魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章4節 幸せの居場所

2-9 (95話)

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事務所に戻って自室に戻る3人。
何もしゃべらず黙ったまま。
座るときも移動するときもずっと沈黙が続いた。
何をしゃべればいいんだ。
話す言葉が出てこない。
現場を見返したところで何になるというんだ。
何も進展がないじゃないか。
一体何を確かめに行ったのかわからなくなる。

「なぁ、黙ってないで何か言えよ」
「今考え事をしてるんです。しゃべらないでください。黙るっていう動作がわからないんですか?それじゃあ調教ちょうきょうされてない動物みたいです」

誰が調教だ。動物ってなんだ。
俺は動物じゃないぞと言いたげな感じでイライラとしながらシンを見ていた。
それとは引き換えに岩城はガチガチに固まっている。
さっきの威勢いせいはどこにいったのだろうか。
本当に裏表のある人物で訳がわからない。

「岩城、お前何ガチガチになってんだ?お前何か気になることでもあったのか?」
「い、いえ・・・。そんなんではないんです」

西崎に怒られたことを後悔しているみたいだ。
言葉を考えているのか頭が回っていないようにも見える。
座ったまま何を考えているのか。
それは岩城にしかわからない。
こんなことをしていると時間が気になってくる。
もう3時過ぎ。
こんな時間なのか。
そろそろ警視庁に戻らなければいけないな。
さっさとこんな沈黙から抜け出したい。

「こんな時間か、岩城帰るぞ。戻っていろいろやらなきゃいけないしな」

帰ろうとするが、岩城が動かない。
無理矢理連れて帰ろうとスーツの袖を引っ張って連れて行こうとしていたその時だった。
ガチャリと扉が開いた。
誰なんだと警戒をしているとそれは依頼者の美沙と猪野糸だった。

「あの、金城君います?」
「いますよ。何かあったんですか?」
「いや、あたしじゃなくて真織が・・・」

美沙が直接来る理由はないのに、どうして猪野糸と一緒に来たのだろうか。
問題でもしょうじてしまっているのかもしれない。
話だけでも聞いておくかとため息をして猪野糸の話に耳をかたむけた。

「昨日おばあちゃんの部屋に行ったとき、何にもないって言ってたよね」
「だったらなんだ?」

次のこの一言で事態はガラリと変わる。
シン達はそんなことなんてないと思っているのだが、この女の言うことが正しければ大変なことになりそうだ。
耳を疑うが、間違いがなければ本当に起きるかもしれないことなのだと。
西崎も岩城も固唾かたずを飲んでその答えに問いかけることになるなんて思ってもみないことになる。
間違いであってほしい。
そう願いたかった。
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