魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章2節 狩人の目覚め

3-1,2(30,31話)

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再度西崎の車に乗り込んだ3人。
本当にあの警視総監なのかを確かめに行くため警視庁へ戻る。

「本当にあの警視総監がやったっていうのか」
「断定はできない。でも、本当にやったかなんて本人に聞かなきゃわからないことだらけでしょ」

夕方の5時過ぎ。
ここから行けば15分までには着くだろう。
一刻も早く警視総監を止めて殺しをやめてもらわなければ。
車にパトランプをつけて急発進する。
今は緊急事態。
のんびりとなんてできない。

「もし、警視総監がその魔道とやらを使っていたらどうするんです?対策ないんじゃないですか」
「確かに。武器を使うなんてことさせてもらったことないから無理だね」
「じゃあ、どうする気だ!」

魔道専用武器も渡されていないシンにとっては圧倒的に不利な状態になっていた。
そんなときを思って初代と2代に応援要請をかけた。
すぐには向かえないが、早めにくると言っていた。
それまでの時間を稼がなければいけない。
しかし、そこにたどり着くまでには程遠い。
まずは警視庁に行っているかどうかを確かめなければ。
スピードを上げていく車。
100キロ近く出していた。
一般道路で100はあり得ないぐらいだが、よっぽどのことがない限りはしない。

「ちょっ・・・早くないですか!?」
「今は緊急なんだよ!!」

あまりの早いスピードにけがをしそうになる。
危ない運転はいつかけがをするだけのこと。
ドリフトじゃあるまいし。
そう思いながらも警察庁に着いた。
急いで対策本部まで向かう。
一刻を争う問題。
吉とでるか凶とでるかは運次第。
それでいるならばいいほうだと思っていた。
でも、そう簡単にはいかない。

「どうした?」
「警視総監は今どちらに?」
「鋳剣警視総監なら・・・」
「それとは違う警視総監だよ!今どこいるんだ!」

そうすると意外な答えが返ってきた。
調子が悪いからさっき帰ったと。
その言葉に震えてきた。
これは間違いなく赤の他人を殺害するつもりだと。
西崎は警視総監の事を一言一句いちごんいっく漏らさずに話した。
一連の事件はトップである警視総監であると。
理由は本人にしかわからないが、仮説かせつとして殺害理由を話した。
すると、本部は騒然としていた。
警視総監が犯人であるはずがないと。
これまでに何度か個人理由で帰っていたことがあったそうだが、その日にちと殺人をしていた日にちと合っていた。
これを根拠にするのには難しいが、一斉に捜査網そうさもうをしてほしいと頼む。
すると、本部の人間が一斉に動き出した。
トップである警視総監を探せと。
ある意味これは証拠隠滅しょうこいんめつの償いだと思っていた。
そして、西崎と岩城も本部と加わって向かっていった。
シンは一礼をしてからこんな言葉を返して向かって行った。

「証拠隠滅の罪は消えない。けど、今はこの連続殺人を止めるために動いてるんだ。償うなら後にしてあんたも行けば?それが軽くする方法なんじゃない」

こうして警視庁全員は警視総監の逮捕に向けて動き出した。
どちらがこの勝敗をつけるのか。
そんなことも知らない今。動き出そうとしていた。
悪魔という最悪の魔物が。


一斉に出動してから30分。
現在は午後6時すぎ。
まだ薄暗い感じの頃だった。
無線で言っているものの見つけられない。
まだ近くにいるはずなのにどうして見つからないのか不思議で仕方なかった。
シン達も捜査に協力し、犯人を捜していた。
パトランプを光らせ、道路を走り、くまなく目を光らせた。
変装してもおかしくない。
徹底的てっていてきに追い詰めていくしかない。

「見当たらないですね・・・」
「服装がどうであれ、あなたたちなら顔もわかるでしょう。今は徹底的に追い込んでいくしかないんです」

顔さえわかれば一目瞭然いちもくりょうぜん
しかし、似た人だって少なからずいないわけではない。
でも、しっかりと見れば必ず本人だということが確認できる。
どこかしらは違うのだ。
それを見極めるしかない。

「こんな大道路で殺人なんてやるのか?人がたんまりいるんだぞ」
「たぶん、気に入らない人がいれば徹底的にマークするはずです。あの警視総監ですから頭はいいはず。そんじゃそこらの殺人鬼とはわけが違うんですから」

道なき道を徹底的に見ていく。
誰であろうとも容赦ようしゃはしない。
これは警察のポリシーなのだ。
人を守らないで何が警察なのだ。
ここは意地でも捕まえなければいけない。

「外線でもそれらしき人物はいないみたいですね」

そんなことを言っていると似たような人物が細い街路字がいろじに入っていくのが見えた。
西崎は気になって路上に車を止めた。
エンジンを切ったままにして。
3人はその人物が行った街路字にまで向かって行った。
明らかに何か雰囲気が違う。
重苦しい空気がしている。
1歩1歩慎重しんちょうに街路字を進み、周りを確認する2人。
シンは街路字に沿った建物の周辺を探っていた。
周りを見渡してみると、周りはざわついた町。
にぎやかであると同時に人通りが多い。
何があってもおかしくない。

「西崎警視・・・。止めといたほうがええんじゃ・・・」

ビビる岩城にかつをいれる。
ここで引き返すわけにはいかないんだ。
必ず捕まえて終わらせるんだ。
この狂った殺人を。
街路字を通ると、裏路地うらろじに出た。
周りは何もない。
ただ、マンションの階段しか見当たらない。
本当にここにいるのだろうか。
そう思いこんでいた時だった。
どこからか笑い声がする。
小さくてどこからかわからない。
辺りを見るが、誰もいない。
そう思っていた。

「ようこそ、我が墓場へ」

振り向いた先にいたのは間違いなく警視総監だった。
手には銃を手にしている。
何をされるかわからない。
ニヤリと笑う犯人。

「なんだお前らか、はきだまりども。いつから捜査しろなんて言われたんだ?さっさとお前らは書類整理でもしておとなしくしておきな」

おとなしくなんてできるわけがない。
でも、今ここに銃を持っていない。
はきだまりの人間は銃を所持するなと頑なにこの犯人に昔言われたことがあった。
それからか本当に銃を持たせてくれることはなかった。
丸腰まるごしの状態でどうするつもりなのだろうか。
何の対策もしてなかった。
西崎は岩城だけでも逃がそうと説得をした。
こんなビビりの巡査部長がいても仕方ない。
お荷物になるだけだ。
どうなってもいい。
そう思い込んでいた。
でも、それは全く違った。
想像でも空想くうそうでもない物を2人は見てしまったのだった。
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