魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章3節 欲まみれの浸食

2-8 (57話)

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病院に着いて真っ先に完全大血管転位症の病をもつ娘のところへ向かった。
小さな命が呼吸器こきゅうきで繋いでいる。
懸命にもがきながら一生懸命に生きている。
3人はその姿に悲しさを覚えた。
こんなに小さな子供が必死に生きている姿に。

「こんな子供が奇跡的に生きているなんて・・・」
「本来なら手術をしなければ助からないんです。ここまで生きているなんて彼女は強い子ですよ」

治療費ちりょうひのために働いている人が盗みをするはずなんてない。
そう思いながら治療室ちりょうしつを後にした。
ナースステーションに向かっていると些細ささいなことが聞こえてきた。
あの事件のことについて。そして、その他にも。
あれは事故なんかじゃない。故意にやったのではないかとか他にもやっているのではないかという声もあった。
西崎はその話を聞くためにナースステーションにいる看護師に聞いてみた。
ここは昔心臓専門の手術で有名だった。
それまではインオペなんてすることはなく、成功率は100パーセント。
そこから外科の手術も増え、有名な病院とまで言われるまでに成長してきた。
しかし、あの事件でバッシングが浴びせられた。
肺気腫はいきしゅで心肺が停止することはあり得ないと。
間違えて薬を入れ間違えたのではないかという説もでていた。
でも、本当は別の病気が発症したことで亡くなったというのが事実だった。

「その病気の名前、わかりますか?」

西崎はそのことを聞いて唖然あぜんとした。
誰も気づかないわけがなかった。
たったそれだけでインオペするなんてことはあり得ないことだった。
念のためシンにもそのことを伝えた。
やはりシンも同じ考え方をしていた。
そんなことでインオペはあり得ないと。
でも、その看護師が言うにはある条件が重なることで起こるということがわかった。
さらに完全大血管転位症にかかった娘の親以外にもここで入院し亡くなった人がいるというのだ。
そのことも詳しく聞くと、ある人が浮上した。
岩城もその人の聴取に関わっていた。
まさかとは思っていた。
そのことでシンはある確信を持ってしまった。
確信を得るために看護師にこんなことを聞いてしまった。
まさに、シンの思っていた通りのことが起こっていた。
確信が真実に変わった時、シンの目が変わった。

「どないしたんですか、シン君」
「わかったかも。でも、まだこれだけは立証できてない。西崎さん、岩城さんも少し手伝ってもらえませんか?あの事件でなぜインオペしなければいけなかったのかを知るために」

シンはそう言って病院を後にしようとする。
ついていくように2人もシンの後を追った。
あの事件がなぜあの形で終わってしまったのか。
その真相を見つけるためにシン達はある場所に向かっていく。
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