74 / 101
1章4節 幸せの居場所
2-9 (95話)
しおりを挟む
事務所に戻って自室に戻る3人。
何もしゃべらず黙ったまま。
座るときも移動するときもずっと沈黙が続いた。
何をしゃべればいいんだ。
話す言葉が出てこない。
現場を見返したところで何になるというんだ。
何も進展がないじゃないか。
一体何を確かめに行ったのかわからなくなる。
「なぁ、黙ってないで何か言えよ」
「今考え事をしてるんです。しゃべらないでください。黙るっていう動作がわからないんですか?それじゃあ調教されてない動物みたいです」
誰が調教だ。動物ってなんだ。
俺は動物じゃないぞと言いたげな感じでイライラとしながらシンを見ていた。
それとは引き換えに岩城はガチガチに固まっている。
さっきの威勢はどこにいったのだろうか。
本当に裏表のある人物で訳がわからない。
「岩城、お前何ガチガチになってんだ?お前何か気になることでもあったのか?」
「い、いえ・・・。そんなんではないんです」
西崎に怒られたことを後悔しているみたいだ。
言葉を考えているのか頭が回っていないようにも見える。
座ったまま何を考えているのか。
それは岩城にしかわからない。
こんなことをしていると時間が気になってくる。
もう3時過ぎ。
こんな時間なのか。
そろそろ警視庁に戻らなければいけないな。
さっさとこんな沈黙から抜け出したい。
「こんな時間か、岩城帰るぞ。戻っていろいろやらなきゃいけないしな」
帰ろうとするが、岩城が動かない。
無理矢理連れて帰ろうとスーツの袖を引っ張って連れて行こうとしていたその時だった。
ガチャリと扉が開いた。
誰なんだと警戒をしているとそれは依頼者の美沙と猪野糸だった。
「あの、金城君います?」
「いますよ。何かあったんですか?」
「いや、あたしじゃなくて真織が・・・」
美沙が直接来る理由はないのに、どうして猪野糸と一緒に来たのだろうか。
問題でも生じてしまっているのかもしれない。
話だけでも聞いておくかとため息をして猪野糸の話に耳を傾けた。
「昨日おばあちゃんの部屋に行ったとき、何にもないって言ってたよね」
「だったらなんだ?」
次のこの一言で事態はガラリと変わる。
シン達はそんなことなんてないと思っているのだが、この女の言うことが正しければ大変なことになりそうだ。
耳を疑うが、間違いがなければ本当に起きるかもしれないことなのだと。
西崎も岩城も固唾を飲んでその答えに問いかけることになるなんて思ってもみないことになる。
間違いであってほしい。
そう願いたかった。
何もしゃべらず黙ったまま。
座るときも移動するときもずっと沈黙が続いた。
何をしゃべればいいんだ。
話す言葉が出てこない。
現場を見返したところで何になるというんだ。
何も進展がないじゃないか。
一体何を確かめに行ったのかわからなくなる。
「なぁ、黙ってないで何か言えよ」
「今考え事をしてるんです。しゃべらないでください。黙るっていう動作がわからないんですか?それじゃあ調教されてない動物みたいです」
誰が調教だ。動物ってなんだ。
俺は動物じゃないぞと言いたげな感じでイライラとしながらシンを見ていた。
それとは引き換えに岩城はガチガチに固まっている。
さっきの威勢はどこにいったのだろうか。
本当に裏表のある人物で訳がわからない。
「岩城、お前何ガチガチになってんだ?お前何か気になることでもあったのか?」
「い、いえ・・・。そんなんではないんです」
西崎に怒られたことを後悔しているみたいだ。
言葉を考えているのか頭が回っていないようにも見える。
座ったまま何を考えているのか。
それは岩城にしかわからない。
こんなことをしていると時間が気になってくる。
もう3時過ぎ。
こんな時間なのか。
そろそろ警視庁に戻らなければいけないな。
さっさとこんな沈黙から抜け出したい。
「こんな時間か、岩城帰るぞ。戻っていろいろやらなきゃいけないしな」
帰ろうとするが、岩城が動かない。
無理矢理連れて帰ろうとスーツの袖を引っ張って連れて行こうとしていたその時だった。
ガチャリと扉が開いた。
誰なんだと警戒をしているとそれは依頼者の美沙と猪野糸だった。
「あの、金城君います?」
「いますよ。何かあったんですか?」
「いや、あたしじゃなくて真織が・・・」
美沙が直接来る理由はないのに、どうして猪野糸と一緒に来たのだろうか。
問題でも生じてしまっているのかもしれない。
話だけでも聞いておくかとため息をして猪野糸の話に耳を傾けた。
「昨日おばあちゃんの部屋に行ったとき、何にもないって言ってたよね」
「だったらなんだ?」
次のこの一言で事態はガラリと変わる。
シン達はそんなことなんてないと思っているのだが、この女の言うことが正しければ大変なことになりそうだ。
耳を疑うが、間違いがなければ本当に起きるかもしれないことなのだと。
西崎も岩城も固唾を飲んでその答えに問いかけることになるなんて思ってもみないことになる。
間違いであってほしい。
そう願いたかった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる