織田家次男、織田信雪です。

コン

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未来からの来訪者の時

2.7 未来での結末、です。

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 「ダムになりたい」

 いや、ここだけだと意味がわからない。

 確か、これは信雪さんの友達が、「俺は、人の人生ってもんは川の様なもんだと思うんだよね」と意味不明な事を言っていた時のことだ。
 その説明を聞き終えた信雪さんは笑いながら「意味わからん」と言った。

 そして、一呼吸おき

 「意味わからんけど、それなら俺はダムになりたいかな。大雨の時には濁流にならない様に、日照りが続いた時は溜め込んだ水で枯れない様に出来るような」

 と、言った。
 つまり

 「人を助けれる人になりたいかな」

 ということらしい。
 いつもそうだった、出来る事ならやってしまう人だった。
 しかもその出来ることが幅広い。

 そして、今回も出来ることをやってしまい、死んでしまった。
 結局、出来る事はわかってるけど、自分のことは全然考えていなかった。



 そこまで話すと、信長様が頭を撫でてきた。

 「ああいう奴らは、ほんと自分の事を考えないから厄介よね。うちにもいるからわかるわ」

 私はすぐに涙を拭き、信長様に謝る。
 こんな、弱いところを見られるなんてちょっと油断してしまった。
 私がしっかりしないといけないのにと、気持ちを入れ直す。
 まあ、最近一緒にいることが多いので悪い人でないのはわかったが、まだ信頼するわけにはいかない。

 「ほんと馬鹿なんだから」

 しかし、その呟きと、呟いた信長様の顔を見ると少しは信頼してもいいと思ってしまう。
 あんなにも、人を慈しみ、そして人のことで悲しむ様な顔を見てしまうと。

 「それで、そのあんたの兄代わりの人はそんな凄いの?」

 雰囲気をすぐさま入れ替えた信長様は面白い話を聞きたがる様に、しかしその瞳は爛々と輝かせる様に聞いてきた。

 本当にこの人は有能な人が好きだなと思えながらも、自分もやっぱり自慢するように話してしまう。

 「凄いどころじゃないですよ!前に話した、私や翔が、やっている剣道は異次元の強さだし、他にも趣味とか言いながら軽々とプロ……えっと、熟練者の人たちみたいにこなしますし」

 「ふーん。そいつも来てくれれば、私ももっと楽しめたかもしれないわね」

 ギラギラした目で笑う信長様を見て、本当に変わらない人だとスッキリできた私も暗い雰囲気にならず答えることができた。

 「あの人なら、いろいろやらかしてくれたと思いますよ」

 そんな場面が、容易く想像でき、思わず笑みがこぼれてしまうほどだった。
 そういえばと思い出す、信雪さんの名前を信長様には伝えなかったと。
 正確に名乗っていたかは不明だが、いずれ謀反を起こす、信勝を指す名と読みが同じ名前だ。
 本当に一緒にこの時代に来ていたら、織田信雪とかになっていたかもしれないと、信長様なら義弟とか婿にするなりして、やりそうだと思った。
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