46 / 101
1章3節 欲まみれの浸食
3-8 (67話)
しおりを挟む
「さて、ここからが本題。どういうふうにお金をばれることなく盗んだのか、お答えしましょう」
もったいぶるように容疑者全員を揺さぶっていく。
ここからがシンの本領発揮を見せるときがくる。
「金庫内に入って犯人はあまりの大金に慌てふためいてしまいました。ですが、魔道にとってはどうたってことなかった。魔道は犯人に同化するように勧めた。同化をした犯人はある方法を使ってお金をあるものに変えてこの麻袋に入れたんです。西崎さん、例のものを出してください」
西崎は右ポケットからあるものを出した。
それは金貨だった。
この金貨が一体なんだというのだろうか。
「んだそれ?金貨か?それが何の関係があるっていうんだよ」
「この金貨はある魔道の持ち物です。魔道にとって金貨は欲を満たす唯一の持ち物なんです。つまり、魔道にとってこの金貨はお金当然のもの。でも、本当の正体は何だと思います?それはこれですよ。西崎さん、その金貨を床に叩き落としてください」
証拠袋から金貨を取り出して、勢いよく金貨を床に叩きつけた。
すると、その金貨にヒビが入った。
ヒビが入ると同時に金貨は消えてあるものに変わった。
それは・・・白い帯をつけたお札の束。
盗まれたと思われていたお金の一つである。
「こ、これって・・・」
「札束?」
シンはその札束を容疑者全員に見せた。
岩城も驚いていたが、西崎からあることを思い出して急に冷静になった。
「この金貨、レプリカを作って置いたから心配しなくてもいいと」
レプリカを作って対策室のある場所に保管しておいているという。
それは対策室の奥にある小さな部屋。
そこにこれまでの魔道の証拠品を管理して、いつ出てきてもいいように魔道の名前とそのレプリカを保管する部屋でもあるのだ。
なので西崎はこの金貨を壊すことは想定していたことだった。
そのためにレプリカを作っておいたのだ。
「犯人は札束を金貨に変えたんです。その方法は簡単。同化した状態で札束に触れればいいだけ。そうすれば入っていた札束の分だけ金貨に変わるんです。もし、100万の束が20入っていたら、金貨は20枚。それと同じようにして金庫内に入っていた札束をすべて金貨に変えた。金庫内での管理方法は集金袋のようなもので保管しているため、あとは金庫内に入れて扉を閉めておけばいいだけ。それを知っているのは警備員と銀行員、それと集金をしてくる業者ぐらいでしょう。でも、いくら入ってるかなんてわかるわけがない。そこで犯行するときに魔道に見てくるように頼んだんでしょうね」
「それまでは普通に装っておけばいいだけだから疑われる心配がなくなるってわけだ。戻ってきたころにはどれだけの金が入っているか把握できるからな。それで犯行を実行したんだ」
しかし、どうやって誰にもばれずに外に持ち出すことができたのだろうか。
その方法もシンはわかっていた顔をしていた。
あの方法を使えば簡単に警備員をばらまくことが可能だということに。
もったいぶるように容疑者全員を揺さぶっていく。
ここからがシンの本領発揮を見せるときがくる。
「金庫内に入って犯人はあまりの大金に慌てふためいてしまいました。ですが、魔道にとってはどうたってことなかった。魔道は犯人に同化するように勧めた。同化をした犯人はある方法を使ってお金をあるものに変えてこの麻袋に入れたんです。西崎さん、例のものを出してください」
西崎は右ポケットからあるものを出した。
それは金貨だった。
この金貨が一体なんだというのだろうか。
「んだそれ?金貨か?それが何の関係があるっていうんだよ」
「この金貨はある魔道の持ち物です。魔道にとって金貨は欲を満たす唯一の持ち物なんです。つまり、魔道にとってこの金貨はお金当然のもの。でも、本当の正体は何だと思います?それはこれですよ。西崎さん、その金貨を床に叩き落としてください」
証拠袋から金貨を取り出して、勢いよく金貨を床に叩きつけた。
すると、その金貨にヒビが入った。
ヒビが入ると同時に金貨は消えてあるものに変わった。
それは・・・白い帯をつけたお札の束。
盗まれたと思われていたお金の一つである。
「こ、これって・・・」
「札束?」
シンはその札束を容疑者全員に見せた。
岩城も驚いていたが、西崎からあることを思い出して急に冷静になった。
「この金貨、レプリカを作って置いたから心配しなくてもいいと」
レプリカを作って対策室のある場所に保管しておいているという。
それは対策室の奥にある小さな部屋。
そこにこれまでの魔道の証拠品を管理して、いつ出てきてもいいように魔道の名前とそのレプリカを保管する部屋でもあるのだ。
なので西崎はこの金貨を壊すことは想定していたことだった。
そのためにレプリカを作っておいたのだ。
「犯人は札束を金貨に変えたんです。その方法は簡単。同化した状態で札束に触れればいいだけ。そうすれば入っていた札束の分だけ金貨に変わるんです。もし、100万の束が20入っていたら、金貨は20枚。それと同じようにして金庫内に入っていた札束をすべて金貨に変えた。金庫内での管理方法は集金袋のようなもので保管しているため、あとは金庫内に入れて扉を閉めておけばいいだけ。それを知っているのは警備員と銀行員、それと集金をしてくる業者ぐらいでしょう。でも、いくら入ってるかなんてわかるわけがない。そこで犯行するときに魔道に見てくるように頼んだんでしょうね」
「それまでは普通に装っておけばいいだけだから疑われる心配がなくなるってわけだ。戻ってきたころにはどれだけの金が入っているか把握できるからな。それで犯行を実行したんだ」
しかし、どうやって誰にもばれずに外に持ち出すことができたのだろうか。
その方法もシンはわかっていた顔をしていた。
あの方法を使えば簡単に警備員をばらまくことが可能だということに。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる