魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章3節 欲まみれの浸食

2-1 (50話)

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それから2日経ってから結果が出たことを伝えられた。
金貨のことを話すべくシンのいる事務所まで車で向かって行った。
渋滞じゅうたいしている車をかき分け、何とか事務所に着いた。
急いでシンのいる部屋に向かって扉を開けた。

「何ですか、いきなりノックもしないで扉を開けるなんて。常識じょうしきが悪いんじゃないですか。熊じゃあるまいし」
「誰が熊だ!俺は熊でも狼でもねぇよ!普通の公務員こうむいんだっての!」

クスリと笑う岩城に一発昇天しょうてんを食らわせた。
痛そうにする岩城。それを上から見上げる西崎。
違った個性があっていいものだ。

「あばれるのでしたら外でやってもらいませんか?」

見慣れないスーツ姿の女性。
シンの隣に立っている人物は一体誰なのだろうか。
西崎はその女性のことについて聞いてみた。
シンはこの人は秘書だと言い始めた。
こんな子供に秘書がつくなんてなんていいやつなんだ。
西崎はシンの近くまで寄ってひそひそ話していた。

「いいなぁ・・・お前は。こんな人がお前の秘書でよかったな」

皮肉そうにシンに言い立てる西崎にもお構いなしのような顔をしていた。
岩城も2人のひそひそ話を聞こうとしていた。

「仕方ないでしょ。これは魔探偵のルールなんだから」
「で、あの女性の名前は?」
伊部 伊織いなべ いおりさんって言うけど。何、もしかして興味あるとか」
「ねぇよ、バカ!」

徐々に近づいていく岩城。
しかし、ここで不幸ふこうなことが。
西崎とシンの拳が偶然にも顔に当たってしまった。
その衝撃で後ろに倒れてしまった。

「痛っ・・・」
「あっ・・・やっちった」
「悪い、岩城。たまたま当たっただけなんだ。許してくれ」

顔をおさえて痛みにこらえる。
こんなにも不運な人間がいると周りにも不運なことが起きそうだ。
岩城を気にかけるようにその秘書はハンカチを手にし、岩城に手渡した。
岩城の鼻に血がついている。
さっきので出てしまったのだろう。

「すいません。お借りします」

ハンカチを手にとり、血を拭く。
そんな2人がうらやましいと思い、岩城に近づく。

「てめぇ、いい思いしてるじゃないか」
「俺でもこんなことないよ。たとえ子供でもね」

なんだか2人の顔が怖い。
こんなふうな顔をしているのが珍しいくらい。
そんなに秘書にされたことがうらやましいのだろうか。
いい思いばかりする岩城に少しカッとなってしまった。

「それよりお2人は何か御用ごようがあってお尋ねになられたのではありませんか?」

この女性のことでつい話がそれてしまった。
服を正してシンに金貨のことについての結果が出たことについて話をしに来たと報告した。
結果のことを詳しく聞いた結果、これは意外なものの持ち物だということを知る。
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