Devil Prince

絢仁

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第3話

最悪

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―屋上―

優奈「私だって言われて何も言い返せないほど馬鹿じゃないもん」
泣きながら麻倉くんに言い返した
すると頭に温もりを感じた
麻倉くんが私の頭を撫でていた
麻倉くんはニッコリと笑っていた
涙が止まらない




気づいたら屋上から麻倉くんはいなくなっていた

このたまにある優しさが私が麻倉くんから離れる理由をかき消してしまう

悔しい

けど
やっぱり好き

優奈「やっぱ…諦められないよ…」

なんであんな人好きになったんだろう…


家に帰った




次の日
―1年B組教室―

愛美「あれ、優奈は?」
隼人「休みだってよ。具合悪い悪いらしい」
愛美「大丈夫かな?放課後プリントとか届けるついでにお見舞い行こうか」
隼人「そうだなー」


放課後
―1年B組教室―

一ノ瀬 隼人目線

先生「一ノ瀬、お前確か橘と家近かったよな?プリント届けといてくれ」
先生が俺にプリントを渡してきた。結構あるなこれ
隼人「分かりましたー」
日向「俺が届けるよ」
麻倉が横からパッと俺のプリントを取った
出たな。悪魔
日向「俺も委員会でプリント届ける用事あるし。俺行くよ。ね?」
笑顔の裏に隠された恐ろしさを俺は察した
この怖さを優奈は耐えてきたのか
隼人「いいよ!俺届けるから!」
優奈は俺が守らなきゃ

すると悪魔は耳元でそっと囁いた

日向「物分かりの悪い猿だな。俺が届けるって言ってんだ引っ込め」

息が止まった…


―橘家―

優奈「はぁ…休んじゃった…」

ここ数日、麻倉くんと関わってから嫌なことばかり続いてずっと寝れなかった


ほんと…もう…最悪…

ピーンポーン

家のチャイムがなった
学校終わってる時間だし隼人がプリント届けに来てくれたのかな
玄関の方からお母さんの声が聞こえた

母「あらぁ!あなた優奈のクラスメイト?」

ん?隼人の時と反応が違うぞ?

日向「はい。一緒に委員長やらせて頂いてる麻倉日向って言います。よろしくお願いします。これプリント届けに来たんですけど、橘さんいらっしゃいますか?」

聞き覚えのある悪魔の声が聞こえた
え?うそでしょ?なんで?家なんで知ってるの?

母「あらぁ、ご丁寧にありがとう。優奈2階にいるから、さぁ 上がって!」

部屋に来るの?あの悪魔が?

優奈「ちょっと!お母さ…」

バタン

勢いよく開いた扉の先には
悪魔が立っていた

日向「よぉ、随分と元気そうだな猿」
優奈「えっ…あ…」

本当に最近ついてない…
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