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未来からの来訪者の時
2.6 未来の過去です。
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そう、私にとっても辛い記憶だ。
私達には、兄の様な人がいた。
名前は、佐藤信雪といい、私たちよりも三つ年上の男性だった。
苗字からも分かる通り、沙織の親戚で、従兄妹の関係だ。
とても博識で、多分努力家だ。
多分というのは、努力している様な場面を見たことがないからだ。
いつも自分たちと遊んでくれて、話してくれ、世話までしてくれることもあった。
それでも、学校では成績はトップをキープしていた。
それに、信雪さんの知識にない話などをすると、次の日にはその話で盛り上がれるほど知識をつけてくるくらいだ。
私と翔が剣道を始めたのも、信雪さんがやっていたからだし、私が柔道や空手などもやったのも信雪さんがきっかけだ。
沙織が弓道を頑張ったのも信雪さんのせいだ。
しかし、そんな凄い信雪さんも死んでしまった。
3年前、つまり信雪さんが私たちと同じくらいの歳の時に、事件があった。
連続殺人事件の犯人が逮捕されそうになり、信雪さんが通ってる学校に逃げたのだ。
そして、近くにいた女子生徒を人質にして、学校内の教室の一つに立て篭もった。
警察も、無理には突撃できずにいた。
まず要求されたのが食べ物と飲み物だった。
それも、人質に少し食べさせてから食べるという、慎重さがあり、眠り薬を入れるというわけにもいかず、要求通りに渡した。
犯人は人質にナイフを突きつけたまま、食べ物などを自分から3歩程の場所に置かせて部屋から追い出した。
出たのを確認すると、犯人はナイフは人質の方へと向けたまま食べ物へと手を伸ばす。
目はしっかりとドアの方へと向けられていて、警戒していた。
そして、手に食べ物を取った瞬間ガラスが割れる音がした。
犯人が後ろを見ると人質の近くに男がいるのが見えた。
その男は外にいるであろう警察に呼び掛けた。
すぐさま、男にナイフを切りつけるが躱されしまいには手を掴まれ、捻られ犯人はナイフを落とした。
そのまま投げ飛ばされた。
犯人を投げ飛ばした男、そう信雪さんは次に縛られている女子生徒の縄を解こうとして手に持っているナイフを向けようとし、撃たれた。
撃った警察官も必死だったらしい。
その警察官も殺そうとはしなかったのか、撃たれたのはナイフを持っている肩だった。
ナイフが床に落ちる。
その場にいた警察官が、撃った警察官の方を見てしまった。
視線が外れたその瞬間、犯人は落ちたナイフを再び手に取り人質でなく、肩を抑えていた信雪さんへと向けた。
反応が遅れた信雪さんは躱すことが出来ず刺された。
しかし、そこで犯人の顔が驚きのものへと変わった。
男を刺した手が引けない様に力強く掴まれていた。
犯人は抜こうともがき、信雪さんの顔は歪むが抜けることがなく、最後は警察官に取り押さえられた。
その後、犯人は逮捕され、信雪さんは死んだ。
私たちは、事件後信雪さんの死体の前で、人質となっていた女子生徒から泣きながらその時の状況を、聞き、一緒に泣いた。
連続殺人犯がいなければ、そいつが信雪さんの学校に逃げなければ、女子生徒が捕まらなければ、警察官が撃たなければ、犯人が信雪さんを刺さなければ、そして何より、信雪さんが助けに行こうとしなければと色々と考えてしまう。
そして、いつだったか言っていた言葉が思い出される。
「ダムになりたい」
私達には、兄の様な人がいた。
名前は、佐藤信雪といい、私たちよりも三つ年上の男性だった。
苗字からも分かる通り、沙織の親戚で、従兄妹の関係だ。
とても博識で、多分努力家だ。
多分というのは、努力している様な場面を見たことがないからだ。
いつも自分たちと遊んでくれて、話してくれ、世話までしてくれることもあった。
それでも、学校では成績はトップをキープしていた。
それに、信雪さんの知識にない話などをすると、次の日にはその話で盛り上がれるほど知識をつけてくるくらいだ。
私と翔が剣道を始めたのも、信雪さんがやっていたからだし、私が柔道や空手などもやったのも信雪さんがきっかけだ。
沙織が弓道を頑張ったのも信雪さんのせいだ。
しかし、そんな凄い信雪さんも死んでしまった。
3年前、つまり信雪さんが私たちと同じくらいの歳の時に、事件があった。
連続殺人事件の犯人が逮捕されそうになり、信雪さんが通ってる学校に逃げたのだ。
そして、近くにいた女子生徒を人質にして、学校内の教室の一つに立て篭もった。
警察も、無理には突撃できずにいた。
まず要求されたのが食べ物と飲み物だった。
それも、人質に少し食べさせてから食べるという、慎重さがあり、眠り薬を入れるというわけにもいかず、要求通りに渡した。
犯人は人質にナイフを突きつけたまま、食べ物などを自分から3歩程の場所に置かせて部屋から追い出した。
出たのを確認すると、犯人はナイフは人質の方へと向けたまま食べ物へと手を伸ばす。
目はしっかりとドアの方へと向けられていて、警戒していた。
そして、手に食べ物を取った瞬間ガラスが割れる音がした。
犯人が後ろを見ると人質の近くに男がいるのが見えた。
その男は外にいるであろう警察に呼び掛けた。
すぐさま、男にナイフを切りつけるが躱されしまいには手を掴まれ、捻られ犯人はナイフを落とした。
そのまま投げ飛ばされた。
犯人を投げ飛ばした男、そう信雪さんは次に縛られている女子生徒の縄を解こうとして手に持っているナイフを向けようとし、撃たれた。
撃った警察官も必死だったらしい。
その警察官も殺そうとはしなかったのか、撃たれたのはナイフを持っている肩だった。
ナイフが床に落ちる。
その場にいた警察官が、撃った警察官の方を見てしまった。
視線が外れたその瞬間、犯人は落ちたナイフを再び手に取り人質でなく、肩を抑えていた信雪さんへと向けた。
反応が遅れた信雪さんは躱すことが出来ず刺された。
しかし、そこで犯人の顔が驚きのものへと変わった。
男を刺した手が引けない様に力強く掴まれていた。
犯人は抜こうともがき、信雪さんの顔は歪むが抜けることがなく、最後は警察官に取り押さえられた。
その後、犯人は逮捕され、信雪さんは死んだ。
私たちは、事件後信雪さんの死体の前で、人質となっていた女子生徒から泣きながらその時の状況を、聞き、一緒に泣いた。
連続殺人犯がいなければ、そいつが信雪さんの学校に逃げなければ、女子生徒が捕まらなければ、警察官が撃たなければ、犯人が信雪さんを刺さなければ、そして何より、信雪さんが助けに行こうとしなければと色々と考えてしまう。
そして、いつだったか言っていた言葉が思い出される。
「ダムになりたい」
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