96 / 101
1章5節 盤上の世紀末
1-10 (117話)
しおりを挟む
シン達に問題が発生していた時、西崎と岩城は医務室で休んでいた。
芦業に投げられてからというもの悔しいというものが西崎の身体中を駆け巡った。
イライラが募りながらも安静に休んでいた。一方の岩城は気絶した状態で未だに回復していない。
あんなに引きずられていたのにピクリともしないのは余程のダメージがあったのだろう。
「くそっ・・・あんにゃろ・・・。絶対に後悔させてやっからな・・・。あの楽しそうな顔を歪ませてやる・・・」
西崎の苛立ちが医務室を担当している人が西崎の顔を見て話の相手をした。
あんなにもあっけなくやられたのに反省の1つも見当たらない。
それを見ていて頭を冷やしてもらおうと思って。
「歪ませる事なんてできないよ。あんたにはね」
その言葉にピクリとし、担当している人間に顔を向けた。
何だか知っているような顔で堂々としている。どうしてそんな顔をして言えるのだ。
納得がいかない。西崎はその事について聞いてみた。
「何でんな事言えんだ?」
「あんたまだ懲りてないんかい。あの娘を歪ませようなんて到底無理な話だよ」
無理だなんてどうして簡単に決めつけるんだ。
あんな中学生相手にたった1度だけ投げられたのはまぐれなんだ。
それを到底とつけられると余計に知りたくなってしまう。
無理という言葉にも引っかかる。何か特別な理由があの女の子にはあるのだろうか。
理由を聞けばその訳がわかる。知る権利は誰にだってあるのだから聞いてみるしかない。
「あんたあの子の親、誰か知ってるかい?警視庁のトップの人間の娘、芦業警視長の娘の椿ちゃん。空手や柔道では大人顔負けのレベル。あんたの上の上の人間。だから、歪ませようとなんてできっこないって事よ」
「へーっ、芦業警視長の娘なのかーって・・・娘!?あの警視長の!?」
警視長に娘がいるなんて知らなかった。それどころか西崎よりも上の存在。
警視長にこの事を知られたら警察で居られるようなレベルじゃない。
もう終わりのレベル。許容範囲を超えたレベルで罰を下されそうな予感がして西崎は冷や汗を流していた。
あんな人間がこの目の前に来たらどうなるか。慌ててこの部屋を飛び出す準備をしよう。
平気そうな顔をして演技をする西崎は岩城を叩き起こそうとした。
しかし、起きもしないしピクリとも動かない。息はしているのに何でこんな事ができるんだ。
不思議で仕方ないと思っていた次の瞬間だった。ガチャリと扉が開いた。
だ、誰なんだと思わんばかりの縮こまり方。
本当にあの娘が来るのか?それとも警視長?怖すぎる。重い空気がのしかかっていく。
さぁ、誰でも来い!!そう思った時、ビクンと寒気を感じた。
芦業に投げられてからというもの悔しいというものが西崎の身体中を駆け巡った。
イライラが募りながらも安静に休んでいた。一方の岩城は気絶した状態で未だに回復していない。
あんなに引きずられていたのにピクリともしないのは余程のダメージがあったのだろう。
「くそっ・・・あんにゃろ・・・。絶対に後悔させてやっからな・・・。あの楽しそうな顔を歪ませてやる・・・」
西崎の苛立ちが医務室を担当している人が西崎の顔を見て話の相手をした。
あんなにもあっけなくやられたのに反省の1つも見当たらない。
それを見ていて頭を冷やしてもらおうと思って。
「歪ませる事なんてできないよ。あんたにはね」
その言葉にピクリとし、担当している人間に顔を向けた。
何だか知っているような顔で堂々としている。どうしてそんな顔をして言えるのだ。
納得がいかない。西崎はその事について聞いてみた。
「何でんな事言えんだ?」
「あんたまだ懲りてないんかい。あの娘を歪ませようなんて到底無理な話だよ」
無理だなんてどうして簡単に決めつけるんだ。
あんな中学生相手にたった1度だけ投げられたのはまぐれなんだ。
それを到底とつけられると余計に知りたくなってしまう。
無理という言葉にも引っかかる。何か特別な理由があの女の子にはあるのだろうか。
理由を聞けばその訳がわかる。知る権利は誰にだってあるのだから聞いてみるしかない。
「あんたあの子の親、誰か知ってるかい?警視庁のトップの人間の娘、芦業警視長の娘の椿ちゃん。空手や柔道では大人顔負けのレベル。あんたの上の上の人間。だから、歪ませようとなんてできっこないって事よ」
「へーっ、芦業警視長の娘なのかーって・・・娘!?あの警視長の!?」
警視長に娘がいるなんて知らなかった。それどころか西崎よりも上の存在。
警視長にこの事を知られたら警察で居られるようなレベルじゃない。
もう終わりのレベル。許容範囲を超えたレベルで罰を下されそうな予感がして西崎は冷や汗を流していた。
あんな人間がこの目の前に来たらどうなるか。慌ててこの部屋を飛び出す準備をしよう。
平気そうな顔をして演技をする西崎は岩城を叩き起こそうとした。
しかし、起きもしないしピクリとも動かない。息はしているのに何でこんな事ができるんだ。
不思議で仕方ないと思っていた次の瞬間だった。ガチャリと扉が開いた。
だ、誰なんだと思わんばかりの縮こまり方。
本当にあの娘が来るのか?それとも警視長?怖すぎる。重い空気がのしかかっていく。
さぁ、誰でも来い!!そう思った時、ビクンと寒気を感じた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる