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1章
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▽
「おかえり、ジャック、バンディ。」
暗い部屋の中、青白い明りに照らされたバトラーは眠そうな目をこすりながら二人に向けていった。
「おう、ただいま。マジだるかったわ。」
ジャックは肩をぐるぐる回しながら、ソファーに腰掛け靴を履いたまま机に脚を乗せ煙草に火をつけた。汚い、と一言バンディが言うと彼も煙草に火をつけた。
「今回の件はネットのほうもつぶしといたよ、あんなペラッペラのセキュリティでよくやろうとしたな。笑えるわ。」
「相変わらず仕事が早いな。」
バンディはバトラーのパソコンを見ながら言った。
「そうそう、帰ってきて早々悪いんだけど、今回のドラックについて調べていたら気になることがあって」
そういいながら、バトラーはパソコンを操作した。
「今回のドラッグとは直接関係ないんだが、ここのドラッグがどうやら『昼』に流れているみたいなんだ」
「ンなこたねぇだろ、『昼』のやつらはせいぜい安い煙草でも吸ってろ」
「確かな情報ではないんだ、まだ深く調べてないのもあるが」
「『昼』の法で裁けないのを裁くのが俺らだ。わざわざ首を突っ込む必要はない」
「ま、そうだな。ただのうわさってことにしとくか」
三人はそれからこのことについて触れることはなかった。
▽
夜、雲の多い空模様であり暗闇が広がっていた。そのような中、フードをかぶり一人歩く人影があった。
「『夜』は気を付けたほうがいいぜ、おまわりさん」
声をかけられたその人は、ハッと上を向いた。そこには塀の上でニヤついているジャックがいた。
「なんだ、ジャックさんか、脅かさないでくださいよ」
「久しぶりだな、シンシア」
シンシアと呼ばれた彼女はフードを取った。
「おまわりさんが何でこんなとこにいるんですか、まあ、薄々気づいているけどな」
「情報元はバトラーさんですよね。さすがです。」
「わざわざお前がこっち側に来るってことは、あの噂は本当なんだろうな」
「そうです。『夜』のドラッグが『昼』に流れてきてます。そのうえ、そのドラッグを摂取した人たちが加えて多くの犯罪を起こしています。ドラッグの件については警察の中で情報を止めていますが、市民たちの不安は止まりません。ドラッグの情報もいつ流れるか怪しいです。」
「なるほどな、それで俺らに頼もうってわけか
いいだろう、俺がなんとか言ってやる」
ほんとですか?とシンシアの顔は明るくなった。
「あぁ、だからおまえはもう『昼』に戻れ、そこまで送る」
ジャックは表情を変えないまま、シンシアと二人で歩いていた。
▽
昼と夜の境目に着くと、ジャックは口を開いた。
「何か分かり次第こっちから連絡するから、おまえは…。」
ジャックは途中で言葉を飲み込んだ。
「ジャックさん、どうした…」
「いいからお前は帰れ!おまわりさんがこんな所にいたら何かと問題だろ」
シンシアはジャックに背中を押され『昼』に戻って行った。
(「もう戻ってくるな」なんて言えなかった)
もうすぐ『昼』の時間。
「おかえり、ジャック、バンディ。」
暗い部屋の中、青白い明りに照らされたバトラーは眠そうな目をこすりながら二人に向けていった。
「おう、ただいま。マジだるかったわ。」
ジャックは肩をぐるぐる回しながら、ソファーに腰掛け靴を履いたまま机に脚を乗せ煙草に火をつけた。汚い、と一言バンディが言うと彼も煙草に火をつけた。
「今回の件はネットのほうもつぶしといたよ、あんなペラッペラのセキュリティでよくやろうとしたな。笑えるわ。」
「相変わらず仕事が早いな。」
バンディはバトラーのパソコンを見ながら言った。
「そうそう、帰ってきて早々悪いんだけど、今回のドラックについて調べていたら気になることがあって」
そういいながら、バトラーはパソコンを操作した。
「今回のドラッグとは直接関係ないんだが、ここのドラッグがどうやら『昼』に流れているみたいなんだ」
「ンなこたねぇだろ、『昼』のやつらはせいぜい安い煙草でも吸ってろ」
「確かな情報ではないんだ、まだ深く調べてないのもあるが」
「『昼』の法で裁けないのを裁くのが俺らだ。わざわざ首を突っ込む必要はない」
「ま、そうだな。ただのうわさってことにしとくか」
三人はそれからこのことについて触れることはなかった。
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夜、雲の多い空模様であり暗闇が広がっていた。そのような中、フードをかぶり一人歩く人影があった。
「『夜』は気を付けたほうがいいぜ、おまわりさん」
声をかけられたその人は、ハッと上を向いた。そこには塀の上でニヤついているジャックがいた。
「なんだ、ジャックさんか、脅かさないでくださいよ」
「久しぶりだな、シンシア」
シンシアと呼ばれた彼女はフードを取った。
「おまわりさんが何でこんなとこにいるんですか、まあ、薄々気づいているけどな」
「情報元はバトラーさんですよね。さすがです。」
「わざわざお前がこっち側に来るってことは、あの噂は本当なんだろうな」
「そうです。『夜』のドラッグが『昼』に流れてきてます。そのうえ、そのドラッグを摂取した人たちが加えて多くの犯罪を起こしています。ドラッグの件については警察の中で情報を止めていますが、市民たちの不安は止まりません。ドラッグの情報もいつ流れるか怪しいです。」
「なるほどな、それで俺らに頼もうってわけか
いいだろう、俺がなんとか言ってやる」
ほんとですか?とシンシアの顔は明るくなった。
「あぁ、だからおまえはもう『昼』に戻れ、そこまで送る」
ジャックは表情を変えないまま、シンシアと二人で歩いていた。
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昼と夜の境目に着くと、ジャックは口を開いた。
「何か分かり次第こっちから連絡するから、おまえは…。」
ジャックは途中で言葉を飲み込んだ。
「ジャックさん、どうした…」
「いいからお前は帰れ!おまわりさんがこんな所にいたら何かと問題だろ」
シンシアはジャックに背中を押され『昼』に戻って行った。
(「もう戻ってくるな」なんて言えなかった)
もうすぐ『昼』の時間。
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