクレアは、冒険者で旅をするのが羨ましいって、言ってたよね。
クレアも冒険者にして、夢を叶えてあげたらどう。
ブルースは優しいから皆にいい顔をしようとするでしょ。
そのせいで、悩み事が増えるんじゃない。
少しワガママになって、やりたい様にやってみれば、悩みなんか無くなるわよ。」
問題は、他にもあつた。
ブルースがあとを継いだローズウォール男爵家で働く者たちだ、彼らは、父タイロンが雇った人がほとんどで、皆リチャードが跡取りだと考えていた。
その為リチャードがブルースをイジメていても、見て見ぬふりをしていたのだ。ブルースの味方は誰も居なかった。
彼らもまた、決闘でリチャードが負けるとは露ほども考えておらず、まして当主だったタイロンまでが敗れる結果は、想像だにしなかった。
しかし、彼らにとって結果は残酷で、勝利したブルースが当主となってしまった。
手のひらを返す様に擦り寄る彼らにブルースは嫌悪感を抱いたが、男爵家に彼らは必要な存在だった。
「僕が当主となって、嫌だと思う人は、去って貰って構わない。
これまで、僕にしたことは、全て兄リチャードの命令、もしくは兄の意を忖度しての行動だと思っている。
その為これまでのことは全て不問とする。
僕としては、皆さんに気持ちを切り替えてもらい、改めて僕に仕えてくれれば、嬉しいと思う。
ここで、クレアとの相談の為にしばらく留守にするが、あとのこと宜しく頼むよ」
ありがたいことに、使用人たちは一人もやめたりしなかった。
問題が一つだけ解消した所で、ブルースは、気持ちが少し落ち着いた。
シルバーウルフに変身したキャロに騎乗して、クレアの居るポリポリのモーリス伯爵邸にまっしぐらに走った。
キャロは、全く疲れを知らない、ブルースも又クレアに早く会いたい思いで全く疲れなかった。(スライムポーションを水代わりに飲んではいた)
時折表れた魔物たちは全て無視して通り過ぎた。
あたりが暗くなり、魔物の活動が活発になるが、構わず走り続けた。
キャロは、夜目がきき、索敵が出来るので心配はなかった。
ブルースも、キャロほどでは無くても、ある程度の範囲なら相手の魔力を感じて反応できる。
月が雲にかかったりすると、周りは真っ暗だ。
それでも2人は、止まらず走り続けた。
『キャロ 大丈夫 疲れたろ』
『私なら 全然平気。走るだけなら何日続けても問題無いわ
ありがとうブルース。大好きよ』
『僕もキャロが大好きだよ』
『もうすぐよ 大好きなクレアに会えるのは』
『ああ だんだん心臓が高鳴ってきてる』
『まぁ それ私に言う
でもいいわ。』
2人は、念話で通じ合いながら街道を疾走して、周りが白み始める頃には、ポリポリの街の城門に着いた。
キャロもウサ耳獣人になり、貴族用の門から街に入ろうとすると、ここで止められてしまった。
「平民が、貴族をかたると処罰されるのを知らんのか。
幾らあちらが混んでいようとも、平民を通す訳にはいかん。
俺は優しいから、今回は見逃してやるから平民の列に並び直しなさい。
大体貴族が、馬車にも乗らず、護衛も付けず、従者が獣人の少女1人なはずないだろう。
怪しすぎるだろ。」
確かに、門番の言ってることは当然だ。
だがローズウォール男爵となった今 それで引き下がる訳にもいかない
「悪いがモーリス伯爵邸に行って、ブルース・ローズウォール男爵という者が来たが、本人だと証明するものを持って無い。
東門の貴族口迄、彼を知る人に来て欲しいと言って、誰か連れて来てくれないかな。」
「う それまで言うということは、本当なんでしょうね。
すみません。それでも事実確認をしないといけませんので、しばらくお待たせしますがお許し下さい。」
ダンテさんあたりが来るのかなぁ~と思って待っていると
「ブルース 会いたかったわ~」
クレアがやって来て飛んで抱き着いた。
ブルースは、その勢いで倒れる寸前だった。
「ブルース、なにやってるのよ、貴族としてのベースからして
どうのこうの
うんぬん
あれこれ
エトセトラ」
ブルースは、中盤から聞いてなかったが、クレアの説教はしばらく続いた。
ブルースは、念話でキャロとその間話していた。
『キャロは、今日何食べたい』
『肉巻きパン、ポリポリの街の肉巻きパン最高』
『そっかぁ 後で買いに行こうな』
両腕を掴まれて、ブンブン揺すられている。
「ねぇブルース 私の話 ちゃんと聞いてる」
「ごめん、情報が多すぎて、フリーズしてました。」
「聞いて無かったってことね。
まぁいいわ。
とにかく、家に行きましょ」
「ちょっと待ってくれ クレア
肉巻きパンとか買いたいんだよ。」
しかし、ここでいくつかの問題が持ち上がっていた。
モーリス伯爵は、ブルースを婿に迎え、ブルースに別家としてモーリス伯爵家を支えてもらいたいと考えていた。
ブルースは、貴族の権力闘争に興味はなく、クレアの実家とはいえそこに肩入れはしたくなかったので、クレアを嫁として迎えたかった。
そしてもう一つの問題は、サマンドール辺境伯から、父がつとめていた騎士団長への就任を強く求められていた。
騎士団長となることは、サマンドール辺境伯の手足となって働くことを意味する。
しかしこれを断われば、敵対の意志有りとみられるのだ。
「ブルース、また怖い顔して考えごとなの」
キャロが心配げにブルースをのぞきこんだ。
「キャロ 心配させてごめんよ。
2つの伯爵家が僕を味方に取り込もうとしてくるんだ。
僕は、どちらに取り込まれるのも嫌だし、どちらかと敵対したくもないんだよ。」
「ねぇブルース
前にクレアは、冒険者で旅をするのが羨ましいって、言ってたよね。
クレアも冒険者にして、夢を叶えてあげたらどう。
ブルースは優しいから皆にいい顔をしようとするでしょ。
そのせいで、悩み事が増えるんじゃない。
少しワガママになって、やりたい様にやってみれば、悩みなんか無くなるわよ。」
問題は、他にもあつた。
ブルースがあとを継いだローズウォール男爵家で働く者たちだ、彼らは、父タイロンが雇った人がほとんどで、皆リチャードが跡取りだと考えていた。
その為リチャードがブルースをイジメていても、見て見ぬふりをしていたのだ。ブルースの味方は誰も居なかった。
彼らもまた、決闘でリチャードが負けるとは露ほども考えておらず、まして当主だったタイロンまでが敗れる結果は、想像だにしなかった。
しかし、彼らにとって結果は残酷で、勝利したブルースが当主となってしまった。
手のひらを返す様に擦り寄る彼らにブルースは嫌悪感を抱いたが、男爵家に彼らは必要な存在だった。
「僕が当主となって、嫌だと思う人は、去って貰って構わない。
これまで、僕にしたことは、全て兄リチャードの命令、もしくは兄の意を忖度しての行動だと思っている。
その為これまでのことは全て不問とする。
僕としては、皆さんに気持ちを切り替えてもらい、改めて僕に仕えてくれれば、嬉しいと思う。
ここで、クレアとの相談の為にしばらく留守にするが、あとのこと宜しく頼むよ」
ありがたいことに、使用人たちは一人もやめたりしなかった。
問題が一つだけ解消した所で、ブルースは、気持ちが少し落ち着いた。
シルバーウルフに変身したキャロに騎乗して、クレアの居るポリポリのモーリス伯爵邸にまっしぐらに走った。
キャロは、全く疲れを知らない、ブルースも又クレアに早く会いたい思いで全く疲れなかった。(スライムポーションを水代わりに飲んではいた)
時折表れた魔物たちは全て無視して通り過ぎた。
あたりが暗くなり、魔物の活動が活発になるが、構わず走り続けた。
キャロは、夜目がきき、索敵が出来るので心配はなかった。
ブルースも、キャロほどでは無くても、ある程度の範囲なら相手の魔力を感じて反応できる。
月が雲にかかったりすると、周りは真っ暗だ。
それでも2人は、止まらず走り続けた。
『キャロ 大丈夫 疲れたろ』
『私なら 全然平気。走るだけなら何日続けても問題無いわ
ありがとうブルース。大好きよ』
『僕もキャロが大好きだよ』
『もうすぐよ 大好きなクレアに会えるのは』
『ああ だんだん心臓が高鳴ってきてる』
『まぁ それ私に言う
でもいいわ。』
2人は、念話で通じ合いながら街道を疾走して、周りが白み始める頃には、ポリポリの街の城門に着いた。
キャロもウサ耳獣人になり、貴族用の門から街に入ろうとすると、ここで止められてしまった。
「平民が、貴族をかたると処罰されるのを知らんのか。
幾らあちらが混んでいようとも、平民を通す訳にはいかん。
俺は優しいから、今回は見逃してやるから平民の列に並び直しなさい。
大体貴族が、馬車にも乗らず、護衛も付けず、従者が獣人の少女1人なはずないだろう。
怪しすぎるだろ。」
確かに、門番の言ってることは当然だ。
だがローズウォール男爵となった今 それで引き下がる訳にもいかない
「悪いがモーリス伯爵邸に行って、ブルース・ローズウォール男爵という者が来たが、本人だと証明するものを持って無い。
東門の貴族口迄、彼を知る人に来て欲しいと言って、誰か連れて来てくれないかな。」
「う それまで言うということは、本当なんでしょうね。
すみません。それでも事実確認をしないといけませんので、しばらくお待たせしますがお許し下さい。」
ダンテさんあたりが来るのかなぁ~と思って待っていると
「ブルース 会いたかったわ~」
クレアがやって来て飛んで抱き着いた。
ブルースは、その勢いで倒れる寸前だった。
「ブルース、なにやってるのよ、貴族としてのベースからして
どうのこうの
うんぬん
あれこれ
エトセトラ」
ブルースは、中盤から聞いてなかったが、クレアの説教はしばらく続いた。
ブルースは、念話でキャロとその間話していた。
『キャロは、今日何食べたい』
『肉巻きパン、ポリポリの街の肉巻きパン最高』
『そっかぁ 後で買いに行こうな』
両腕を掴まれて、ブンブン揺すられている。
「ねぇブルース 私の話 ちゃんと聞いてる」
「ごめん、情報が多すぎて、フリーズしてました。」
「聞いて無かったってことね。
まぁいいわ。
とにかく、家に行きましょ」
「ちょっと待ってくれ クレア
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