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未来からの来訪者の時
2.8 沙織の気持ちです。
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-沙織視点-
賑わう通りがゆっくりと流れていく。
食べ物を売ってる人。着るものを売ってる人。私が住んでた時代ではありえない、刀を売ってる人。いろんな人がいる。
そして何よりも大好きな信勝さんが横にいて、一緒に歩いている。
***18話 沙織の気持ちです。***
信勝さんは、これから城下町を歩いて回るらしい。
別に、見回り……という訳ではない。
ただただ城下町の人と話したり、困ってる人を助けたりするためにやっている趣味の様なものと、幾日か前に信勝さんが言っていた。
私は、隣を歩きながら信勝さんに、質問したり、もとの時代での私達の話などをしていた。
信勝さんは、いつもちゃんと対応してくれる。
話に相づちもしっかりしてくれるし、疑問に思ったことを質問してきたりもしてくれる。面白い話には笑ってくれ、悩みとかは真剣に聞いてくれる。
とても優しい人、一緒にいて落ち着く。そうまるで、従兄のお兄ちゃんの様に。
ふと、信勝さんが足を早める。
走っていく方では女性が足を抑えて座り込んでいた。
「大丈夫ですか?」
「いえ、少し捻ってしまったみたいで……、信勝様!?」
女性は、顔を上げ信勝さんを見ると慌てて平伏した。
「申し訳ございませんでした!信勝様とは知らず、あのような物言いを!」
「いえ、大丈夫ですよ。それより、足の状態をみますので。大事になっては大変ですからね。」
「お、恐れ多いです!」
「気にしないでください、と言っても無駄ですよね……。すいません。多少強引にやらせていただきます。」
そこからの信勝さんの処置は、素早く、そして丁寧なものだった。
女性の方が慌てて、何を伝えようか考えているうちに処置が済んでいた。
処置が終わったあと、信勝さんは近くのお茶屋の席に女性を座らせた。
そして、現在そのお茶屋で私と信勝さんと女性で団子を食べている。
「この度はありがとうございました。信勝様にご迷惑をおかけしてしまって… 。」
「いえ、勝手にやったことなので。大きな怪我でなくて良かったです。」
近くにいると幾度も思う。
信勝さんはとても優しい。
助けたことを鼻にかけることもなく、女性を気遣うなんて!
やっぱりこの世界は、パラレルワールド的な世界で私たちが知っている歴史とは違う道を歩んでいるんだろう。
だって、こんな優しい信勝さんと、信勝さんと仲の良い信長様が争うはずなんてないだから。
「****り**ん」
まだ咲ちゃんは警戒さているみたいだけど……。
「**おり**ん」
咲ちゃんもすぐにわかってくれるはずだ!うん!そうに違いない!だって、信勝さんはこんなに良い人なんだから!
「さおりさん!」
「ふひゃ!?の、信勝さん!?ビックリするじゃないですか!」
名前を呼ばれて振り向いたら、至近距離に信勝さんの 顔があって驚いてしまった。
「び、びっくり?あ、いえ、すいません。何回か呼び掛けても、返事がなかったので……。」
「あ……、そ、そうだったんですね…。すいません。それで、どうしたんですか?」
まだ、心臓がバクバクして、落ち着いていないが、とうにか答えられた。
よ、よかったよ~。
「この女性の方の怪我も治ってきたみたいなので、そろそろ移動しようかと思いまして」
「あ!そうなんですね!私の方はいつでも行けますよ!!」
心臓の鼓動も落ち着いてきたので、力こぶをつくる仕草をしながら、信勝さんに力強く答えることが出来た。
「それでは……。では、行きましょうか。沙織さん。」
信勝さんは、女性に笑いかけ会釈すると、こっちを向いてそう言ってきた。
私も食べたものを一ヶ所にまとめ立ち上がり答える。
「はい!」
どこまでも!
心の中の言葉は、今は言えない。
でも、いつか言えたらと思っている。
賑わう通りがゆっくりと流れていく。
食べ物を売ってる人。着るものを売ってる人。私が住んでた時代ではありえない、刀を売ってる人。いろんな人がいる。
そして何よりも大好きな信勝さんが横にいて、一緒に歩いている。
***18話 沙織の気持ちです。***
信勝さんは、これから城下町を歩いて回るらしい。
別に、見回り……という訳ではない。
ただただ城下町の人と話したり、困ってる人を助けたりするためにやっている趣味の様なものと、幾日か前に信勝さんが言っていた。
私は、隣を歩きながら信勝さんに、質問したり、もとの時代での私達の話などをしていた。
信勝さんは、いつもちゃんと対応してくれる。
話に相づちもしっかりしてくれるし、疑問に思ったことを質問してきたりもしてくれる。面白い話には笑ってくれ、悩みとかは真剣に聞いてくれる。
とても優しい人、一緒にいて落ち着く。そうまるで、従兄のお兄ちゃんの様に。
ふと、信勝さんが足を早める。
走っていく方では女性が足を抑えて座り込んでいた。
「大丈夫ですか?」
「いえ、少し捻ってしまったみたいで……、信勝様!?」
女性は、顔を上げ信勝さんを見ると慌てて平伏した。
「申し訳ございませんでした!信勝様とは知らず、あのような物言いを!」
「いえ、大丈夫ですよ。それより、足の状態をみますので。大事になっては大変ですからね。」
「お、恐れ多いです!」
「気にしないでください、と言っても無駄ですよね……。すいません。多少強引にやらせていただきます。」
そこからの信勝さんの処置は、素早く、そして丁寧なものだった。
女性の方が慌てて、何を伝えようか考えているうちに処置が済んでいた。
処置が終わったあと、信勝さんは近くのお茶屋の席に女性を座らせた。
そして、現在そのお茶屋で私と信勝さんと女性で団子を食べている。
「この度はありがとうございました。信勝様にご迷惑をおかけしてしまって… 。」
「いえ、勝手にやったことなので。大きな怪我でなくて良かったです。」
近くにいると幾度も思う。
信勝さんはとても優しい。
助けたことを鼻にかけることもなく、女性を気遣うなんて!
やっぱりこの世界は、パラレルワールド的な世界で私たちが知っている歴史とは違う道を歩んでいるんだろう。
だって、こんな優しい信勝さんと、信勝さんと仲の良い信長様が争うはずなんてないだから。
「****り**ん」
まだ咲ちゃんは警戒さているみたいだけど……。
「**おり**ん」
咲ちゃんもすぐにわかってくれるはずだ!うん!そうに違いない!だって、信勝さんはこんなに良い人なんだから!
「さおりさん!」
「ふひゃ!?の、信勝さん!?ビックリするじゃないですか!」
名前を呼ばれて振り向いたら、至近距離に信勝さんの 顔があって驚いてしまった。
「び、びっくり?あ、いえ、すいません。何回か呼び掛けても、返事がなかったので……。」
「あ……、そ、そうだったんですね…。すいません。それで、どうしたんですか?」
まだ、心臓がバクバクして、落ち着いていないが、とうにか答えられた。
よ、よかったよ~。
「この女性の方の怪我も治ってきたみたいなので、そろそろ移動しようかと思いまして」
「あ!そうなんですね!私の方はいつでも行けますよ!!」
心臓の鼓動も落ち着いてきたので、力こぶをつくる仕草をしながら、信勝さんに力強く答えることが出来た。
「それでは……。では、行きましょうか。沙織さん。」
信勝さんは、女性に笑いかけ会釈すると、こっちを向いてそう言ってきた。
私も食べたものを一ヶ所にまとめ立ち上がり答える。
「はい!」
どこまでも!
心の中の言葉は、今は言えない。
でも、いつか言えたらと思っている。
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