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1章4節 幸せの居場所
1-10 (84話)
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岩城は他にもベッドのことについても話してくれた。
これは一番重要なことだということを伝えた。
「ベッドも重要なんやで。ベッドを上に上げることをギャッジっていうねんけど、そのギャッジにも角度が必要なんや。例えば30度でした場合。口に物を入れた時にそれが何なのかわからへんかったら困るやろ?食事がどんなのかを確認できないということが1つ。食事をしているときに誤って気管に入る時があるんや。理由は重力の関係。30度で食べ物が喉に入ったときにはベッドと同じ角度になるために誤嚥になりやすくなる。他にも汁物やった場合は飲みづらいし、飲んだ時にむせてしまうからよくない。他にもいろいろあるんやけど、これ以上話したらチンプンカンプンやろ?」
2人は頭を横にしてしまった。
もうこの時点で頭が混乱してしまったのだろう。
シンは2人を見て一息をついてしまった。
「ああ・・・なんとなくしかわからん・・・」
「うん・・・」
「バカ2人が来たせいでとんでもないことになりそうですよ」
シンもあきれかえってしまった。
本当にこんなんで事件を解決することなんてできるのだろうか。
不安しか残っていない。
シンは2人に簡単に説明をする。
「いいですか?自分達が介護されているというのを考えてください。もし、ベッドが30度で食事介助をするとします。その時どう思います?」
「どうって・・・何するのか不安になるわな・・・。それにご飯って言われたとしても何が口に入るのかわからなくなるし、もしむせたらって思うと怖いって思う。それが何だよ」
睨むシンの顔がやけに怖い。
何か悪いことでも言ったのだろうか。
自分の思っていることを言っただけなのに何か気に障っただろうか。
「他には?」
「他にって・・・誤嚥したら死ぬんじゃないかとかそんな恐怖しかないな。どんなに食事がきましたって言われても何がきたか見ないとわからないもんだし」
一息ついて西崎の目を見ていった。
その通りだと。
他人のことも考えてないからそうなるんだと悪口まで言われた。
それじゃあまるでそれでも警察ですか?と言われているのと同じじゃないかと思ってしまう。
勉強嫌いな猪野糸はなおさら混乱をしてしまった。
本当にこんな説明で大丈夫なのだろうか。
不安に駆られて仕方がないとしか思えなくなってくる。
「猪野糸、後で教えてやるから今は聞くだけ聞いておくんだな。いずれ自分もやることになるんだし」
猪野糸はむすっとした顔でシンを睨んだ。
シンは岩城の背中をポンッと叩いて話の続きをさせようと促した。
岩城はやる気を出したように続きを話した。
「さっき教えたのは家庭での介護の時であって、実際はもっとギャッジを上げないといけないんです。でも、気を付けないといけないのは頭がちゃんとベッドの上にきているかどうかなんです。もちろんこれは家庭内での介護でも一緒です。人はどんな時でも動く時だってあります。動けば動くほど下にいっていくものなんで。食事の時は必ずベッドの上にやらなあかんのです」
下にいった状態でベッドを上げた時、肺などを圧迫するおそれがあるため必ず食事の時はベッドの上に上げてあげなければいけない。
そこで気を付けてほしいのが、ベッドの柵に当たらないこと。
当たってしまうと、出血する恐れもあるからである。
上げる時には気をつけなければいけないのである。
なので、介護や病院では2人1組になって上げるのだ。
1人で上げるとなればある程度動ける人に限られてくる。
「2人1組でやる時も気をつけないといけないのはベッドの柵だけやないんです。シーツで床ずれを起こすこともあるんです」
シーツでも床ずれを起こすということは一体どういうことなのだろうか。
皆さんも一度考えてみてはどうだろう。
ベッドの柵だけじゃない。
シーツも危ない。
岩城の言葉には何を意味しているのだろうか。
これは一番重要なことだということを伝えた。
「ベッドも重要なんやで。ベッドを上に上げることをギャッジっていうねんけど、そのギャッジにも角度が必要なんや。例えば30度でした場合。口に物を入れた時にそれが何なのかわからへんかったら困るやろ?食事がどんなのかを確認できないということが1つ。食事をしているときに誤って気管に入る時があるんや。理由は重力の関係。30度で食べ物が喉に入ったときにはベッドと同じ角度になるために誤嚥になりやすくなる。他にも汁物やった場合は飲みづらいし、飲んだ時にむせてしまうからよくない。他にもいろいろあるんやけど、これ以上話したらチンプンカンプンやろ?」
2人は頭を横にしてしまった。
もうこの時点で頭が混乱してしまったのだろう。
シンは2人を見て一息をついてしまった。
「ああ・・・なんとなくしかわからん・・・」
「うん・・・」
「バカ2人が来たせいでとんでもないことになりそうですよ」
シンもあきれかえってしまった。
本当にこんなんで事件を解決することなんてできるのだろうか。
不安しか残っていない。
シンは2人に簡単に説明をする。
「いいですか?自分達が介護されているというのを考えてください。もし、ベッドが30度で食事介助をするとします。その時どう思います?」
「どうって・・・何するのか不安になるわな・・・。それにご飯って言われたとしても何が口に入るのかわからなくなるし、もしむせたらって思うと怖いって思う。それが何だよ」
睨むシンの顔がやけに怖い。
何か悪いことでも言ったのだろうか。
自分の思っていることを言っただけなのに何か気に障っただろうか。
「他には?」
「他にって・・・誤嚥したら死ぬんじゃないかとかそんな恐怖しかないな。どんなに食事がきましたって言われても何がきたか見ないとわからないもんだし」
一息ついて西崎の目を見ていった。
その通りだと。
他人のことも考えてないからそうなるんだと悪口まで言われた。
それじゃあまるでそれでも警察ですか?と言われているのと同じじゃないかと思ってしまう。
勉強嫌いな猪野糸はなおさら混乱をしてしまった。
本当にこんな説明で大丈夫なのだろうか。
不安に駆られて仕方がないとしか思えなくなってくる。
「猪野糸、後で教えてやるから今は聞くだけ聞いておくんだな。いずれ自分もやることになるんだし」
猪野糸はむすっとした顔でシンを睨んだ。
シンは岩城の背中をポンッと叩いて話の続きをさせようと促した。
岩城はやる気を出したように続きを話した。
「さっき教えたのは家庭での介護の時であって、実際はもっとギャッジを上げないといけないんです。でも、気を付けないといけないのは頭がちゃんとベッドの上にきているかどうかなんです。もちろんこれは家庭内での介護でも一緒です。人はどんな時でも動く時だってあります。動けば動くほど下にいっていくものなんで。食事の時は必ずベッドの上にやらなあかんのです」
下にいった状態でベッドを上げた時、肺などを圧迫するおそれがあるため必ず食事の時はベッドの上に上げてあげなければいけない。
そこで気を付けてほしいのが、ベッドの柵に当たらないこと。
当たってしまうと、出血する恐れもあるからである。
上げる時には気をつけなければいけないのである。
なので、介護や病院では2人1組になって上げるのだ。
1人で上げるとなればある程度動ける人に限られてくる。
「2人1組でやる時も気をつけないといけないのはベッドの柵だけやないんです。シーツで床ずれを起こすこともあるんです」
シーツでも床ずれを起こすということは一体どういうことなのだろうか。
皆さんも一度考えてみてはどうだろう。
ベッドの柵だけじゃない。
シーツも危ない。
岩城の言葉には何を意味しているのだろうか。
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