魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章3節 欲まみれの浸食

3-9 (68話)

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岩城はクリアファイルの中から1枚の紙を容疑者全員に見せた。
それは壊れた非常ベルの写真。
そして、下の写真にはベルの線に繋がれていた時限装置じげんそうちだった。

「これは事件の数日前、非常ベルが壊れるっていうことが起きた。原因は非常ベルの奥に入っていた異物が原因らしいが、本当の原因がわかった」
「原因は誤作動ごさどうによるものであると業者の方は言ってはりました。確かに非常ベルと遺物いぶつの間には線が繋がれていたはずなんです。でも、犯人が非常ベルを元に戻したときに何かの拍子に非常ベルに触れてしまったんです。そのため鳴るはずの非常ベルは鳴らなかったんです」

よく起こることなのだが、たまに非常ベルが誤作動で鳴るケースがあるという。
感知器に物をぶつけてしまったり、回線がショートしたりするなどのケースで鳴ってしまうということがあるらしい。
何かが感知すると鳴るように設定されているのだが、鳴らないケースが稀にある。
今回のケースがそうなんだという。
その後、異物は業者が回収し今はないのだが何故事件の時非常ベルが鳴ったのだろうか。

「誰かが鳴らさない限り全部の非常ベルはなりませんもんね」
「そうなんです。犯人はそこに誤算ごさんがあったんです。なぜなら設置した翌日にある行事が行われていたからなんです。何があったのかご存知ですよね?」
「はい。その日は防火訓練の日でした」

そう。犯人が異物を設置した翌日に防火訓練が行われていたのだ。
犯人はその事を知らなかったことになる。
防火訓練の日、担当の職員は取引される場所の非常ベルを鳴らしに向かった。
この時、銀行の営業時間が1時間遅れるという紙が貼られていたのだ。
そして、訓練開始の時間になったと同時に非常ベルのボタンを鳴らした。
しかし、押しても鳴らなかった。
その事を社長に報告し、別の非常ベルを鳴らして訓練をしたのだという。
訓練終了後、社長は業者に連絡し事が発覚したという。
犯人はそのことを知らずに事件当日、持っていたボタンを押しても反応がなかったことを知る。

「そのため犯人はその場所にあった非常ベルを鳴らすしかなかったんですよ。それしか方法がなかったんですから。だって同化を解除してボタンを押したころには成功するって思ってたから。この誤算は入ってなかったんだろうね」
「なら犯人は誰なのですか?」

シンは犯人が誰なのかを指をさした。
それは想定通りの男だった。
シンも西崎も岩城も想定していた通りの男が犯人だったということを。
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